『四十九日のレシピ』

伊吹有喜さんの作品。


熱田家の母・乙美が亡くなってしまう。

残された父・良平のもとに、真っ黒に日焼けした金髪の女の子・井本がやってくる。

井本は乙美から預かったという「レシピ」を良平に伝えにきたのだという。

乙美の四十九日に向けて、良平は準備をしていく。


過去に保健の教科書で、人生のストレス第一位が配偶者の死と見た事がある。

まだ愛する人を失った経験をしたことがないため、その悲しみはどれほどのものか想像できない。

自分は果たしてそのあと生きていくことができるのか、そんな思いを抱いてしまう。


この作品によって、このような立ち直り方もあるんだよと教えてもらったように感じた。



印象に残った文。

「いいかい、家は女の砦、女の城だよ。本妻が城の本丸を明け渡してどうるんだい。もっとドンと構えてな」

「テイクオフ・ボード、飛び箱の踏切板ってあるでしょう。私たちはそれなんです。思い切り走って、板を踏み切って箱を飛んだら、もう思い出さなくていい。過去を飛び越えたことに自信を持って、まっすぐに走っていけばいいんです」


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