『不老虫』

石持浅海さんの作品。

農林水産省で働く酒井は、未知の寄生虫が日本に入ってくるかもしれないという知らせを受ける。酒井はアメリカから来たジャカランダと共に、「不老虫」を処分していく。


不老虫の姿が想像するだけで気持ち悪かった。

女性の子宮に寄生させるという手段が非人道的であると感じた。

前川の処世術がすごいと思った。

酒井とジャカランダは再会してほしいと感じた。


印象に残っている文

「場所は、確保できているんだっけ?」すでに知っていて、確認するための質問だ。

いや、違う。彼女から漂ってくるのは、緊張感ではない。何か重いものを受け止めるときの、覚悟のような硬さ。

人間が寄生虫に感染するルートとしては、寄生虫に感染した生き物を食べるとか、寄生虫の卵の入った水を飲むとかがある。しかしすでに寄生された人間の近くにいても、感染するとは考えにくい。寄生虫は病原菌やウィルスではないのだ。空気感染や飛沫感染はしない。

夏乃が生まれてから今日まで、「お兄ちゃん」などと呼ばれたことはない。妹幻想を持つ男性方には申し訳ないけれど、妹なんて、そんなものだ。

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