『仕事のためには生きてない』

安藤祐介さんの作品。

ミカゲ食品に勤務する勇吉は、スマイルコンプライアンス準備室のリーダーに命じられる。

勇吉は、夜に学生時代の友人と組んでいるリーマンロックバンドのライブを行っている。


勇吉が適応障害になってしまったときは、ストレスがかなりかかっていて可哀想だと感じた。

役員との打ち合わせで話が全然進まない場面は、読んでいてとてももどかしかった。

自分にとって働く目的は何か?ということを考えるきっかけとなった。

スマイルコンプライアンスを全員に強要しないところが、とても良いと感じた。


印象に残っている文

「その『何事も経験だ』っていう言葉、便利ですよね。上の人が下々の社員に面倒事を押し付ける時の『パワーワード』ですよ」

『パワハラ上司は二度死ぬ』は、上司の弱みを密かに握った部下が、自分の社員生命もろとも上司の未来を粉々に打ち砕く復讐劇。

「うちの偉い人たちは昔から、やたらと創業家の顔色を窺って、社長の言動に過剰反応する。オーバーリアクションなんだよ。その空騒ぎが何倍にも膨らんで、現場の社員にドーンと降ってくる」

沼尻はノートパソコンの画面をパタンと閉じて、颯爽と帰っていった。沼尻の超高速定時退社だ。社内で『鐘と共に去りぬ』の異名を取ると、人づてに聞いた。

「クソして寝て、起きて働いて飯を食え。それだけですげえことなんだよ」

「でも、金のためだけに働き続けると、心が折れてしまう。誰かを喜ばせたかったり、誰かと一緒に何かを作り上げたかったり。誰かのためが自分のためにもなる。つまりは誰かとつながっていたいから働くんだと思う」

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