見出し画像

よくある〇〇ポイントというサービスは、ブロックチェーンを使うような運営になるのか? ならんと思うけどーw

『だれにでもわかるNFTの解説書』が4刷りになったことで、ますます、講演依頼が増えて、ブッキングのスケジュールがヤバい状態の足立明穂です(って、自慢かよ!w)。

さて、尊敬する『お笑いweb3界隈』の つる兄やん(湯川鶴章さん。お笑い業界の先輩なので、いつも「つる兄やん」と呼ばせていただいていますw)から、こんな質問をうけました。

「あっちこっちのサービスで、なんちゃらポイントってやってるけど面倒くさい!
 登録するのに、名前だの、メアドだの、携帯番号だの、むっちゃめんどいやん。
 いつもよく使うポイントに交換しようと思たっけど、これがまた、手続きが面倒くさいし、何がどう交換されるのかよーわからん!
 アメリカとかでは、こういうポイントをブロックチェーンで実現しようとしてるとこが出てきてるらしいでー。ブロックチェーンの方が安全やし、コストも抑えられるとか言うてたわ。確かに、そうかもしれん。
 日本は、どうなん?」
(あ、かなり脚色して書いてますw)

ということで、今回は、せっかくの つる兄やんの質問なんで、かしこまって回答したいと思いますw

ポイント、ちょいとヤヤコシイ法律の絡み

先に書いておきますが、弁護士ではないので、あくまでも個人の見解です。鵜呑みにしないで、詳細は専門家に確認してくださいね。

と、お断りを入れておいて・・・・

ポイントって、一言でいってもさまざまなタイプがあります。

で、よく勘違いされるのが電子マネーですね。

電子マネーは、最初にチャージするとか、後からクレカで決済するとか、「お金と交換される」のです。

こちらは、資金決済法の範疇になって、万が一、サービスを停止するとなったときに、チャージ分を返金するための預託金を積んでおくことが必須になります。

ところが、ポイントというのは、何か購入したときとかプレゼントで渡して、商品購入時に「値引き」として使う、あるいは、何かの景品と交換するというものになります。

チャージしてた金額で「支払う」のか、ポイントで「値引き」するのかというのが大きな差になります。

でもって、ポイントは、景品表示法によって制限があり、ポイント付与の上限などが決まってきます。

1,000円未満であれば200円までで、1,000円を超える場合はその取引価額の2割までになっているので、「食パンについている点数シールを10点集めれば、もれなくフェラーリをプレゼント!」ってことには、ならないのですwww
(1斤1億円の食パンを売るなら可能ですが・・・ w)

ややこしいついでに書いておくと、スマホでのQRコード決済。

これは「決済」なので、どのように支払うのかは、それぞれのサービスによって違います。

例えば、楽天ペイなら、クレカ決済(ポストペイ)、楽天キャッシュ(プリペイド・電子マネー)、楽天ポイントという支払い方法のどれかになります。

どれでも自由に選べるのではなく、でれで決済できるかは、店舗側が受け付ける方法に限定されます。

あー、ややこしいw

ポイントをもらうのに登録って面倒くさいのか?

ポイントを使ってる人は、「最初の登録、うぜー」とか思ってるでしょう。

しかし、登録しなくても使えるポイントは多いです。例えば、もう少なくなってますがコンビニとかに置いてあるポイントカードなんかも登録なしで使うことはできます。

例えば、楽天ポイントカードは、カードさえあれば登録しなくてもポイントを貯めたり、ポイントを使ったりできます。

ただし、カードを失ってしまうと、もうどうにもなりません。100万ポイントを貯めていても、カードが手元に戻ってこない限り、どうにもならないです。

さらに、カードだけで利用できるので盗まれれて使われたとしても止めようがないです。

まさに、現金を入れた財布と同じです。

サービスにもよりますが、登録しないで利用していると一定期間がすぎたポイントは失効するといったこともあります。

ちなみに、ポイントに対する有効期限については、法的にはなにも制限がありません。永遠に使えるってもありだし、有効期限1年というのも問題ありません。

もっとも、有効期限が1日とか極端に短いポイントは法律にひっかかる可能性がありますけどねw

ということで、ポイントを利用するのに個人情報を登録しなくても使うことができるものもあります(サービスによって異なります)。

まあ、ある意味、ブロックチェーンの仮想通貨と同じで、ウォレットを作るだけなら、一切、個人情報が必要ないのと同じです。

ポイントとポイントの交換は面倒・・・ ブロックチェーンは?

ポイントとポイントを交換するのって、かなり面倒なものが多いです。

そもそも、他の業者のポイントを交換するとかってのは、それぞれの利用規約とか法的な建付けと矛盾しないようにやらないといけないので、その辺がややこしいのですよね。

有効期限が迫っているものを交換できるのかとか、交換レートをどのようにするのか、さらには、電子マネーとして使えるようにするのかしないのかなどヤヤコシイのです。

では、ブロックチェーンはどうなのかというと、ビットコインとイーサリアムを交換するというのは、暗号資産交換所を通さないとできません(ま、個人とかでやりとりして、お互いに送金すればいいけど、目の前に相手がいない限り難しいw)。

さらに、日本の暗号資産交換所が扱っていない仮想通貨を交換するとなると、海外の取引所を使うしかないので、そこに登録やらなんやらで、面倒くさいったらありゃしないw

そこに交換レートが変動することを考えると、どのタイミングで交換するのか重要になってきて、そう簡単に交換できないしw

ということで、ブロックチェーンだから手間が省けるどころか、逆に面倒かもw

日本でブロックチェーンがポイントの基盤になるのか?

何とも言えないですが、現状のポイント運用をブロックチェーンにしたところで、何か大きな変化があるのか?というと、面倒が増えるだけで今やる必要なんて、ないんじゃね??ってところでしょうか。

広く使われている仮想通貨のブロックチェーンを利用するとなると、ポイントではなく、仮想通貨のやりとりってなってきて、資金決済法の範疇に入ってきそうです。

さらに、値引きにつかうってことはお金に換金するので金融庁に届け出て、暗号資産交換所として登録されなければ事業ができないかもしれません。

では、独自のブロックチェーンを作って運用すればいいかもしれませんが、それって、いままでのポイント運用と何か違いがあるでしょうか?

例えば、RakutenNFTは楽天ポイントも使えるようになっていますが、RakutenNFTは独自のブロックチェーンなので、購入したNFTを他のマーケットプレイスで出品することはできません。

これと同じように、独自のブロックチェーンを開発した場合は、他のブロックチェーンに移すのは非常に面倒なことになるので、今、運営してるポイントシステムで十分だから、なにもわざわざやらなくていいんじゃね?ってことになりますよね。

ということで、まったく新しいポイントサービスを導入するのであれば、多少、ブロックチェーンを利用する可能性はあるでしょうが、既存のポイントサービスが乗りかえるのは、考えにくいです。

それよりも、新しく導入するポイントサービスとブロックチェーンを組み合わせるなら、既存のポイントサービスでは提供できないようなNFTと組み合わせたサービス展開をするといったことがないと難しいと思いますね。

はてさて、どうなんでしょう???

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?