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カルティエの豹 2月4日〜365日の香水

有名なのは時計の方
時計は持っていないけれど、「カルティエの豹」の香水の方は持っている。
紙の外箱はなくなったけれど、いかにも高級腕時計が入っていそうな仰々しいパッケージはもちろんそのまま。
実は「マストドカルティエ」という香水と勘違いして購入したものだった。
多分、シンガポールのデパートの香水売り場ではなかったかと思う。
香りに興味を持ち始めた頃。
わざわざ、カルティを訪れて求めたわけではなく、何かのついでに目に入って買った、そんな印象。

自分に時計を贈ったというつぶやき
この香水のことを思い出したのは、あるポストからだった。
自分へのご褒美にパンテールの“腕時計の方”を買ったというものだった。(普通はカルティエのパンテールといえば、時計らしい笑)
カルティエの中でもさらに格の高いクラスに属するらしいパンテールがこの腕を飾ることはなさそうだけど、香りは装える、と思った。
改めてパッケージから取り出してみると、左右対称に豹がボトルに象られていた。こんなバングルも見かけるな、と呑気にボトルを眺める朝。

panthere de cartier/1987
調香師はアルベルト・モリアスで、ブルガリの香りを多く手がけている。
あのカルバン・クラインのck1も彼の調香。
香りは80年代のトレンドを担ったフローラルオリエンタル。動物性香料をメインにしつつ、フローラルとバランスをとりながら濃厚さを和らげ、妖艶さをむき出しにせず、という感覚。それでも、現代からすると濃くて重い。
ミドルノートにかけてスパイシー感が表出してくるけれど、あくまで隠し味。
精巧な装飾のように動物性香料の他、特徴ある香料がとても緻密に組み上げられている。お裾分けで、半分くらいになってしまったけれど、大事に使いたいと思い知る朝。

panthere 豹
豹というのはネコ科の猛獣の中でも、とりわけスタイルが良く美しい見た目が特徴みたいだ。
虎を盛んにモチーフにしていた昔の中国や日本の画家たちが豹というモチーフに出会っていたら、どんな風に描いたのだろう。
先日、ある場所で見た絵はタイトルは違ったけれど私には豹のように映った。豹のような毛皮をまとい一体化するような表情の人物。それは自我と獣性の融合であり、それを豹だと感じたのは凶暴や恐怖ではなく全体にエレガントさが漂っていたからかもしれない。
パンテール(豹)のデザインを最初に手掛けたルイ・カルティエも豹の優美さや自立心を感じさせる雰囲気を好きだったらしい。彼がそのジュエリーを捧げた女性ジャンヌ・トゥーサンは後に主任デザイナーとなり「ラ・パンテール」と呼ばれたそう。

香り、思い、呼吸。

2月4日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。

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