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TIFFANY 5月12日~365日の香水

香水を創るということ
5月11日の香水で紹介したダリもそうだけれど、異なるジャンルから展開される香水について、今朝ふと、考えた。
ポール・ポワレやココ・シャネルがまずはファッションと香水を結び付けた。今では大半のファッションハウスは自ブランドの香水を展開するのがむしろ普通になったといっていい。
それにジュエリー。あとは著名人が自らの名を冠したり制作に携わったもの。俳優からスポーツ選手、この例も多い。

宝石商と香水
カルティエやブルガリ、ヴァンクリフ&アーペルなどなどこれも香りと親和性が高いのか、宝石商からの展開も多い。
ジュエリーはラグジュアリーで美しい輝きのイメージがあるから、ブランディング上のアドバンテージをもって香水たちを世に送り出すことができそうだ。
多分、高級宝石商の名を聞いただけで、ゴージャスでリッチな香水に違いないというバイアスが私たちにかかるのだ。
香水のクリエイティブとその展開は、世界観を伝えるのに欠かせないピースであり、宝飾品のようにリッチなものを扱うハウスにとっては格好のPR戦略をかなえるものかもしれない。
彼らのハウスに並ぶ宝飾品よりもはるかに手ごろな価格でその世界観のいったんである香水を手にすることができる。
しかも、香水そのものはやはりリッチなイメージのものなのだ。

完璧な香水
TIFFANY FOR MENはティファニーが創業から150年ほどを経て初めて世に出した「TIFFANY FOR WEMEN」の2年後にリリースされた。
調香師はジャック・ポルジェ(Jacques Polge)、ボトルデザインはピエール・ディナン(Pierre Dinand)。女性用の次に男性用、そのために選ばれた調香師とボトルデザイナーはそろって当代一、あるいみ完璧な条件を揃えて送り出されたメンズフレグランスだった。
そんなことは調べるまで分かっていなくて、誰かにいただいたものをかなりぞんざいに扱っていた。

TIFFANY FOR MEN/TIFFANY/1989
現在ではユニセックスのヘビーで個性のある香りということになりそうだけれど、発売当時はラグジュアリーに相応しい甘く重厚なメンズのコロンであったようだ。スパイシーな香料が特徴的に使われているけれど嫌みがなく、バニラやアンバーもべたつきをださないまま、ビター感と良い感じでこの香りのボディをあつくしている。
この時代のメンズのオーデコロンでここまで今の時代に通用させたいというものも稀有。良いものだけに、宝石と同じように誤った使い方をすれば野暮ったくなる。スキルとセンスを必要とする香り。

香り、思い、呼吸

5月12日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。

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