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再会香 7月7日〜365日の香水


歴史に残る名香
ウォルトのジュルビアンも歴史に名を残す名香に数えられる。
英国から渡仏して国民国家となったフランスで、成功したクチュリエ、フレデリック・ウォルト。
その三代目のジャック・ウォルト(jacques worth)が調香師モーリス・ブランシェ(maurice blanchet)
とつくりあげたメゾンの香水。
何度か書いたけれど、それは五部作として企画された。

五部作〜香りのラブレター
Dans la nuit (夜)
Vers te jour (ちょうど夜明け前)
Sans adieu (あえて、さよならは言わず)
Je reviens (また戻ってくる)
Vers toi (あなたの元に)

この「また戻ってくる」から日本に入った時に「再会香」と名付けられたそう。
see you〜のような感じと思ったけれど、I’ll be backの方がニュアンスとしては近いしようだ。
挨拶ではなく「意思」ということかもしれない。

当時のモダンを追求したジュルビアン
ジュルビアン(je reviens)は4作目にあたり、これが一番有名に、ロングセラーにもなった。
現在も販売がされているようだけれど、リニューアルされていると思われる。
このシリーズに限らず、ウォルトの香水は全てラリック製。
球体の夜の星や夜空の色を思わせるボトルデザインがよく知られていて、ブロカントでもこのタイプはよく見かける。
発売当時のものは縦長でスリムなスタイル。
これはニューヨークの摩天楼をイメージしたものと言われ、当時のモダンをボトルデザインで体現したものという。
星に手が届きそうな高層ビル、そのようなイメージ。

je reviens parfum/worth/1929
香りは、モダンブレンズとも言われたアルデハイドを調合し、スイセン、フルーティ、クマリンの甘さとマッチして、なんともいえない独特の香気がある。
他にもジャック・ウォルトが「もっともっと贅沢に」と調香師にオーダーしたという逸話も残るようにジャスミン、ローズ、チュベローズなどの天然香料がふんだんに配合された。

雛菊ボトルのトワレとパルファンのニュアンス
私のコレクションにはこの贅沢な処方のパルファン濃度のものがあり、香りのテーマから言っても、ジュルビアンのパルファンは、7月7日が相応しいと思う。

雛菊ボトルのトワレには少し切ない感情も湧いてくるけれど、パルファンの贅沢で個性的な香りからは、きっとまた会える、また始まる、そんな勇気ももらえる。

香り、思い、呼吸。
7月7日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。

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