『午前三時のルースター』


垣根涼介さんの作品。

旅行代理店の長瀬は、失踪した父親を探す慎一郎とともにベトナムへ向かう。ときには襲撃されながらも、父親を見つけることができた。

作者はとても車に詳しいということがよくわかった。ドラマ化したらとても面白そうだ。途中ハラハラする場面もあった。慎一郎が時計を投げるシーンがとても印象的に残っている。


印象に残っている文


廊下から足音が聞こえてきた。とくに足音を気にしていない者に特有の、踵から直接足を降ろす歩き方。

「肋骨は折れてもこれといった治療法がないんだよ。」

「日本人ってのは、いつ乗せても忙しいねぇ」「仕事に追われ、遊びに追われ、挙げ句には人間にも追われている」

「成長期にあまりにも苛酷な労働をすると、手と指の筋肉に負荷がかかりすぎるために中途半端に骨の成長が止まってしまって、まるでグローブみたいな、ああいうずんぐりとした手になってしまう」

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