AI時代の新しい仕事は、AIの給食担当者!!
中小企業も本気でAIを取り入れないとって思い始めているようで、セミナーや講演、研修依頼が増えてきている足立明穂です。
ご興味あれば、お気軽にこちらからお問合せくださいませw
それは、さておき、こんなニュース、知ってますか?
Amazon GOなど、無人店舗が進化している中、その裏には、なんとインド人1000人がカメラ映像を見て作業していたとか・・・。
自動化して、店舗での人件費を下げることはできているのに、システムを提供しているアマゾンの裏側では、たくさんの人たちが手作業を行っているのですよね。
一体、何が起きているのか? そして、そこに生まれる新たなAI時代の職業「AI給食担当」について考えてみましょう。
AIを業務に使うためには、大量のデータが必要
勘違いしている人の多くは、「ChatGPTを導入すると、簡単な仕事って、一瞬でやってくれるのでしょ?」って思っています。
それ、大きな間違いですから! 残念!!
確かにChatGPTなど生成AIは膨大な知識を持っています。大きな図書館とインターネット上の情報を吸収して、専門家を何百人も集めたような状態です。
私の理想の人でもあるシャーロック・ホームズのお兄さんマイクロフトのような人。マイクロフトは、「専門がない専門家」と言われてイギリス政府直轄の顧問で、ありとあらゆる領域に通じているので専門がない専門家と言われています。
なんでも知っている人ですねw(って、もちろん、コナン・ドイルの推理小説に出てくる架空の人物ですがw)。
そんなマイクロフトと同じようなあらゆる領域が専門であるAIですが、とはいえ、「あなた自身」や「あなたの会社」など知りません。
あ、もちろん、あなたが著名人で、メディアに顔や名前が知られていて、SNSでも話題になっているなら別ですけど、これを読んでいる99.99%の人は、違いますw
ちょっと横道。99.99%の根拠(あるいは、仮説)
「これを読んでいる99.99%の人は、違いますw」って書くと、その数字は、どういう根拠じゃ!
とか言われそうなので、説明しておきますw
日本人を1億2000万人とすると、100-99.99=0.00%が著名人ってことで、ざっくり1万2千人。日本に1万2千人ぐらいが著名人って計算。それぐらいの人物像をChatGPTは知ってるのではないかな?ってことなんです。
では、検証(え?)として、ChatGPTに確認してみましょう。
ChatGPTが知ってる日本の著名人って何人ぐらい?
はい。安定の杓子定規(クソ真面目)回答ですねー。少し、突っ込みますw
学習したのは何人ぐらいか、想像でもいいので答えてよ
はい、出ました!
「恐らく数千人から数万人程度」ってことで、0.01%の1万2千人って、それほど外していないでしょ?w
以上、解説終わり!!
話を戻しましょう。
AIは「あなた」を知らないからこそ、教えなければならない
AIは、いろいろな学習をしていますが、それは「汎用的」な知識。どこにでも当てはまる一般的なことを大量に学習しているのであって、あなたに当てはまるのか、あなたのビジネスではどうなのかについては、まったく知識を持ち合わせていません。
例えるなら、あなたの会社で、コンサルタントを雇うようなものです。いくら有能なコンサルタントであっても、どれだけ経験豊富なコンサルタントであっても、あなたの会社のことについては、まったくのド素人です。
もちろん、仕事の基本ってのは、その業界に共通したところはあります。経理なども、基本はどの会社でも同じでしょう。
しかし、旅費規程とか、発注から納品までの手順、仕入れの手順、納期の考え方、支払い条件などは、それぞれの会社で異なります。仕事の手順とか、会議の進め方とかになったら、もう、まったく違っていますよね。
暗黙知という、なんとなく上司や先輩から教えられている文化のようなものになると、文書化どころか言語化さえされていません。「それを察しろよ!」とか言われても、無理な話。
有能なコンサルタントは、経営者だけでなく、現場の人たちにもヒヤリングして、その会社の独自のルールとか、他とは違う仕事の進め方を理解し、そして、アドバイスします。
しかし、現時点でのAIは、質問を質問で返すということはせずに、その時に質問されたことを一番高い確率で求められている回答ができるように頑張りますw。
(そんなAIを、個人的には、『けなげだなぁ・・・』って思ってますけどねw)
この質問を返すってのが、ちょいとばかり難しくて、人間のコンサルタントの場合は、質問しかえすのですが、『この人なら、このレベルで回答できるな』とか、『うーん・・・。この課題、根が深いぞ・・・。もっと突っ込んで質問しないと・・・』とか考えながら質問しています。
このサジ加減、相手の答え方や、声のトーン、間合い、そして、表情や態度などなど、さまざまなことから察知して判断しています。っていうか、どんな話題でも対面で話をしていると、こういうのを意識的にも無意識的にも判断して話をしてますよね?
しかし、今のAIでは、そんなことはできません。だからこそ、あなたが何者で、どんな状況なのか、何を知りたいのか、どんなことを解決したいのかを丁寧に教えないと、ありきたりな回答、教科書的な答えしか返してくれません。
もっと学習データを増やせば、AIは答えてくれるようになるかも!?
ええ、確かに、もっと学習データを増やしていき、99.99%の人のことを知らないという状態から、99%、70%、20%と、知らない人を減らしていけば、『あなた』のこともわかっているAIになるでしょう。
そうなれば、細かいことまで言わなくても、あなたの状況を理解し、的確な回答をしてくれるようになります。場合によっては、家族よりも、よき理解者になることだってあり得ます。
ただ、この『学習データを増やす』ってのが簡単ではないのですよね。
インターネットとか、デジタル化されたデータとか、大量にあるから、それをガツガツ集めて学習させればいいんじゃね?とか思いますよね?
ところが、学習データを用意するのに、『何と関連付けるのか?』を人間が精査しなければならないのです。
分かりやすい例で言えば、顔写真です。
『こういう顔の人が男性だよー』って、大量に学習させるためには、男性の顔写真を分類しておかなければならないのです。
「そんなの、Google検索でやれば、あっという間に何千枚とか集まるでしょ?」
そうでしょうか? 実際、検索して画像を見てみると、似顔絵や女性と思われる顔も含まれてしまいます。
これを分類するには、人間がやるしかないのですよね。
で、以前にも書いたメカニカルタークの話につながります。
AIが使われる時代になって登場する新たな単純作業
そうなんです。このデータを分類するという単純作業、そして、膨大な作業量をこなさなければ、AIが進化しないのですよね。
男性と女性を分類する、大人と子供を分類する、自転車とバイクを分類する、湖と海を分類する・・・・
こんな単純な分類すら、今のAIでは正しくできません。正しくできないからこそ、人間が『見本』を見せないといけない。
これ、なんとなくですが、AIが成長していくために、人間が学習データという「餌」を作って、与えているように思えませんか?
そう、人間は、AIの給食担当のようになって、お腹を空かせて(?)口を開けてまっているAIに、次々と食事を作って、与えている・・・
なんか、人間はそういう給食担当になってしまいそうです(^^;
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