『レジまでの推理 本屋さんの名探偵』

似鳥鶏さんの作品。似鳥さんの作品は初めて読む。

書店員で働く学生バイトの青井と「西船橋のポップ姫」である店長の物語。

書店員の方が読んだらどのような反応をするのか気になるところである。

笹倉の書店に対する言葉が強く心に残った。時代の変化などもあり、書店が生き残っていくのは非常に難しいことだ。書店でしか味わえない居心地の良さや思いがけず読みたくなった本などがあるので、そのような空間を大切にしていきたい。

印象に残っている文

「ね、知ってる? 遠距離になったカップルが終わる割合って八割以上だって」

それとそこの編集者、自分が担当した新刊で恩田陸を隠すのやめろ。

銀行などは用がないのに店内でうろうろしていると怪しまれるしコンビニは狭い。だからこそ暑い日は書店がおすすめである。

書店員というのはなぜかお客様から「何でも知っている」と思われがちなのだが、「この本の文庫版はいつ出るのか」とか「予備校はどこがおすすめか」と訊かれても正直なところどうしようもない。

書店員にはそれぞれ「レジでお待たせしているお客様の許容人数」というものがあり、並んでいるお客様の数がそれを超えると焦り始め動悸息切れ発汗チアノーゼと色々な症状が出る。

「ハードカバーを詰め込んだ箱」と「文庫本を詰め込んだ箱」では、後者の方がはるかに重いのだ。

つまり一冊万引きされると、書店は同じ本を五〜十冊売らないと取り戻せないことになる。

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