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モンチの夏

モンチのこの夏を振り返ります。

◆ポジティブ要素
・年俸の調整
・若手の武者修行

◆ネガティブ要素
・明らかな戦力低下
・ベテラン、中堅、若手のバランスの悪さ
・補強すべきポジション獲得なし
・オペレーション内容の悪さ
・Bチームの補強なし



◆ポジティブ要素
・年俸の調整
チーム最高給のムニルをフリーとはいえ放出できたのと、同じく最高給クラスのグデリに関しても移籍もしくは減給2つの選択肢から減給を選択したことで負担年俸の大きな削減に成功。またマドリーより加入のイスコもボーナスは大きくなる可能性があるものの固定の年俸は100万€と格安。加えてオカンポス、カルロス、クンデの移籍によりサラリーキャップには余裕できたと思われます。

・有望な若手の武者修行
Primera División Federación降格により方針を変えたのかサルサナ、フアンル、イヴァン 3人の期待のカンテラーノがセグンダ、ポルトガル1部のクラブへそれぞれレンタル移籍。活躍して将来的にトップチーム定着もしくは大きな移籍金を残してくれることを期待したい。


◆ネガティブ要素
・明らかな戦力低下
3年セビージャを絶対的主力として支えてきたオカンポス、クンデ、カルロスに加えスーパーサブムニルが移籍した一方加入したのはポテンシャルのニャンズ、コンディション不良で合流したマルコン、プレシーズン参加していないヤヌザイ、6月に手術を受け万全ではないドルベアと移籍した3人に比べれば圧倒的に物足りない補強。カルロスは昨シーズンの赤字回避のための移籍であるにしろクンデやポソルークの移籍金などで6000万€、加えてCL出るだけで大量の賞金が手に入るのに大型補強を行わなかった。ここ3年積極的に補強を行い主力を留めていたが株主総会にて大きな赤字は発表されていなかったですし、ネルソンに2000万€弱提示したと報道もされていました。資金難は理由にはできません。動くのが遅すぎたとしか言いようがない。当然移籍市場クローズ間際になれば移籍金は高くなるわけですし。

・ベテラン、中堅、若手のバランス
未だにスカッドの平均年齢は非常に高く、むしろベテラン若手中堅のバランスは歪になったと言ってもいい。高い年俸とその年俸に見合わないパフォーマンスで、本来放出される選手であろうラキティッチとナバスはレジェンドであるが故に放出できず、イスコ30歳ヤヌザイ27歳と全く若返りは出来ていない。若手で加入したのはニャンズのみ。来シーズン選手売却益を得ようにも高い移籍金で売却できそうなのはそのニャンズくらい。平均年齢は一年毎に増えていくわけで、若手獲って売ってを繰り返し続けるつもりなのでしょうか。

・補強すべきポジションの獲得なし
1番の問題点はここ。昨夏と同様右のウィングとピボーテの補強が絶対に必要でした。モンチを信じて、どんな選手を獲ってくるのかと2ヶ月待ち続けていました。結果まさかのどちらも補強なしで移籍市場終了。モンチには失望しました。特にピボーテは大きな問題でグデリのCB起用となればピボーテは35歳フェルナンドのみ。グデリをピボーテで最悪使うにしてもそれならCBはもう1〜2枚獲得が必要でした。2年ずっと明らかな問題点であったこの2ポジションを獲得しなかったのはモンチの怠慢であると言わざるを得ません。
あと左利きの右ウィング3枚もいらんでしょ。


・オペレーション内容の悪さ
モンチらしくない交渉術が多く見られました。この夏のいくつかのオペレーションを10点満点で採点します。

オペレーション①クンデ  4点
当初の要求額は固定6500万€。結果5000万€+ボーナス1000万€と正直物足りない額でのバルサ移籍にはなりましたがCL出場、セビージャよりビッグクラブ、移籍金を払えるクラブというセビージャとクンデの条件に当てはまるクラブの中でセンターバックを欲していたクラブが少なかったのが痛かったですね。チェルシーもバルサもその時動かせる資金がなかったのも不幸でした。その為移籍金に関してはある程度満足しています。
ただクンデ売却によってセビージャの夏が始まると言われていたのに、その後加入したのは格安年俸フリー加入のイスコと単年レンタルのテレス。セビージャの夏はいつまでもやってきませんでした。一番動くべき時に動かなかったのは何故でしょうか。

オペレーション②オカンポス 0点
2000万€程度で完全移籍と思われた矢先のアヤックスの理事会がそれを拒否。その後の妥協の1500万€提示もそれも拒否され結局1600万€の買取義務?OP?付きのレンタル移籍となりました。アヤックスはアントニーの移籍で9500万€もの移籍金を得たばかり。強気の姿勢を絶対に保つべきで、妥協する必要は全くありませんでした。放出して浮くサラリー、得るレンタル料とオカンポスを残留させて得られる賞金に天秤にかければどうするべきかは明白だったはずです。意味が分からない。

オペレーション③タンギー・ニャンズ  7点
20歳の有望な若手を移籍金1600万€+ボーナス400万€はよくやったと思います。買戻OP額が安ければ愚かなオペレーションだと思っていましたが5000万€ならよかったですね。バイエルンはフリーで獲った選手を1600万€で売却、買戻OPと将来売却時のマージンを受け取る権利、またセビージャがニャンズ売却で他クラブと合意した際、その合意した移籍金でバイエルンが獲得することができる権利もついているようで、セビージャ以上にバイエルンフロントの有能さが目立つオペレーションでした。
欲を言えばもう少し実績が欲しかったですね。

オペレーション④オスカル・ロドリゲス 5点
買取OPというのはシーズン終了後活躍次第で買い取るかと買い取らないか決められるという特性上、所属元のメリットは年俸を削減することができるという点くらい。活躍して買取OPが行使されてもセビージャを退団、活躍せず復帰しても大きく市場価値が下がっていてチームに居場所がなくなっています。出来れば完全移籍か単純レンタルで合意させたかったですね。最低限サラリーキャップ空けるのを優先せざるを得ない経済状況だったと思うのでこの点に関してはモンチを強く責めることは出来ませんが。

オペレーション⑤ドルベア 6点
オスカルのオペレーションの一方こちらは最低限のことをしたと思いますね。活躍して、かつCL出場権を得れば買取OP2000万€が行使されるでしょう。可能性は限りなく低いと思うので、とにかく一年セビージャを楽しんで欲しいですね。
欲を言えば、右ウィングでもプレイ可能な選手を連れてくることはできなかったのでしょうか。もう少しどうにかなったのでは?とは思ってしまいますね。あと合う合わないあるにしろニースではサブでしたし、、こっちCL出場クラブですよ?

オペレーション⑥イドリシ、ロニーロペス 3点
パフォーマンス的にも選手のモチベーション的にもセビージャでプレイすることはもうないでしょう。それならたった数百万€でも完全移籍で交渉してほしかったですね。選手の高年俸がネックなのでしょうが。

・Bチームの補強なし
サルサナ、イヴァン、フアンル、ルイスミ、キバンバ、アスパールなどBチームの主力が退団、またオルティスサラスがトップチームで使われる可能性が高い中で補強はラモン・マルティネスというCB1枚のみ。あとはCからの昇格で賄っています。モンチ自慢のスカウトはしっかり仕事をしているのでしょうか。セビージャアトレティコをPrimera División Federaciónに昇格させる気はあるのでしょうか。セビージャはカンテラを捨てたのでしょうか。


以上の点を踏まえて、
モンチのこの夏を採点するなら10点満点で1点です。唯一評価できるのはサラリーキャップを空けたことくらいで逆に言えばこの点しか評価できません。年齢層、ポジション共に歪なバランスのスカッド、必要な選手を放出しパフォーマンスが不十分な選手の人員整理は進みませんでした。何よりも左ウィングピボーテ補強なしは全てのセビジスタを失望させたことでしょう。

間違いなく過去最悪の夏です。繰り返しますが資金難は言い訳にできません。上記の2ポジションは昨夏からの明確な補強すべきポジションですので、来年夏までモンチの様子を見ようは必要ないと思います。今シーズンEL出場権を逃すか、内容の伴わないCL出場権でも解任でいいでしょう。モンチは大好きですし、破産しかけのクラブを再建したレジェンドです。解任など普通なら思いもしません。ただそう思わせるほどにこの夏は酷かった。本当に残念です。

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