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Old Spice 大航海〜7月20日〜365日の香水

コロンブス
過去はいろいろな作品の主人公に多く抜擢されていたコロンブスだったけれど、先ごろ炎上があったように現在は侵略者としてネガティブな歴史的評価を持つようになった。
どのような文脈で語るかで冒険者、開拓者は侵略者、略奪者になる。
少し前に扱った海賊も主人公にもなればヒールにもなる。

発見のモニュメント
ポルトガルのリスボンにエンリケ航海王子をトップにして大航海時代を担った歴史上の人物を象った「発見のモニュメント」がある。1960年にエンリケ航海王子の歿後500年を記念してつくられた。
ここに表れる人はみんなネガティブな評価をこれから受けていくのかもしれない。

こういうことは白黒つける形では語れないな、とつくづく思う。

リスクの大きな死と隣り合わせの冒険、成し遂げたこと。一方でそれは、先住民から見れば侵略ということになる。
その時代に生きるヨーロッパ人なら、相手を征服して行った先を我が物にするのは、普通のこと。
原住民と話し合ってウィンウィンなんて言い出す人はいないだろう。

未来のために気をつける
それでも現代の視点で、やってはダメなことをやったのであれば、現代人から批評される。
そうすることで、私たちは、少しずつ育んできた人権、公正、平和という概念の解像度を上げていくのかもしれない。

何世紀前のことでも、「ああいうことはダメだ」と見直して、未来のために気をつける私たち。

香料群島
いろいろあるけれど、ユーラシアの西の果てから帆船で目指した新大陸。
東南アジアのモルッカ諸島、スマトラ島は香料群島と言われ、ポルトガル、オランダでの覇権争いも熾烈だった。
黄金と同じ価値で流通したというスパイス。
古代から海と陸のシルクロードを通してヨーロッパ大陸に入ってはいたが、大航海時代には原産地を直接おさえることに列強は躍起になった。

さて、この辺りの熱帯雨林産の沈香に対して彼らはほぼ手をつけていない。
この時に大量に掻っ攫われていたら、香道は潰えていたかも。

old spice/shulton/1938
shutlonは発見された側、新大陸アメリカのブランド。
ナツメグ、アニス、シナモンなどのスパイスを大胆に使っている一方で、バニラやヘリオトロープなど重厚で甘いベースが特徴。
強いけれど雑さがなく、甘いけれどドライ、という妙味がある。
私は、今では誰も知らないこのオリジナルを、浴衣の時にひっそり、楽しんでいる。

香り、思い、呼吸。
7月20日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。

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