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エゴイスト 4月27日〜365日の香水

由緒正しいわがまま
「私はわがままですけれど、由緒正しいわがままなんです」聞いていて心地よく、刺激もあった言葉だった。
その人の美意識に基づいて貫きたい我。
わがままにしても由緒正しいということを言えるセンスや自信やユーモアが好きだった。
嫌味を感じなかったのと、独りよがり感もなかった。
私も何かに対して、由緒正しくわがままでありたいと思ったけれど、そう簡単にはいかない。
執着ではなくこだわり、押し付けではなく自己完結、言ってるだけではなく説得力を伴う、裏打ちされたものがあってこそ、なのだろう。

私は何にわがままか?
これをわがままと言うのだろうか?好奇心については、特に人への好奇心についてはわがままかもしれない。
大抵は興味が持てる。面倒な人でも、私に冷たく当たる人でも、何か私が経験し得ない経験世界を持っていたり、何かしらの視点をもたらしてくれたりしたら、好奇心は持てる。仕事でも趣味でも交友関係でも。
どうにも好奇心が湧かない人がいる。人に関心がないことがわがままなのかどうかわからないけれど、そういう人がどんなに必死に「自分は気をひくべき人物だ!」と主張してきても、全然気持ちが動かない。
そんな時、相手は、大体において権威を使おうとする。
教えてもらったことだけど、権威は使うと落ちる(減る)ものだから、ますます、私はその人になんの威厳も感じなくなる。
一方で、先に言ったように、何かしらの興味が惹かれる人であれば、一時期、離れたり距離を置いても、また会いたくなったり、逆に相手からお誘いがあれば乗る。
説明が難しい、好き嫌いとも違う私なりのボーダー。

egoiste platinum/chanel/1993
この香水に接して、もう一つわかった。人目を気にしたわがままか、そうでないかの違い。人目を気にしたゆえのわがままというのは、見苦しい。
好き勝手も、人目を気にせず、そうでありながらむやみに人を巻き込まず自己完結できている、そういうエゴは是ではないかな。
立場を悪用したわがまま、わがままを通すことでやっと自己肯定感が保たれる、それらは非。
この香水はメンズでプラチナのエゴイストという意味合いだろうか。まさに普通のわがままではなく由緒正しいわがまま、ということだ。
そのくらい美意識を磨いておきなさい、教養を豊かにしておきなさい、ということなのかもしれない。
ラベンダーやクラリセージのハーバルな立ち上がり、グリーンウッディにしっとりとジャスミンが香りながら、ヴェチバーモッシーに落ち着いていく。
調香師はもちろんジャック・ポルジェ。
嗜みとして装い撒き散らさない。プラチナ級のわがままな装いが似合う。

香り、思い、呼吸。

4月27日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。

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