『編集ども集まれ!』


藤野千夜さんの作品。藤野さんの作品を読むのは、初めてだ。

藤野さんが働いていた時代は、まだまだLGBTに対して寛容でなかったことが分かった。会社から辞めるよう言われる場面は、読んでいてとても虚しい気持ちになった。
知らない漫画家の名前も出てきたが、それぞれの漫画家のエピソードを聞いて興味を持った。
手塚治虫さんの「人間ども集まれ!」を読んでみたいと思った。

印象に残っている文

こんな楽しいことしてお金をもらえるなんて。いいの? ホントにいいの? そう思いながら、はじめての作業をしていた。

事件を人に話すときに盛り上げるのも、ちょっとしたサービス精神。これは製版所の中川さんに限らず、青雲社関係……もしかすると出版業界の流儀だった。よほどの大事件でもない限りは、言う方も聞く方も、大袈裟な尾ひれをつけて楽しむ。

手塚治虫の作品には、そういった両性具有的な存在が多く登場した。

「あと、好きなのはポニータやニャース。ニョロモ。進化すると、ニョロゾ、ニョロボン」どうして中学・高校時代、そうやって古文の活用や元素記号を覚えなかったのだろう。


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