『被取締役新入社員』

安藤祐介さんの作品。

学生時代はいじめられ、仕事も長続きしたことのなかった信男。記念に大企業の採用試験に応募したら、なんと採用されてしまう。彼は社長から、ギスギスした雰囲気の社内でストレスの捌け口となってほしいと頼まれる。


上司の不倫火山はとても面白い人だと感じた。

信男がふざけて考えたアイデアがどんどんヒットしていく場面がとても面白かった。

アルバイトを叱った中井に対して、作家が怒鳴る場面は読んでいて悲しくなった。

信男が今後どのような人生を送っていくのかが楽しみである。


印象に残っている文

「今日からあなたの名前は、ハケグチ信男。社内ではこの名を使ってください」

人事局直下の極秘プロジェクト“ひとりいじめられっこ政策”の推進があなたの使命となります。

変わらなきゃいけない。新宿歌舞伎町。男の歓楽街リーグにおけるメジャーデビューだ。

「クリエイターっていうのはプリミティブなネームでセルフをデジタルディバイドしなきゃいけないわけ。だから皆バーチャルなアトモスフィアをコラボレートするために別の苗字をコーディネートすることもあるんだ。要するに芸名とかペンネームみたいなもん」

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