『サッカーの神様をさがして』


はらだみずきさんの作品。

小説でガリンシャが出てきた作品を初めて読んだ。

昔はサッカーよりも野球の競技人口のほうが圧倒的に多かったので、サッカーをやっていた人はとても辛い思いをしただろう。

春彦と八千草の関係がとても素敵だ。

春彦の妻が明らかになったとき、思わず微笑んでしまった。

自分にとってのサッカーの神様は一体どこにいるのだろうか?


印象に残っている文

「サッカーライターには、二種類しかいない」
中略「ーーそれはね、食えるサッカーライターと、食えないサッカーライター。」

あのとき、どうしてあんなことを言ったのか。あのとき、どうして待てなかったのか。あのとき、どうしてなにもしてやれなかったのか。あのとき、……。いくつものあのときが、暗闇にたかるコウモリのように襲いかかってくる。

八千草「物事にはさ、解決できないことなんて本当はないんだ。解決できないとすれば、それはきっとなにかを怠っているにすぎないんじゃないかな」

記憶というのは不思議なもので、根気よく考えていると、不意によみがえってくる場合がある。

ある者はストッキングにスネ当てをつけたままぼんやりとしゃがみ込み、ある者は粛々と帰りの準備をし、ある者は今日の練習をふり返る。

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