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究極の「おうちサウナ」に成功してしまった話


「俺は……、ひょっとしたら今日おうちサウナを『完成』させてしまったかも知れない……!」
(5月某日、自宅浴室にて)


全国のサウナー同志の皆さん、地獄のような日々を如何お過ごしでしょうか?
新型コロナウイルス流行に伴う全国的な外出自粛要請により、自粛対象施設であるスーパー銭湯はおろか、営業を続ける町銭湯ですらそのほとんどがサウナ部屋を閉鎖している現在、我々サウナーにとっては辛い日々が続いているのは皆さんもご存知の通りです。
そんな中で、「自宅でどうにかあのサウナの快感を!」と、数多のサウナー達が所謂「おうちサウナ」の実現に試行錯誤している事も皆さんであれば既にご存知でしょう。
全国の数多のサウナー達と同様に、私もここひと月ほどおうちサウナをいろいろと試していました。
そんな中で、ある日私は1つの「おうちサウナ」にたどり着きました。
そのあまりのクオリティに、自分自身で感動しながら呟いたのが冒頭のセリフになります。

という訳で本記事では、私が実現した、考えうる限り「究極」と称しても差し支えないであろう「おうちサウナ」について、そこに至るまでの経緯も含めて解説していきたいと思います。

まず試したのは、ごくごく単純な温冷交互浴です。
サウナ、水風呂、外気浴を繰り返し、暑さと冷たさと涼しさを繰り返し味わうことがサウナの本質となりますが、そのサイクル自体はサウナを介さずとも自宅で再現は可能です。
要は、熱めのお湯を浴槽に張り、しばらく浸かってから冷水シャワーを浴びて、浴室から出てソファーで休憩。これを繰り返します。
漫画「サ道」の3巻に収録されたエピソード「サウナに行かない男」でも紹介されていた方法です。

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この時点では単なる「入浴法」であり、サウナ要素は皆無ではあります。
とは言え、この温冷交互浴こそがおうちサウナの基本形であり、ここに改善策を積み重ねていくことがおうちサウナ道の基本的な「型」と言える訳です。

さて、次に試したのはビニール傘でした。

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ダイソーで買った200円のビニール傘を浴室に持ち込み、傘をさしながら湯船に浸かることで湯気を傘の内側に溜め込みます。
最も初歩的な「おうちサウナ」と言えるでしょう。単なる湯船と冷水シャワーから抜け出そうとするおうちサウナーの大半がまず試すのがこのビニール傘サウナです。
正直言って単なる湯船と水シャワーと比べると「無いよりマシ」という程度でしかありませんが、それでも無いよりはマシである事は確かですので、しばらくはこれでサウナへの飢えを凌いでいました。

が、何度かこのビニール傘サウナを繰り返す内に、私は重大な事実に気付いてしまいました。

「やっぱり水風呂が無きゃダメだ……!」

サウナーの皆様にとって「水風呂こそがサウナの醍醐味」「水風呂無きサウナはサウナにあらず」「サウナ自体はむしろ水風呂の前座」であることは周知の通りと思います。
正直、冷水シャワーではやはり限界がありました。
逆転の発想で浴槽を敢えて水風呂に使用し、厚着してのランニングをサウナ代わりにするのも試しましたが、残念ながらこちらもイマイチ。複数回のサウナサイクルをこなすことでディープリラックスの境地に至るのがサ道の基本型ですが、サイクルのたびに体を動かしゼーハー疲れていたのでは意味がありません。

そこで購入したのが、ビニール製の簡易浴槽です。

要は幅が狭く高さがあり、足を畳んで入れば肩まで浸かれるビニールプールです。(私の購入時よりAmazon価格がアップしている......)
これを脱衣所に配置します。

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夜更けであれば5月でも水道水の水温は17、8度程度になりますし、日中でも2Lペットボトルで作った氷を数本ほど投入すれば、十分な温度の水風呂が用意できます。
これにより温冷交互浴の効果が劇的に改善しました。
おうちサウナに対する投資において、メイン浴槽とは別に水風呂を用意するのは、最大の費用対効果を誇ると言っても過言ではありません。
少しでもおうちサウナを改善したければまずは簡易浴槽の購入をオススメします。

さて、この簡易ビニール浴槽と時を同じくして購入したのが、こちらの家庭菜園用ビニールハウスです。

ビニール傘ではやはり蒸気の逃げも多く、何より傘の骨が邪魔で、肩身を狭く畳みながら入浴しなくてはならないのがリラックス状態の大きな妨げとなっていました。
実は骨組み部分が上を向いた、おうちサウナ専用のビニール傘も作られていたりするのですが、残念ながら同じ事を考えた人が多かったのか、ここひと月ほどずっと品切れ状態です。

そこでその代替として買ったのが上記のビニールハウスです。
しかしながらこのビニールハウス、浴槽の上に被せてもサイズが大きすぎて残念ながら蒸気がほとんど溜まりません。

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ビニール傘を窮屈に思っていた私でしたが、今度は広すぎてサウナ効果自体が無くなってしまいました。
無駄な買い物をしたかと落胆しましたが、この失敗が最大のコロンブスの卵を産みます。

ビニールハウスが作る無駄に広いスペースを眺めながら私は思いつきました。

「ここに熱源か蒸気源になるもの置いたら、多少本格的な簡易サウナにならんか?」

そうです。広いスペースを逆に利用すれば良い訳です。

しかし、思いついた時は良いアイディアかと思いましたが、肝心の熱源・蒸気源が難しい事にもすぐに気づきます。
火を使う機器は余りに危険ですし下手すれば窒息昏倒です。電気式も湯船の上に置くのですから論外です。
最初に試してみたのは、一度沸騰させたお湯を鍋に入れたまま置くというものでした。
そこそこ湿度と体感温度の向上はありましたが、これも精々「無いよりマシ」程度に過ぎません。

そんな中で遂に思いつきます。

「サウナストーンで良いじゃん!」

そう。答えは簡単な事でした。サウナを再現したいのだから、サウナストーンを使えば良かったのです。
そしてたどり着いたのがこちらになります。

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サウナストーンは幸運な事に、サウナ用品を取り扱う泉興産様が1kgからのバラ売りをしておりましたのでそちらから購入します。(普通の通販だと10kgとかからしかない)

http://www.izumikosan.co.jp/

このサウナストーンを金属製のザルに入れて、コンロでじっくりと焼きます。

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十分加熱された所で、手頃なサイズの石フライパンに乗せて、これを湯船の風呂蓋の上に置きビニールハウスを被せる訳ですが、実際の所、ビニールハウス内では多少熱気を感じる程度で、ただ置いただけではそこまで大した熱源にはなりません。
ではどうするか?
ここまで来たら既に皆さんお気付きでしょう。
そう、ロウリュです!

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もちろんサウナストーンは継続的に加熱されている訳では無いので、少しでも温度を保つために、沸騰しない程度に加熱したお湯を使います。
そこにアロマオイルを適量加えます。(使ったのはオレンジのエッセンシャルオイルでした)

最初にこの「おうちロウリュ」を試す時、理論上はできるはずと思いながらも、正直私は半信半疑でした。

「そんな簡単にロウリュって出来るもんか?」
「家でロウリュが出来るって夢見すぎじゃないか?」

湯船につかりビニールハウスを被った私は、そんなふうに思いながらおそるおそる、ステンレス製のおたまでアロマ湯をサウナストーンにゆっくりと浴びせかけます。
そして次の瞬間です。

ジュウウ!と聞き慣れた音を立てて蒸気を上げるサウナストーン。
瞬く間にビニールハウス内に充満する蒸気。
漂う柑橘系のアロマの香り。
そして一気に上がる体感温度。

それはまさしくロウリュでした。
紛れもなくロウリュでした。
文句の付けようも無い完璧なロウリュがそこにはありました。
そして、ロウリュに満ちた小さなビニールハウスの中、そこには私がよく知る「サウナ」が再現されていたのです。

オレンジの香りと熱気を孕んだ湯気に包まれた私は、脱衣スペースに設置した水風呂と、全開にした窓の前に置いたソファーを思い浮かべながら、一人つぶやきます。

「俺は……、ひょっとしたら今日おうちサウナを『完成』させてしまったかも知れない……!」

その後の水風呂と外気浴の快感に関しては、サウナーの皆様に語る必要はもはや皆無でしょう。

その後、何度かこの「おうちサウナ」を続ける内に、湯船の水量や温度、ロウリュのタイミングなど細かな部分も最適化されてゆきました。未実施の改善案もいくつかありますが、水風呂用の簡易浴槽、小型ビニールハウス、そしてサウナストーンによるロウリュ、これらを揃えたおうちサウナが、現時点における究極のおうちサウナでないかと思っています。
少なくとも、改築レベルの工事を必要とせず、現実的な予算内で揃えた道具を浴室に揃えるだけで実現可能な「おうちサウナ」に関して言えば、今の所これ以上のアイディアはネット上では存在していないように思います。
(まあ制約一切無しであれば、真に究極のおうちサウナは文字通り自宅用サウナルームの購入ですね)

要するに焼き石を使用しているので火傷には細心の注意を払う必要はあり(特に小さい子供のいる家庭では危険でしょう)、軽々に勧められるものでは無いかも知れませんが、サウナ無き世に彷徨えるサウナー同志の皆さん、試してみては如何でしょうか?


必要物品一覧

・簡易ビニール浴槽 約5000円
・家庭菜園用小型ビニールハウス 約2000円
・サウナストーン1kg 約2000円
・ザル 約200円
・フライパン 約700円

合計 約1万円也


*追記*
いくつか反応頂いたので返答いたします。

酸欠大丈夫?
そもそも酸欠の仕組みは文字通り酸素が足りなくなることですが、何故暖房などで酸欠になるかと言えば、熱源が燃焼式だった場合、燃焼による酸化反応で酸素が消費されるからです。
このおうちサウナの場合、単に水が高温のサウナストーン表面上で沸騰・蒸発しているだけなので酸素は全く消費されていません。もちろん一酸化炭素中毒の心配も皆無です。
単純に狭い空間内に人がいるので呼吸により酸素が消費されるというのはありますが、写真をご覧の通り側面部分にそこそこの隙間がありますし、サウナも一回7、8分程度なので特に心配はありません。
その辺は流石に本職が化学屋なので......。

風呂のふた溶けない?
画像をよく見ると分かりますが、コンロでの加熱時はフライパンは使わずザルを直火にかけています。フライパンが運搬・鍋敷き・水受けの3つをになっている訳です。ただし、本文中では書きませんでしたが、風呂蓋がガタンとなって焼け石が湯船に落ちる危険性があるので、実際にはしっかり固定されるバスタブトレーを使っています。

火傷危なくない?
こればっかりは「はい、そうです...」としか言いようが無いです。コンロでの加熱時と浴室への運搬時は木綿製の白衣を着て重々注意しながら行っています(すなわち所謂1つの裸白衣です)。白衣は仕事道具として元々持っているので初期投資には入れませんでしたが、真似してみたい人は買っておいた方が良いですね。ただ、膝下まで丈のある木綿100%で耐火性もしっかりした白衣は実は結構高かったりするのですが......。
サウナ中も狭い空間の中で目と鼻の先にしっかり加熱した焼け石が鎮座している訳ですから、完全なリラックスモードとは行きません。今後も慣れて緊張感を失わないように気をつけたい所です。
ただ、サウナ中は実は1分おきくらいにロウリュをし続けるのですが、結局継続的に加熱している訳ではないのでサウナストーンの温度はロウリュの度に気化熱で下がり続けます。実際には沸騰レベルで蒸気が発生するのは最初の4、5分まで程度だったりします。後半はそれこそギュッと握ったら火傷もするなという程度の温度に下がります。夏の河原にある石くらいを想像する良いかも知れません。ですので前半だけ気をつけていれば後半は割とリラックスしていて問題ない訳です。

浴室汚くない?
ズボラ人間でスマンやで......。見栄張って掃除しようかなと思ったけど、まあこれはこれでリアルやろ、と思ってそのまま撮影。不快に思われた方は大変申し訳ない。

コンロまわり汚くない?
ズボラ人間で(ry

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