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グラウンディングと70年代フレグランス 9月2日~365日の香水

グラウンディング
気持ちが整うと進められるのだけれど、実は素手や素足で直接何かに触れることが苦手。
(潔癖症というわけではありません)
芝生なんかだと、誰かが捨てたごみとか、小さな虫とか何に遭遇するかわからなさ過ぎて不安。
これは、海に入ったとたん、超絶浅瀬なのに獰猛な海の生き物に襲われたらと思うのと似たような不安で、現実観察よりも脳内の妄想に基づくバイアスによるもの。そうとわかっていても、苦手だ。

オンブラマイフ
ヘンデルのオペラに登場するアリアで「懐かしい木陰」と訳されるこの歌曲はずっと好きだった。
それで、木陰にまどろむイメージで葉の緑、ウッディ、土っぽい香りなどを調合して「オンブラマイフ」という調合ベースを創った。
ナチュラルなだけでなく「懐かしい」心境が出るように若干の柑橘とフローラルを添えて。
最近開催したワークショップで「木陰の感じ」「癒される」という感想と共に「グランディングの香りだ」という言葉をいただいた。
確かに、木陰で憩う時、視界にはいるもの、肌に触れる感覚、風の音や鳥の囀り・・・以上に、木々と葉と土の香りが感覚を支配しそうだ。

グリーンシプレー
市販の香水で、グラウンディングに向くタイプとしてすぐに思い浮かぶのはグリーンシプレータイプ。シプレーがポイントだと思う。
グリーンだけだと草原や草花の葉のみ、ウッディだけだと木のみ、になってしまうところへ「シプレー」が入ることで土っぽさが醸されてくる。
グリーンタイプ、ウッディータイプ、シプレータイプの関係を、草原(グリーン)の先に広がる森(ウッディ)、その奥深く土が湿り気を帯びた鬱蒼としたあたり(シプレー)のように例える人もいる。組み合わせ方だけれど、土っぽさはグリーンシプレーの特徴。

Eau de courreges/courreges/1977
何度か書いたけれど、20世紀においては、世界的な戦争の後にグリーンタイプが流行するということが何度かあったと言われている。
1940年代、70年代、それに90年代。各々、第二次世界大戦、ベトナム戦争、第一次湾岸戦争の時代。
特に1970年代は、ベトナム反戦から自然回帰という流れの中で性別を意識させないグリーンタイプに注目が集まった時代。
シャネルのNO.19 (chanel NO19)やエスティ・ローダーのアリアージュ(allege/estee lauder)などもそうだ。
ヒアシンスやガルバナム、シプレーノートのアコードはトップノートから田園や森林を感じさせてくれる。素朴でありながら力強く、力強さのなかに洗練がある。

香り、思い、呼吸
9月2日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。

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