『雨夜の星たち』

寺地はるなさんの作品。

病院への送迎やお見舞い代行をする三葉が主人公である。

今の時代にぴったりな作品だと思った。三葉の行う仕事はとても需要があるのではないかと思った。離れた場所に住んでいて、どうしてもお見舞いに行けない人。過去に気まずいことがあって、少し行きづらい人。病院への送迎をしたいが、仕事を休めない人。さまざまな人が気軽に利用できたらいいなと思った。

三葉の考え方は共感できなくもないが、年齢が上の人から見れば「今の若者は・・・」といったように感じるだろうなと思った。

「いっぱい食べなよ」と周りから言われて無理して食べる星崎くんの気持ちに共感した。


印象に残っている文

「必要以上の感傷は人生の荷物になるから。ええことや」

いきおいが良すぎる喋り声は他人の生命力を確実に奪う。

多くの人は「みんな違ってみんないい」というような言葉を好む。でもそれはたいてい「みんなと違う自分を『個性』として受け入れてほしい」という場合に使われる。他者が自分の好まない習性・特性を持っている場合に使用する人は少ない。

「勤めていた会社には、みんなとノリの違う人間に対する独特の空気がありました。悪意から排斥するとか嫌がらせをするとか、そういうことじゃないんです。むしろ頼みもしないのにわざわざ仲間に入れてくれようとするんです。眩しいほどの善意や協調性の大切さを教えたいという正しさにあふれていました」

醜いな、とぼんやり思った。顔に皺があることが醜いのではない。醜いと感じさせる皺を顔に刻んでしまった女なのだ。

かつて「毒親」という言葉がはやったけど、この世に毒にならない親などひとりもいないのではないだろうか。

醜いな、とぼんやり思った。顔に皺があることが醜いのではない。醜いと感じさせる皺を顔に刻んでしまった女なのだ。

かつて「毒親」という言葉がはやったけど、この世に毒にならない親などひとりもいないのではないだろうか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?