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いつしかのあの日の僕

それはずっと素敵なものだと思っていた。
高校野球は先輩がやるものだと思っていたが
気づいたら同級生が戦っていた。

今の気持ちははっきり言うと恐怖に近い。
それになるのに、資格も必要ないし、
ましてや正式な境目などないはずだ。

でも、周りは自然と変わっていく。
昔見ていた景色が小さく見えるんだ。
周りの人たちは僕よりも背が大きく毅然とした態度だった。

12歳まで学校のルールでとなりの駅がすごく遠く感じていた。
中学生になり、ルールは消えて隣の駅でよく遊ぶようになった。
あんなに遠いものが近く感じて、すごく新鮮な感覚。

高校生になって大阪駅にいくようになった。
最寄り駅と比べるとスケールは半端ではなかった。
でも、昔の遠い世界を見るような感覚が消えている気がする。
大阪駅なんてもっと遠いと思っていた。
手にした切符で行ける距離になると途端に冷めていった。

中学の時、隣の席でよく喋った友達はもう同級生の関係になった。
駅でたまに見かけるけど、目も合わないようになった。
新しい人間と浅い関係を作っていくようになった。

でも、こんなことをあの頃は考えなかった。
それってつまり僕はこどもじゃないことを証明していた。
大人になってしまったんだ。あんなに輝いていた大人に。

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