『希望病棟』
垣谷美雨さんの作品。
『後悔病棟』の続編である。前作では早坂ルミ子が主人公であったが、『後悔病棟』の終わりに出てきた黒田摩周湖が主人公である。中庭で聴診器を拾った摩周湖は患者の心の声が聞こえてくる。摩周湖は末期がん患者の遺伝子治療を行うことになり、養護施設で育った高校生の桜子と、代議士の妻である元キャバ嬢の貴子と接するようになる。
桜子と貴子は二人とも亡くなってしまうのかと思ったら、治った。治ったあとの人生が書かれているのがとても面白い。由紀子さんが桜子のバイト先に放った言葉が、とても痛快だった。貴子の姑がカトレア荘に実際に住んでいる場面を読んで、自分の中での評価が少し上がった。代議士の妻がかなりの仕事をこなさなくてはならないということを初めて知った。本当にすごいと思う。女性の貧困や学生の奨学金、戸籍がない子供など様々な社会問題が絡められていた。
印象に残っている文
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