『チャップリン暗殺指令』


土橋章宏さんの作品。土橋さんの作品は初めて読む。

チャップリンというタイトルに惹かれて手にした。

5・15事件を起こす軍人がどのような思いを抱いていたのかが書かれていて、大変勉強になった。

チャップリンに一度会ってみたかった。

歴史に「もし」はないが、もしチャップリンが狙撃されていたら世の中はとんでもないことになっていただろう。

ラストがとても感動的だった。


印象に残っている文

気持ちとは、富める者にしか持てないものではないかと思う。貧しき者は自分の気持ちなどいちいち感じている暇がない。日々の暮らしへの不安、将来への悲観、眠れないほどの忙しさにまぎれ、心はただ細切れにされていく。

「強い人なんていないわ。人間なんて正直でいるか、虚勢を張っているかの二種類だけ」

「死ぬかどうかは運命が決める。本物の英雄は、銃で撃たれても弾道がねじ曲がってなぜか当たらないものだ」

「ある。人の心の中にはね。この問題を解決するためには、ほぼすべての人が心を通わせることが必要だ。そのために僕は映画を作る」

「絶望してはいけません。憎しみに心を奪われてもいけない。お互いに助け合いたいという気持ちだけが人を幸せにするんです。ごらん、まわりに人がいるから」

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