『硝子の塔の殺人』


知念実希人さんの作品。知念さんの作品は初めて読んだ。

これが真相かと思いきや、新たな真実が出てきた。

最初は遊馬くんが犯人だと勝手に判断して、倒叙ものの作品だと勘違いした。

数々のミステリーの作品も登場し、ミステリーファンも大満足な一冊だ。


印象に残っている文

「しかし、私が子供の時代は、乱歩の書く小説は低俗だとされ、読んでいるだけで白い目で見られた」


「犯行現場というのは刺身のようなものです」「すぐに食せば蕩けるほどに美味な刺身が、時間の経過とともに乾き、味が落ち、最後には腐ってしまう。同様に、犯罪現場に残された情報というのは、時間経過とともに劣化していきます」


「一条君、人間の欲望っていうやつは限りがないんだよ。栄誉を手に入れれば手に入れるほど、乾いていくんだ。さらなる賞賛が欲しいってね。そうなるともはや、底なし沼に沈んだようなものさ。目的のためには手段を選ばなくなる。どんな倫理に反した手段もね」

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