『ダイエット物語……ただし猫』

新井素子さんの作品。

陽子さんと正彦さん夫妻は、猫を2匹飼っている。ある日、獣医からダイエットするよう言われ、陽子は2匹の猫に食事制限をさせる。


猫を飼ったことがないので猫の生態について勉強になった。猫のダイエット方法は、食事制限しかないというのは意外だった。

糖尿病の食事制限はとても大変なのだということがよく分かった。単位食を意識してメニューを作るのは、難しそうだと感じた。

糖尿病と大腸ポリープには、気をつけようと感じた。


印象に残っている文

だが……ま、莫迦な兄ちゃんが賢い妹に頭があがらないっていうの、昔からの日本の様式美でもあるし。(例えば、『男はつらいよ』って、煎じ詰めるとそういうお話だよね?)

「でも……猫っていうのはね、とても燃費のいい動物なんですよ。人間が、“これでほんとうに大丈夫なのかなー”って思う、そんな少量の御飯でも、大丈夫。それが、猫です」

“動物”が、どんなに暑い日が続くからって……熱中症になるっていうのは、それは、あの、その、“あり”なんでしょうか? そんなこと認めていたら、すべての野生動物は、夏、熱中症になっちゃいませんか? 野生動物、夏が暑いからって理由で、暑い夏に死滅しちゃいませんか? 基本、動物は、熱中症になっちゃいけないんじゃないですか? 

「人を信頼する、というのは、そういうことです。相手はプロです。そのひとが信頼できるのなら、そのひとの意見に肯うべきです。それができないのなら、少しでも嫌だっていう気分があるのなら、そのひとは、あなたにとって、どこか信頼できない処がある、そんなひとです」

うん。喉元すぎれば熱さを忘れる。ことわざというのは、大体、正しい。

「この手術をやった場合、手術後十日は、旅行と運動と飲酒が禁止なんです」

女は、常時、自分の体から出血があるから、毎月、確定的にそれがあるから、男よりはるかに度胸が据わっている。“命”に関して、女の方が、絶対的に強い。

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