『ことり』

小川洋子さんの作品。

小鳥と話せる兄の独自の言語であるポーポー語を唯一理解できる弟は、小鳥の小父さんと呼ばれるようになる。


お兄さんが亡くなってしまった後の小鳥の小父さんが可哀想だと思った。

小鳥の小父さんが図書館で小鳥に関する本を探す場面が印象に残っている。

小鳥の小父さんが亡くなる経緯を知って、冒頭と終盤で印象が変わった。


印象に残っている文

「うん。小鳥は僕たちが忘れてしまった言葉を喋っているだけだ」

顔はあまり似ていないのに、二人が一緒にいればどんな人でも彼らが兄弟だと分かり、更にどちらがお兄さんでどちらが弟が言い当てられる。

とにかく小父さんは子供が怖かった。じっとりとした皮膚の感じ、そこから発せられる高すぎる体温、額に張り付くもつれた髪の毛、アンバランスな足さばき、無意味な叫び、小さすぎる舌、何もかもが謎だった。

「私、本を読んでいる人を眺めるのが好きなんです。自分で本を読む以上に」「……ならば、司書はあなたに、ぴったりの仕事だ」

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