『AIのある家族計画』

黒野伸一さんの作品。黒野さんの作品は初めて読む。

アンドロイドが人間と共存しているのが当たり前になった時代の話である。


物語に出てくるVドライブステーションというのが、面白そうだと感じた。

ドローンの上司というのは受け入れ難いと思った。ただ、仕事の能率は良くなりそうだ。

国民の中間層のための仕事が用意されているというのが、現実的だと感じた。


印象に残っている文

「そもそも、ビッグロボットなんてふざけた社名、誰が考えたんすかねえ。センス疑いますよ。B級感がプンプンじゃないですか」「ほら昔、あっただろう。ビックカメラとかビッグモーターとか。庶民相手の商売なら、こういうネーミングが受けるんだよ」

「おれ、時々思うんですよね。もはや、人間なんかいらないんじゃないかって」

「そもそも、人類がAIにこき使われるなんて、倫理的におかしいでしょう。人権侵害ですよ。基本的人権の尊重って、憲法にも書いてあるじゃないっすか。AIが人の上に立つことを禁止する法律って、ないんですか?」

生きる目標がなくなると、人の死期は早まるという。特にお年寄りはそうだ。現実世界での進歩を止め、過去の思い出の中だけに生きると、身体が役割を終えたと判断し、自ら機能を停止させるらしい。

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