見出し画像

5年生と5年目

先日、小学校の内科健診をしてきました。

今回は5年生児童対象で100名前後の診察。これ、100名くらいならなんとかなりますが、200名とかだと聴診器のイヤーピースが耳の穴にハマって擦れて徐々に痛みに耐えられなくなってきます。

聴診で何かが見つかるケースは経験的にほとんどありません。

健診前に保護者宛のチェック項目が学校から渡されていて、便秘しやすい、姿勢が悪い、寝起きが悪い、風邪をひきやすい、よくお腹が痛くなる、頭が痛くなる…など色々でてくるわけですが、短時間の健診で何かできるわけではないので、この内科健診の役割というのは現代において何かをスクリーニングでひっかけようという目論見から少し離れたものになっているように思います。
(もちろん、家族への注意喚起という意味ではそのようなアンケートを渡されることに意味はあると思いますが)
唯一、脊柱側弯症の早期診断と肥満リスクの注意喚起はできるかなと思ったり…

その一方で、校長先生と養護教諭と事後に話をしながら、今回の5年生の子たちに限って、頭痛や腹痛で保健室を利用する児が多い学年だと聞きました。
校長会でも、5年目の若手の先生が、コロナ禍の影響からか、子どもたちに必要最小限以下の声掛けしかしない=極端に発信が少ない例があるので気にかけたほうがいいということが話題に出たそうで…
この学校固有の現象かは不明ですが、ふと振り返ると、2020年はコロナ禍の学校一斉休校になった年の入学(入職)でもあり、生徒がクラスにごちゃっといる『普通の学級』の状態を経験するのに、この代はスタートからもろにハンデを負ったとも言えます。

生徒も先生も、入って早々にマスク下で不要な言語的な発信を抑制されて、社会が決めた規制に沿うように過剰適応してきた世代。
とても大事な気づきなのでは?と思うのです。
形骸的ともいえる内科診察以上に、学校で得られた気づきを発信し吸い上げられる仕組みはないのでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?