『第四の暴力』

深水黎一郎さんの作品。
第四の暴力、生存者一名あるいは神の手、ジョホールバルの歓喜、ドーハの悲劇といった4つの短編が収められている。

第一章では災害によって家族を亡くした人に対する無遠慮なマスコミが描写されていた。
第二章では、テレビ番組を制作する側の立場から描かれていた。
第三章では、芸能人に対する誹謗中傷が重罪となる世の中について描かれていた。
常にマスコミに追いかけられる芸能人やスポーツ選手などは、本当に大変だと思ってしまう。

印象に残っている文

この国ではメディアが報道しなかったことは、起こらなかったと同義語なんだなと、俺は改めて悟った。

人間、あまりにも大きな悲しみに見舞われた時には、呆然としてしまってとても言葉なんて出るものではない。

タレントやスポーツ選手がブレイクすると、自分はずっと前から目を付けていたと自慢する奴が必ず出て来る。


↑自慢したくなる気持ちがとてもよくわかる。

「テレビなんて、せいぜい気晴らしになれば良い程度のものだと割り切っているけど、最近は気晴らしにもならない番組が多くない?」


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