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インスピレーションの島 4月4日~365日の香水

インスピレーションの湧く場所
そこに行くとインスピレーションの沸く場所というのがある。
山や海、自然の中に身を置くことで「ひらめき」を取り戻す人がいるように、そこに行くとインスピレーションの湧く場所というのがある。
精神を研ぎ澄ますような場。あるいは心を開放するような場。
一昨年に瀬戸内国際芸術祭で瀬戸内の島を巡ったけれど、この島めぐりが私にとっては、日常の垢を落とす絶好の体験となった。
そして海風や島ののどかな時間の流れの中で、新しいインスピレーションを得るために、先に余計なものを振るい落とすことができたのだ。
その後から、いろいろなものが湧きだしてくる。

エミリオ・プッチとカプリの島々
エミリオ・プッチにとっては、カプリ島の小さな島~VIVARAがインスピレーションの源だったという。
エミリオ・プッチはイタリアの貴族の家系に生まれ、1950年代にファッション界にデヴューする。フィレンツェの自宅を工房にし、最初の店はカプリ島に開いた。
多くの文化やアートにインスパイアされた作品が特徴的で、シエナの伝統的なパレードやルネサンスのボッティチェリの絵画などが初期の有名なモチーフだった。そして現在にも通じる有名な幾何学模様は、カプリ島のVIVARAがモチーフ。陽光や波、海風を感じる軽やかで明るいデザイン。

意外なコレクション
エミリオ・プッチがこんなに昔からあるハウスであること、コレクションにある「VIVARA」という香水が実はとても古く、半世紀以上も前のもであることを、これまで知らなかった。スポットがあたることで、意外な発見があり、その発見にインスパイアされて何かが始まる。

VIVARA/Emilio Pucci/1965
スパイス系と共にサンタルなどのウッディが最初から顕著で、質実なイメージの香りは、島の陽光や海風というより、小高い丘に広がる森を連想させる。次第に涼やかなバルサムやフローラルが広がってくる。
それでもウッディとシプレーの奥深さはこの香りの基盤であり、それが全体を「粋」にしている。そう、これを使いこなすなら「粋」を意識しないと難しい。
実は調香師は少し前に紹介したyslの「Y~イグレック」と同じミシェル・イ(Michel Hy)だ。しっかりしていて、重くない、綿密でくどくない、彼の創る香りの共通点のような気がしている。
思いがけない、素敵な香りを再発見した。

香り、思い、呼吸

4月4日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。

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