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リモートワーク下で従業員宅の通信環境を改善してみた話

こちらはcorp-engr 情シスSlack(コーポレートエンジニア x 情シス)#1 のアドベントカレンダー 17日目の記事になります。

2020年2月頃からコロナウィルスの影響によりリモートワークを急遽、スタートする会社が増えたと思います。私が所属する会社でも一瞬にしてリモートワークが開始されました。

リモートワークを実施するうえでの課題

実際にリモートワークが開始されると、いくつかの課題が出てきました。その中の一つに「通信環境」があります。弊社以外にもオフィステナント緊急アンケート調査においてもリモートワークにおける課題についての結果の
第三位に「通信環境」が浮上しています。

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弊社の場合、従業員からインターネットの通信環境が悪く業務に支障が発生しているケースも多々あり、情シス宛に個別相談される事もありました。
ただ、インターネット回線は個人での契約が必要であり情シスとしては改善出来ない状況でした。

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なぜ「通信環境」が課題なのか?

通信環境の不調を訴える従業員に共通する事例として下記の内容があります。

・モバイルルーターやホームルーター

単身者の場合、引っ越しする事が想定される為、工事不要のモバイル回線を使用したサービスを契約する人が多いです。ただ、使用場所の立地条件、電波の影響によって不安定になるケースがあり、使用容量 無制限と謳いながら実際は3日で3GB等の制限等もあります。WEB MTGを利用するとあっと言うまに速度制限になってしまいます。最近では5Gなども登場していますが、普及するまで当分かかりそうです。

・不動産物件備え付け回線

近年、物件によっては予めインターネット回線が備え付けられているケースが多いです。備え付けの回線がCATVでメタル線を利用している為、回線スピードが遅い場合があります。それ以外のケースにおいても光回線を利用しているにも関わらずクオリティが低品質な事もあります。

・古いプラン、古い回線、古いWi-Fiルーター

インターネット固定回線は光ファイバーが主流ですが、未だにADSL回線を利用しているケースも少なからずありました。また、光ファイバーを利用していても100Mプランのままの事もありました。それ以外にもWi-Fiルーターが古いWi-Fi規格(11Mbps, 54Mbps)を利用している場合もある

他にも考えられる「通信環境」が不安定になる原因はあると思いますが、代表的なものとしては、こんな感じかと思います。

では、どうやって改善するか?

他社さんによっては、そもそも自宅にインターネット回線が無いケースもあったようですが、弊社は幸いその様なケースはありませんでした。回線が無い従業員に対し法人契約したモバイルルーターを支給したケースを耳にしました。ただ、上記にも書きましたがモバイルルーターを支給する事で「通信環境」の改善には繋がるとは思えませんでした。利用場所に左右されるのと契約し端末を管理・支給するは管理コストが発生すると考えました。

他の手段として金銭的補助、お金を支給する方法もあります。テレワーク支援や補助の名目でお金を支給する手段は弊社でも自宅での作業の効率化を目的としてモニター購入補助を支給した事があります。既にモニターをお持ちの場合はリモートワークに関する備品に使っても良いルールでしたが、従業員の1人が「支給されたお金でマンガ全巻セットを買いました!」と言うケースがあったので必ずしもこちらの意図通りに使われると限らないです。

心のオアシス 情シスSlack

インターネット回線による相談が来る度に何か良い方法は無いものかとモヤモヤしていました。特に「リモートワーク用に〇〇Air契約しました!」と聞かせられる度に膝から崩れ落ち、人類にはまだモバイル回線は早かったのかと思っていた矢先に情シスSlackの#share-newsチャンネルに気になる記事が投稿されました。

「NURO光テレワーク支援サービス」

ピンと来たので直ぐに資料請求し担当営業さんのお話を聞きました。内容としては会社が設備として従業員に通信回線を提供するサービスで、初期費用、月々の利用料は会社負担として請求出来るものでした。他にも工事費と契約解除料は0円、契約契約時の工事費残債請求もありません。という事は従業員に対しての金銭的負担は全く無いものでした。(ただし、OPについては自己負担になります。)通常、固定回線を敷設する際のハードルとして引っ越し時の解約金等がありますが、それが無いのはかなり魅力的に思えました。


NUROだけで改善出来る訳では無い

「NURO光テレワーク支援サービス」導入提案をする事にしましたが、導入したところで100%開通出来る訳ではない事は分かっていました。エリアや住んでいる建物の状況などに左右される為です。そこで考えたのは設備として割り切る考え方です。通常、福利厚生は公平性を考えますが、会社が提供する設備として、あくまでも設備≠公平性として考え、引けないものはしょうがないと割り切るものです。ただ、NURO回線希望だか開通不可だった場合に諦めてもらうのも可哀想な事になるので、どうしようかと悩みました。

在宅ネット環境支援制度(ひかり化計画)

NUROを導入するかは最終的に経営層の判断になります。正直、提案は通らないのかなと弱気になっていました。NUROを導入したとしても希望者全員が開通するとは限らない部分についても共有し判断して頂くことに。役員への提案が終わった時には検討する時間が欲しいとなり、最終的な判断は別日になりました。後日、上長を経由して結論を聞いたところ「今後もリモート前提の働き方を推進するなかにおいて、社員には出来る限り「光回線」の環境を自宅に導入することを推奨したい。」と言う事になり、「NURO光テレワーク支援サービス」の導入と都合上「NURO光」が導入できない場合は光回線に限り金銭的補助をする事が決定しました。金銭的補助の場合は上記に記載したように本来の目的と別の使い方を防ぐ為に、本人名義かつ光回線である事を証明するエビデンスを提出して頂く事で月5000円を支給する事になりました。ちなみにプロジェクト名は「ひかり化計画」になり役員が命名しました。

最後に

Goサインが出た後はソニーの方とのやり取り、Googleフォームでのエビデンス提出フォーム作成、SlackWFビルダーでの新規受付・変更フォーム作成等を細々とした制度スタート準備に追われていました。その後、NURO光テレワーク支援サービスで開通した社員から今までと回線スピードが全然違うと言われると提案して良かったと感じました。100%改善された訳では無いですが、労働するのに最適化されたオフィスと同じ環境・品質を従業員宅へ提供する事を会社として従業員に対して示す事が出来たと思います。

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