『レインツリーの国』

有川ひろさんの作品。

ライトノベルの感想を語り合うところから恋愛に発展していく男女の物語。


知り合いに聴覚障害を持つ方がいて、その方も本書に出てくるようなことを話していた。

伸は少し配慮が足りないかなと個人的には思う。

架空の話で2人が語り合っている様子を書ける有川さんが偉大だと感じた。

レインツリー=ネムノキとは知らなかった。


印象に残っている文

女優のナナコ狙いでギリギリ二塁打、化粧で稼いで三塁に届かせましたって感じか、と冷静な分析は、実家が美容院をやっていた関係だ。

聴覚障害は二重の障害でもある。まず音から隔絶され、そのことによって次は健聴者とのコミュニケーションが阻害される。聴覚障害で最大の問題は、人間としてのコミュニケーションから隔絶された状態に置かれることになるのを世間になかなか認知されないことだ。この困難の根の深さを想像だけで把握できる人間はまずいない。

「自分の都合で聞こえ方を演じ分けているのじゃないか」などと言われる人も多い。そんな演じ分けをするより全部聞こえて受け答えるほうがよほど楽だというのに。

何しろ関西弁(特に河内弁)は、いかなる外国語との喧嘩でも迫力負けしない地上最強言語である。巻き舌に啖呵のタイミング、こと喧嘩言語としては世界中でも最も進化している言語であると言っても過言ではない。

レインツリーはアメリカネムノキの別名で、ひとみ的にはレインツリー=ネムノキ。そして、ネムノキの花言葉は「歓喜」、「胸のときめき」。

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