22番 2月2日〜365日の香水
デレツン
ツンデレという言葉が流行ったのはもう十数年前のよう。ツンツンしたるのにデレデレなところもあったと知って、そのギャップが魅力になる、ざっくりいえばそういうことでいいはず。
このツンデレの反対としてデレツンという言葉ものちに出てきた。デレデレだったはずなのに、後出しでツンツンもあった、というところだろう。
以前、私はシャネルのNO.22 をデレツンな香水だといったことがある。
トップノートでは「女の子っぽさ」を感じさせる。明るくチャーミング、快活でさえある。ミドルになっていくと、だんだんとNO.5のような核がでてくる。しっかりとした個がたちあらわれるのだ。ちょっと、トップノートからは予想しきれない流れ。
これをデレツンと言った。
似ている
デレツンというのは私のイメージでは「恋に落ちやすいけれど恋愛を成長させるのが難しい」あり方のように思う。ご機嫌で明るくて、取っつきやすい、と思っていたら、確立された世界観が俄に見えてきて・・・もっと単純でもっとわかりやすい人のはずだったのに、と多分相手はなってしまうと思うから。別に世界観を隠しているわけでもなく、嘘をついているわけでもなく、演じているわけでもなく、順番がデレツンなだけで、ちょっと厄介そうだ。同じように深いあるいは広い世界を内に秘めた相手ではないと、ちょっと大変なのだろう。
きっと、あなたの周りの誰か、に似た人。
NO.22/chanel/1922
以前もNOTEに書いた。NO.5 の翌年にリリースされたエルネスト・ボーの代表作の一つだ。おそらく、エルネスト・ボーがシャネルに示した最初の試作品10点の中に、NO.22はNO.5と共に入っていたと思われる。
10の試作品の通し番号はNO.1-5とNO.21-25だったようだ。
どちらも素晴らしい香りだけれど、新しい時代の女性の香りというポリシーでシャネルが選んだのはNO.5の方だったのはうなづける。トップノートからアルデハイドが立ち合がり、レザー様の香気を微かに伴う出会いは革新そのもので、そこに前時代的な「花そのものの香り」は介入できずにいる。一方のNO.22 はトップノートからチュベローズが全開で”今日的”な展開はミドルノートまで待たないと感じられない。そういう意味でもNO.5 と対局にあるのがNO.22と私には思える。
前にマリリンモンローの香りのイメージのNOTEを書いたけれど、NO.22 の展開はマリリンにしっくりくる気がしている。
香り、思い、呼吸
2月2日がお誕生日の方、記念日の方おめでとうございます!
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