『屋根裏の散歩者』

江戸川乱歩の作品。

高等遊民の郷田三郎が同じ下宿に住む遠藤を殺害する話。

明智小五郎が郷田を追い詰めていくシーンがとても面白かった。郷田がタバコを吸わなくなった理由が最後に明らかになって、すっきりした。

自分の部屋が他人から見られていると考えたらと思うと、背筋が寒くなると感じた。


印象に残っている文

その時の三郎の心持は、実に何とも形容の出来ないものでした。あらゆる事柄が、頭の中で風車の様に旋転して、いっそ何も思うことがない時と同じ様に、ただボンヤリとして、明智の顔を見つめている外はないのです。

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