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ライトな彼女 6月13日~365日の香水

「軽いは明るい」
彫刻家のイサムノグチが以前、「言葉遊びではないけれど、軽さを大事にしている。”かるい”は”明るい(あかるい)”に通じる」と言っていた。
確かに、Lightといえば軽さも明るさも、両方の意味を持つ。
色彩感覚ではやはり淡い色合いは軽さに通じ、光をたくさん通して明るさに通じるというのがよくわかる。

「香りのライトとヘビー」
香りを表現するときにも、ライトとかヘビーという対比もする。
ライト、軽やかな香りというのは香料濃度による場合が一つある。
香水類は香料とアルコール、一部は精製水を含んだ組成。
当然、香料の濃度が高くなれば香りは強く、濃くなる。重くなるといってもいい。その逆がライトになっていくわけで、タイプ的には香料濃度が低いオーデコロンタイプなどはライト。
それとは別に、香りの特徴、タイプそのものでライトかヘビーかの感覚が分かれる。柑橘系などはライト系、アンバーやムスクなどの動物系はヘビー、フローラルでもバラやスミレは淡いライト系、ジャスミンやイランイランは濃い、ヘビー系という感じだろうか。

「儚さ、寂しさと明るさ」
これも、「香水」という形を成すときに、各々がどういう濃度でどういう役割で調合されるかにより変化するので一概には言えないけれど、出来上がった形には軽いもの、重いものがあり、やはり軽いものは明るいイメージを持っている。
単に香りが「淡い」だけでは儚さ、寂しさに通じつこともあるから、軽いけれど元気、主張が明確だけれど軽い、感じが明るさになるのかもしれない。

Light Her Trussardi/Trussardi/1997
フルーティーフローラルの香りでライトと銘打っているだけあり、ナチュラルでライト。
この香水を365日のどの日にするのが良いのかなとずっと考えていた。
日本では梅雨を迎え、開ければ湿度は爆上がりして空気は重くなっていく。
そうなる前に、けれどせっかくライトな香りなので太陽の明るさを感じられる時期に。そう考えていたら、6月の折り返しの直前がいいと、この香りが一番似合う日に行きついた。
色とりどりの明るいフルーティーノート、シクラメンやシャクヤク、フリージアなどのフローラルは淡さとは無縁だけれど、フルーティーノートに支えられ沈み込むことなく浮遊していく。
軽やかに受けとめ、軽やかに進む。「彼女」の明るい笑顔が垣間見える。

香り、思い、呼吸
6月13日がお誕生日の方、記念日の方おめでとうございます。


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