『100回泣くこと』


中村航さんの作品。
愛する人よりも先に死ぬか、あとに死ぬか。どちらも選びたくないが、どちらか選ぶなら先に死ぬ方を選ぶ。もし先立たれてしまったら、立ち直れるかどうか不安である。
二人は来世でも幸せな時間を過ごしそうだ。
佳美ががん治療を行うシーンは読んでいてとても辛くなった。

印象に残っている文

小学生の最大の特技は『反復』であって、斬新な発想とかそういうものではない。

今日という一日のタイトルを考えながら、僕とバイクは夜を進んだ。

トーストは状況の食べ物だと思った。美味しいトースターと、そうでもないトーストには、それ自体に大した差はない。そのときの気温や湿度、時刻や場所やBGM。一緒にいる人や、昨日観た映画、未来の展望や予感のようなもの。それらの濃淡によって、美味しかったりそうでもなかったりする。

ジャンケンを確率だと思っているうちは絶対に勝てない。悪いけど男子と女子ではジャンケンの場数が違うのだ。

よく考えてみると、簡単なことだった。叫びたければ河原に行けばいいし、柔道がしたければ柔道場に行けばいい。人生はシンプルなほうが美しいに決まっている。


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