『神のダイスを見上げて』

知念実希人さんの作品。

小惑星ダイスが地球に接近し、人類は皆その時を待っている。

大好きだった姉が何者かに殺害されてしまい、弟の亮は犯人を殺したいと思い姉の関係者の下へ訪れる。犯人は一体誰なのか。


クラスにいる謎の子と仲良くなるというのが良いと思った。

「シェルターがある」という噂を信じて、市役所でデモをする人々が怖いと思った。

表紙の絵がとても美しいと感じた。


印象に残っている文

スペースシャトルで小惑星に行き、核爆弾で爆破してくれる髪の薄い石油掘削技師は、現実にはいなかった。

せっかちな秋の太陽は、すでに西に傾きはじめている。

「私はね、この世に生まれて来たこと自体が奇跡だと思っているんだ」牧師は言葉を続けていく。「だってね、偶然に地球という星が生まれて、そこに偶然生命が生じ、偶然それが増えて……。そんな偶然をくり返して、人間は存在している。私たちの存在自体が、宝くじに何度も連続して当たるような偶然の上に成り立っているんだ。考えてもごらんよ、何回も連続で宝くじを当てている人がいたなら、裏で誰かの意思が働いていると思うだろ」

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