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【マスターデュエル】オルターガイストのカテゴリ罠は何枚が最適なのか、という話

今回のテーマは、【オルターガイスト】における、
下記の3枚についてです。

《オルターガイスト・プロトコル》
《オルターガイスト・マテリアリゼーション》
《パーソナル・スプーフィング》

いずれも【オルターガイスト】の戦術の根幹を成す、
重要なカードですが、
ここで悩ましいのが、それぞれの採用枚数です。

みなさん思い思いの意図を持って、採用枚数を決めているかと思いますが、
さて、どう考えていくべきでしょうか。

いくつかの判断基準に照らし、私なりの考えをまとめてみたいと思います。
わずかでも参考になれば幸いです!


素引きのうれしさはどうか

いずれもキーパーツではありますが、
投入枚数の基準の最たるものである、
「初手で引いてうれしいかどうか」を一度考えてみましょう。

《オルターガイスト・プロトコル》

このカードのポイントは、
「常に場に他のオルターガイストを要求する」ということです。

素引きした場合は、通常召喚などでオルターガイストを供給する必要があります。
初期ハンドにマルチフェイカーがあることが理想ですね。

マルチフェイカ―の、サーチ込みでのデッキ内での最大搭載枚数は、
一般的な構築では6枚+スプーフィング分(フェイカー2枚、メリュシーク3枚、ワンフォーワン1枚、スプーフィング?枚)で、
スプーフィングの枚数次第で、
40枚デッキでの期待値としては、1を超えてくる形となります。

妨害強度の観点から、一緒に置くオルターガイストとして次に優秀なのは、シルキタスです。 
モンスター効果無効かバウンスかを使い分けることができ、
仮にプロトコルとともに破壊された場合、墓地からプロトコルを回収できます。

ただし、バウンスか効果無効かが選べるだけで、妨害数は増えません。
また、シルキタス自身が素引きしてうれしいカードではないため、
あえて狙う形ではないですね。

マリオネッターは、
プロトコル素引きの場合はマテリアリゼーションを引っ張ってくる形になりますが、
初手だと蘇生対象がおらず、マリオネッター自身も蘇生して旨みがあるモンスターではないため、
強い布陣とは言えなさそうですね。

ただし、メリュシークまたはプークエリと組み合わせて、
ホーンデッドロックを絡めた展開ができる場合は、
サーチできるマルチフェイカーが通る前提ですが、
ヘクスティア、プロトコル、シルキタスの3妨害を用意でき、
妨害強度はなかなか高いです。

総合すると、素引きが許容されるのは
①マルチフェイカーないしそれに繋がる札
②マリオネッター+プークエリかメリュシーク
が用意できる場合であり、

①の期待値が1を超えていることを考えると、
ある程度素引きを狙っていくことは悪くない、という感じでしょうか。

《オルターガイスト・マテリアリゼーション》

蘇生札であるため、墓地にオルターガイストを要求します。

蘇生して最も強いのはシルキタスで、
このカード自体をバウンスすることができ、
セットと蘇生とバウンスを繰り返すことで、毎ターン1回ずつバウンスを追加できます。
仮に破壊されてもマテリアリゼーションを回収でき、揃うと強力です。

マルチフェイカーも蘇生することでリクルート効果が発動するため、
上述のシルキマテリループを形成できるほか、
メリュシークをリクルートして一気にキルルートへ向かうこともできます。

ただし、
シルキタスも、マルチフェイカーも、序盤で進んで墓地に送るカードではなく
特に最初のターンで墓地へ落ちることはそうありません

逆に初手で墓地へ落ちやすいのはメリュシークで、
返しの起点などの意味で、蘇生自体は悪くない選択肢ですが、
セット直後のターンではATK300分の壁にしかなりません。
サーチはできますが、あまりに消極的な運用ですね。

初手で一番蘇生したい対象が墓地にいる可能性が限りなく低く
その分のドローで、その他メタ罠など、直接妨害になる札を引けた可能性を考えると、
初手にはできればいてほしくないカードと言えるでしょう。

枚数としても、
仮に墓地へいったとして、シルキタスでサルベージができ、
そのままシルキマテリのループに入れるため、
複数枚欲しい場面は限定的であると考えます。

そもそも、
マテリアリゼーションが強く使える場面は、ほぼシルキタスが絡む
=セット運用がケースとして多く、回収できなくて困る場面が少ない

ということも、この考えを補強します。

一応、墓地効果で、破壊されてしまったプロトコルを回収する役割もあり、
ピン挿しだとその時点でそのゲームではマテリアリゼーションの使用が絶望的になりますが、

そのうえで追加のマテリアリゼーションがないから負けるゲームというのは、
体感値ですがかなり限定的かなという印象です。

2枚目のマテリアリゼーションがないから負ける試合と、
マテリアリゼーションが初手に来て実質1ハンデスとなって負ける試合では、
おそらく後者の方が多い
のでは、と、私としては結論付けています。

限りなく個人の所感ですが、
マリオネッターから引っ張れることもあり、
必要に応じてサーチする運用が適していそうです。

《パーソナル・スプーフィング》

【オルターガイスト】における(ほぼ)万能サーチ札です。

特筆すべきは、これを開いたタイミングでのサーチで、
持ってきたマルチフェイカーをそのまま起動できる点です。

適当なオルターガイストカードが、メインエンジンたるマルチフェイカーに化けるのは、
言わずもがな非常に強力です。

仮にフェイカーが用意できている場合、
クンティエリをサーチすることで、そのターン中の妨害を増やすことができます。
ただし、盤面に干渉できるカードは用意できず、
スプーフィング分、盤面干渉能力は下がることになります。

また、このカード自体はオルターガイストカードではなくサーチが効かないことから、
一定枚数を投入しないと、そもそもアクセスできない点も、考慮すべきでしょう。
KONAMIさん、スプーフィングサーチできるリンク1待ってます!!!!

できる仕事の重要性と、サーチ不可という特性から、
1枚ということはなかなかなく、2枚か3枚となるケースが多いかと思います。

維持すれば、都度必要なカードを引っ張れるのはもちろんのこと、
初手の札としての役割はマルチフェイカーへのアクセスですので、
マルチフェイカーへのアクセス強度次第で、2か3か調整するようなイメージでしょうか。

ちなみに名称ターン1がないため、
複数置ければ、その数だけサーチ効果を使えます。


他の人はどのくらい採用しているか

ここまで、私としての所感を述べてきましたが、
所詮はn=1の考え。

ここはなかなか考えが分かれそうなところでもあるため、
【オルターガイスト】のレシピのなかで、採用枚数がどうなっているかを、
少し調査してみました。

デッキ検索で出るレシピ

マスターデュエルのデッキ検索機能で引っかかったレシピでの採用数を
50デッキ分調査しました。
(一部、OCGでの構築を含みます)

マルチフェイカーへのアクセスを考えてか、
8割のデッキがスプーフィングを3枚採用しています。

プロトコルは2枚が主流ですが、
全力で引きにいく3投構築も4割弱見られます。

マテリアリゼーションはその他に比べるとやはり抑えめですね。
2枚と1枚が半々です。

大会優勝レシピ

続いて、Twitterやweb検索で、
大小問わず大会の優勝報告があるレシピ25個を、同様に集計しました。

いってもn=25なので、データ増えると変わるかも

よくある構築と比べて、いずれも枚数を少なめにしてあるようです。

特にプロトコルについては、
検索レシピでほぼ見られなかった1枚構築が3割強あったことは特筆に値するかと思います。

やはりスプーフィングは多めですが2枚が主流であり、
特例的ですが0枚のレシピもひとつだけありました。

これらについては、サイドチェンジの余地があることも考慮しなければなりませんが、
掲載の構築は、BO3でも初戦を受けるデッキとして構築されているはずですので、
マスターデュエルのBO1ルールにおいても、ある程度通じる考え方ではありそうです。

考察

オルターガイストカードを増やすことによる恩恵は、
【オルターガイスト】として、カテゴリが純粋に持っているギミックが稼働しやすいことです。

ただ、【オルターガイスト】というデッキが、丸裸で強いかというと、
実際そうでもない、と言わざるを得ません。

マスターデュエルの環境にあっても、実のところ、
マルチフェイカーは、通したところで勝負を一気に決めうるカードでは到底なく、
プロトコルも所詮は1:1交換かつプロトコル自体の準備が必要なため、
それだけでは全然勝てないのです。

【オルターガイスト】において強みになるのは、
妨害を用意する手順が少なく、安定して妨害を置けること
妨害を開くことでリソースが少しずつ増えること
であり、低速のロングゲームでこそ真価を発揮します。

その状況を作る、つまり、
瞬間最大風速のぶつけ合い → リソース重視のロングゲーム
にゲームの流れをスイッチするために、
相手の初動の勢いを削ぎ、最大瞬間風速に到達させないことが必要になります。

【オルターガイスト】を相手取っている際の感覚として、
「死んではいないけど、生きてる感じもしない」
というワードをどこかで見かけましたが、まさしくこれが【オルターガイスト】の目指すところ、というわけです。

そして、初動を止める、と言う観点では、
カテゴリカードにおけるMaxの盤面(例えば、ヘクス+プロトコル+シルキ)を敷けたとしても、
超えてくるデッキは易々と超えてきます。

【オルターガイスト】の妨害が、魔法罠、モンスター、と分かれているのに対し、
いまどきのデッキは万能無効がデフォみたいになってますものね……

そうなると、【オルターガイスト】的に必要なのは、
初動からカテゴリでできるMAX展開を通せる打率を上げることより、

  • 単体での拘束力が強い汎用メタカードで、まずゲームスピードを削ぎつつ、

  • マルチフェイカーやヘクスティア、メリュシークでリソースをどんどん増やし、

  • 相手の手数を常に上回る妨害数を維持し続けて、徐々に理想盤面を作っていく

ということになり、
その意味で、カテゴリカードだけが豊富な初手は、上振れの天井が知れており、逆に最良ではない
ということも言えそうです。

大会優勝レシピでは、

  • 勅命魔封じ

  • スキドレ

  • 次元障壁

など、1枚で相手の速度を大きく落とす罠のスロットが、
採用を減らしたカテゴリ罠分に、設けられているような印象でした。

その上で、それらを守るためor初動の妨害強度をさらに上げるための神罠を足すことで、
ゲームをスローテンポにする確度を高めている形です。

ゲームのペース自体を、自分の得意とするスローかつリソース勝負になるテンポへ引き摺り込むことがまず至上命題であり、
オルターガイストカードは、意外とそこへ寄与しない、ということから、
ある程度採用数を絞られる、という感じでしょうか。


さて、その上で採用枚数を考える

個人的には、
マテリアリゼーション:1
プロトコル:1
スプーフィング:3

でいってみようと思います。

マテリアリゼーションは1枚をひたすらシルキタスで使い回せばよい、という考えで、
シンプルに採用枚数を絞ります。

プロトコルは2と悩みどころですが、
実質マリオネッター≒プロトコルなのと、
その枠で永続メタ罠を引いた方が妨害強度が上がるのでは、と考えました。
プロトコルは、回しながら採用枚数を検討するかもしれません。

スプーフィングは最大枚数です。
理由として、

  • メタ罠+フェイカーの形に早期に辿り着きたい

  • 《スキルドレイン》を先に張った場合に、マリオネッターの効果を通すために必要

という2つの役割を期待しているためです。

【オルターガイスト】で採用するメタカードの中でも、
個人的に、《スキルドレイン》の拘束力は非常に高いと感じており、
【エルドリッチ】以外の大体のデッキに対し有効です。

【天威勇者ローズ】の《騎竜ドラコバック》が厳しいですが、
スキドレ発動前に、シルキタスで、ドラコバック装備の勇者トークンをバウンスしておけば、
安全に通せるのではないかと思います。

スキドレについては、
巷では、メリュシークの除去ができなくなる点から割と否定的な意見が多いのですが、
プロトコルも併せて張れていれば、シルキタスでなんとでもなる感じがしています。

スキドレ+スプーフィングのセットがあれば、
スキドレで遅延させつつ、スプーフィングでマリオネッターをサーチし、
マリオネッターNSに合わせてスプーフィングでどかすことでプロトコルを置ける+フェイカーを用意できるので、
このセットは強い組み合わせであると考えています。

それゆえに、最大数採用でまずは試してみたいと思っています。


おわりに

いかがだったでしょうか?
みなさまのデッキでの採用枚数は、この記事を経て変わりそうでしょうか?

先述の通り、かつては環境トップをひた走っていた【オルターガイスト】は、
いまや、トップクラスのデッキとは決して言えなくなりました。

しかしながら、すでにこの記事をここまでご覧いただいた方ならよくご存じのように、
その戦術次第で、格上の相手でもしっかり食っていける地力のあるデッキです。

特に「こいつを通せれば即サレもらえる」というようなカードがないため、
構築、プレイングに熟考が求められるデッキですが、
扱う人の練度に連動して応えてくれる、非常に味わい深いデッキであると思っています。

少しでも彼女らの力を引き出すべく、
より良い構築を見つけられるよう、使い手側も精進しなければですね!


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