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【1分エッセイ】駅で中学生に感謝された話

こんにちは。
最近、何かと話しかけられるadaiutonnelです。最近というか昔からなのですが、道に迷っているお婆さんやら外国人やら、やたらと街中で話しかけられるのです。

外国人に道案内した通算回数なら町内1位の自信があります。私って話しかけやすい顔してるのでしょうか?

今回は、また知らない人に話しかけられた話をします。

とあるJRの駅にて。
私は、交通系ICカード(Suica)の残高が少なくなっていることに気づきました。「チャージしなければ」と思い、切符自動券売機に向かいました。
券売機は5つ程並んで設置されていたので、すぐに自分の番になりました。手慣れた手つきでSuicaを券売機に入れようとしたところ、隣の券売機を操作している中学生らしき女の子から声をかけられました。

「あの、券売機に表示されている″これ″ってどういうことですか?」

話しかけられると思っていなかった私は、一瞬ビクッとなりました。私は、何のことかと隣の券売機の画面を覗き込みました。

″投入金額不足 あと10円を投入して下さい″

と表示されていました。140円区間の切符を買おうとしていて、現在の投入金額は130円と出ておりました。

表示されている通りで、10円足りないだけです。その事実をそのまま伝えようかと思いましたが、私は一瞬思考を巡らせました。

「はて?中学生にもなってこんな簡単な文章が読めないことなんてあるだろうか?」

いたって普通の女子中学生です。何か別の困り事があるのでしょうか?

ふと、女の子の手にある小銭入れを見ると1円玉のみが沢山入っているのが見えました。その数、おそらく10枚。

券売機を見ると、使用可能の硬貨は、10円〜となっていました。なるほど、1円が券売機で使えなくて困っているのか。

「たぶん、1円玉は対応していないと思う」

私は、女の子へそう伝えました。みるみる顔が青ざめる女の子。どうしよう?という顔をしていました。

ふと、私の財布を見るとちょうど10円玉が1枚だけありました。

「私の10円玉と交換する?」

私が女の子へ伝えると、みるみる明るい顔になっていきました。無事に切符が買えて、「ありがとうございます!」と元気に改札へ向かって行きました。

ただ、10円玉と1円玉10枚を交換しただけなのにこんなに感謝されるとは、なんだかほっこりしました。

初めての電車だったのでしょうか?女の子の小銭入れを見る限り、ぴったりの金額しか持ち合わせていなかったようでした。親からその金額渡されたけど、切符が買えなくて、勇気を出して私に話しかけたのかもしれません。

私の財布は、1円玉でパンパンになっていました。その姿がなぜか誇らしく見えました。

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