masumi 語感と香水 7月8日~365日の香水
名前が名前の香水
香水には「人の名前」(やニックネーム)をネーミングしたものも少なくない。
ゲラン(guerlain)ではジッキー(jicky)やミツコ(mitsouko)、バレンシアガ(balenciaga)のミシェル(michelle)、シャネル(chanel)のココ(coco)、レブロン(revlon)のチャーリー(charlyie)などなど。
※ブランド名が個人名で、そのブランド名をネーミングしたものは除外。
語感
さて、名前には音の響きからくるイメージがある。
発音も筋肉運動なので、どのような(口内の)筋肉運動でその発音がされるかは、語感~その言葉への感覚に影響するという考え方がある。
S音
例えば、S音(日本語ではサ行音)は、発音するたびに口内に空気が入るので、さわやかで軽快な印象を与える。
シュンスケの方がタクジより足が速そうな印象なのは語感によるらしい。
N音
N音(ナ行音)は、必ず発音時に舌が上顎について口内がしっとりするので滑らかさをもたらす。
新幹線のヒカリはスピード感があるけれど、のぞみにはラグジュアリー感があるのも、語感から計算されたネーミングという。
M音
M音(マ行音)は発音ごとに上唇とした唇を閉じたり開いたりする。
これは授乳時の赤ちゃんの口の動きなので、この動きで安心感や安定感を人は感じる。
※記憶の範囲です。
マスミの語感
今日の香水、マスミ(MaSuMi)の発音はM音にサンドイッチされてS音がある。
安心感を与える母性、圧をかけすぎず軽くさわやかな接し方、音からはそのようなイメージが受け取れる。
アメリカが描く日本女性像
これは1967年のリリースなので、すでにコティはアメリカのファイザーの資本下にあった。
「アメリカの日本像の変遷」(佐々木豊)という論文には1960年代から70年代にかけての言及があった。
この時期の日本の急成長ぶりに「勤勉さ」「頭の良さ」「礼儀正しさ」「手先の器用さ」などのイメージが形成されたという。
確かに次の十年では「ハイテクの国」にイメージを変容させていったというから、その礎としてもストーリーにつながりを感じる。
香水”マスミ”のイメージ
語感からのイメージと当時のアメリカでの日本人のイメージから想像していくと・・・日本女性マスミは、手芸、料理、あるいは対人関係の気遣いや今でいうファシリテーション能力など、周囲をアッと言わせるスキルを軽々と当たり前のように発揮しながらも謙虚。
勝手にだけれど、この時代に大国アメリカが日本女性に抱いたイメージはそういうところかもしれない。
MASUMI/COTY/1967
名前のせいか、着物にも合いそうなクラシカルなフローラル。
アンバーやサンタルウッドなどがトップから感じられるので、温かみと柔らかい甘さを感じる。
ローズ、バイオレット、若干のグリーンを含む中心部分も含めて、全体をウォーミーでパウダリックなノートが覆っている。心落ち着く感じと、ローズやバイオレットの優美な魅力とのバランスも素敵だ。
「たおやか」という表現が一番似合う。
香り、思い、呼吸
7月8日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。
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