『ジグソーパズル48』

乾くるみさんの作品。

ラッキーセブン、GIVE ME FIVE、三つの涙、女の子の第六感、マルキュー、偶然の十字路、ハチの巣ダンスといった話が収録されている。


「GIVE ME FIVE」では、一粒二千円越えの高級イチゴが食べられてしまい、その犯人を探すという設定が面白かった。

「三つの涙」のラストはとても怖いと感じた。

「ハチの巣ダンス」はもう一度読み直した。


印象に残っている文

「そうだよな。身近な場所で殺人事件が起きたとか、怖い体験をしたのに、それを誰にも話さずに我慢してたら、絶対そうなるよ。そういう異常な体験をしたときにはみんな、自分が目立ちたくてぺらぺら喋るんじゃない。怖さを紛らすために喋るんだ。今の榊さんの反応のほうが正常なんだ」

「ピアノの伴奏もクラスの中から選んでもらいたいんだけど、経験者、自信のある者は手を挙げてください」そう言われてもお互いにキョロキョロするばかりで、誰も手を挙げようとはしない。こういう場合、迂闊に手を挙げてしまった後で、実は自分よりも上手な生徒が他にいたとわかったときには、恥をかくことになる。それを警戒して、ピアノの経験がある人もなかなか手を挙げられないのだ。

「あ、初めまして。浮山千夏といいます。よろしくお願いします。校則を全部暗記していて、いつでも暗唱できるというのが特技なんです」

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