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2022年TCS16でのリアル脱出ゲーム開催の雑記④ making編3どうやって思いつくの?

今回はだいたい20問くらいの問題を用意しました。
一時間で七人がプレイするので一人大雑把に3問なので1問20分の猶予がある計算ですがまさかそんなはずはありません。

問題数を用意するのって日ごろから問題を作るのが趣味でストックを作っている人は良いのですが生憎私はそうではありませんし条件設定をしなければ問題が作れない不器用な側の人間なのでいつも大変です。
もし作ろうとするなら日ごろから問題を量産し状況に応じて都合の良いものを使っていけるようにすると良いと思います。

問題を作るパターンは大体三つです。

①既存の問題を応用する
②物から思いつく
③急に天から降ってくる

①のパターンは多い思います。
謎解きのテレビ番組でも似たような出題形式のものをよく見かけると思いますしリアル脱出ゲームの現場でも何回かやってると「この前似たような問題解いたな」「このパターンは前に解いたことある」と思うことがあると思います。
分かりやすいところだと

・クロスワードパズル
・あるなしクイズ
・和同開珎問題

これらはどこかで見たことあると思いますし私はとっかかりやすいし解き方を想像しやすいので初心者向け要素の高いTCSではわりと意識的に多用しています。
あと全く新しい問題を考えるより楽ですからね!!
ただどこかで見た問題の中でも解答者が「なるほど」と思えるように作る事が大事だと思います。

②物から思いつく
問題って机に向かって考えるものとは限りません。
私がアイデアをもらいに行く時はダイソーなんかはよく使います。

リアル脱出ゲームは紙の上で完結するだけでなく机の上を離れフィールドに出て考えたり立体物を実際に触って謎解きをすることもあります。
そういう時は実際に物に触れて考える事は多いです。

さて、なぜダイソーかと言うと
安い
多い
多様なジャンルのものが一か所にある

事務用品、食料品、インテリア、調理器具。おもちゃ、食料品、掃除用品、収納器具などなどが一か所に集中している場所は安価で揃えているのは100均くらいです。

例えば今回の記事のヘッダの画像は100均の工作木工コーナーにあったものです。
ダイソーで木片を見て
何か使えそうだな→パズルできそう→それならこういう動きができる→じゃあ問題はこんな感じのが作れそう→家に持って帰って実際に試してみる→問題作成へ……
みたいな感じで考えをめぐらせて進めていきます。

今回だと穴あきしゃもじやインテリア用の金属の数字、カラーシート、プラバンなんかが現物先行でできた問題です。

③急に天から降ってくる
これって結構あるパターンで日常生活のふとした瞬間に思いついたりします。
散歩中だったり、仕事中だったり色々です。
身体を動かしながら考えるのはオススメです。
ソースは出せませんが頭を使うときは運動が重要みたいなのを見た記憶はあります。
脳の働きと運動の関係は何かデータがあったと思います。興味があれば論文でも探してみるといいと思います。
ちなみにある程度の時間考えると考えが詰まる事はよくあります。
そういう時は筋トレしたり歩いたりラジオ体操したりするのはオススメです。

さて、急に天から降ってくると言いましたが本当に無から降ってくることはなく常々意識の端に置いてる事は必要だと思います。
実際のところバラバラだった点と線が一気に繋がるって体験は有るので常々気にして考えるというのは大切です。アルキメデスの様に「エウレカ!」と叫びましょう。その後の事はマネしなくては良いですが
あと思いついたらすぐにメモを取る。
自分の記憶力なんて信用するもんじゃありません。


どんな問題を作るか
どう問題を作るかの次はどんな問題を作るかの話です。
問題作成者はいい問題を作りたいというのはあると思います。
私の思ういい問題とは
①難しすぎない。
②納得ができる。
③アハ体験が得られる。エウレカできる。

①②については度々話した内容ですが解いた後どう思うか。答えを聞いた時どう思うか。これに尽きると思います。これについては以前の記事に書いたので省略します。
③は何とも言語化が難しいですが例を挙げると


シンプルな和同開珎問題です。
比較的問題自体は簡単だと思います。
慣れた人なら秒でいけます。
攻略法を考えるなら数が少ないことが予想される『天』や『鎖』から始まる単語から当たりを付けていくと良いと思います。

さて、答えは出たでしょうか?
該当する漢字は『国』です。
『天国』『開国』『鎖国』『国会』
なので答えは訓読みで『コク』になるはずです。
ここにはありませんが実際の謎解きの時はこれを所定の解答用紙に記入します。

ただ解答用紙の該当箇所は3マスになっています。
『コク』だと文字数が足りません。

わりと自信をもって出した解答が間違っている。
何度考えても答えは『国』。
でも文字数は足りない。

実際のゲーム中でもかなり悩んでいた人はいました。
逆に後から問題を解いた人がスパッと解いたりなんてこともありました。
では答えを見てみましょう。











そうですね。
四角を国構えと捉える事で四角の中に入る漢字は『玉』になります。
見方をひねる問題ですね。
あえてヒントを言うなら問題のフォントが他と違うところもヒントと言えばヒントです。

答えは『ギョク』になります。
捻りすぎず難しすぎず簡単すぎない適度な問題になったと思います。

この問題の作成に当たって私が意識した部分は

・この問題は軽~中難易度に設定し5分以内に回答してもらいたい

なのでチーム内に少なくとも誰か一人は解法が分かる和同開珎問題を選出。
四角を国構えと捉える問題ギミックを加える。
四角と国構えをリンクさせるために条件に合ったフォントを選出。
単独で成立する文字が中にある国構えの漢字&読み仮名が国構えが有る時とない時で読みの文字数が違う文字を選出。
実際にはこの答えの一文字を取ってさらにキーワードを出すことになるので特定の一文字を含んでいる必要がある。
漢字は誰でも読めるものである。
これらの条件を満たす漢字『国』を最終的に選出
一般的な二文字熟語を選出
一段階目の『国』という漢字を出すまでは難易度を下げたいので『天』や『鎖』など頭に来た場合該当する熟語の少ないものを選出
『天』の場合一般的な二文字熟語だと『天国』『天下』『天皇』『天使』『天寿』『天命』『天性』『天井』『天声』『天誅』『天地』『天敵』
『鎖』だと一気に減って『鎖国』『鎖骨』くらいです。
解答者が選出しやすい漢字を選ぶことで攻略法を用意し難易度を調整します。

そしてそれを実際Wordで作って完成です。

私はド素人なので一般社会人よろしくなんでもWordやExcelで作ってしまう悪い癖があります。
追加でお金かかんないですし追加の勉強もいりませんし
問題作ってる人ってどんなソフトで問題作ってるんですかね。


さて、makingシリーズも今回で終わりだいたいこんな感じ、こんな思想で問題を作ってます。ってのはかけたと思います。
次回でTCS16での脱出ゲームの記事は最終回
次回は小ネタ集です。

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