『パパは今日、運動会』
山本幸久さんの作品。
カキツバタ文具という会社の社内運動会の様子。さまざまな社員の視点で物語が進んでいく。
社内運動会をしてみんなそれなりに楽しんでいるので、カキツバタ文具はいい会社なのだと思った。
「ワタナベ」さんたちが次々にビールを飲んで、酔っ払っていく姿が面白かった。
輝の母のカバンに色々なものが入っていて、借り物競走の選手が次々と来るのが面白かった。
輝の母のような人物と一緒にいると、とても楽しいと思う。
人事課長の千葉が最後にとった行動が、衝撃だった。
印象に残っている文
緊張してガチガチなのに、あくびがでてしまうのはなぜだろう。
うなずきながら太一朗は、千葉の額に目をむけないよう努力しなければならなかった。なぜこいつは、こうもはっきりとカツラとわかるカツラをしているのだろう。
性格も最悪。自分勝手で嫉妬深く、被害妄想気味で、しゃべることといえば家庭や仕事に対する不満ばかり、そして自分を憐れむことにかけては文学的と言っていいほど長けていた。
一日の大半を会社で過ごしているのに、会社のみんなひとりひとりのことをわかっているようで、わかっていない。寮で暮らしているやつらのこともだ。
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