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『これからの広告の教科書』を読んでみて

■始めに

本書は長橋代表よりオススメ頂いた1冊になります。書籍自体は2015年に刊行されたもので、この手のノウハウ本としては古い印象でしたが、結論、今出されているノウハウ本に近い且つ当事の事例を元に解説されている書籍でした。
今となっては当たり前(できているかは置いておいて)となっている、徹底的な顧客視点が描かれており、読み応えのある1冊でした。
直ぐに現場で落とし込むべき考え方や、今後ずっと根底には置いて起きたい考え方などが学べました。

■ブランド・ウィル

かつての広告の役目とは、端的に言いますと、多くの人に認知してもらい買ってもらう事でした。
だからこそ、マス広告が攻勢に出ていたという背景があります。
現代、インターネットの台頭により人々は情報を得る際に何かしらのアクションを行う様になります。
それはクリックです。Webサイトや広告、記事…自分が得たい情報はクリックという動作を挟みようやく得られる事になります。

情報の会得が、ユーザー側に寄っているという点がポイントです。

そんな中、まずは見てもらう前提で広告を打つ際に「機能性」ばかりを押し出しては、全くユーザーの行動は変えられないでしょう。

インターネット普及前は兎に角、他社より、何が優れているか?機能性を押し出す広告が目立った事があります。

化粧品を例に例えると、
かつては乾燥肌に効いたものが今ではメーカー各社揃って乾燥肌に効きつつ加えて様々な効能も付加価値としてついており、余程成分に詳しくない限りはユーザーも「同じもの」と捉えるでしょう。

そうなった際に、選ばれる要因となるのがメーカーを含めた企業の想いの部分になってきます。

こちらの書籍を読んだのは直近ですが、本書は2015年に刊行されたものになります。

今D2C企業という、自社生産〜プロモーションまで一貫してブランディングを軸にしている企業が台頭しつつあることを踏まえると、かなり先見の明があったと言えます。

いろはすが何故あんなに売れているのか?
それは環境美化にこだわった、ペットボトルであったり取り組みを行っているからです。
コカ・コーラが生み出したいろはすというブランドは1つのメッセージを元に、一貫性を持った取り組み、そこへ賛同してくれた人への販促に成功しています。

企業としては、マーケティングうんぬんより以前に、企業が何を提供しているサービスなのか?そこのサービス提供への想いは?を明確にし、メッセージを投下し続けなければならないのです。

■インサイト

市場調査を元に、商品開発そして販促を行っていくのはマーケティング活動の定石でした。

しかし現代では既に便利なもので溢れています。
溢れ過ぎており、ユーザーは選択を常に迫られ、迷う行動が嫌だからこそブランドやレビューの数で購買を判断します。

つまり、今伺えるユーザーの声は常にあるもので考えられます。

そこで考えなくてはならないのがインサイトになります。
僕はこれを、ユーザーが気づかない深層心理と捉えました。
人は枠に捕らわれる生き物ですので、困り事や悩みは明確でない限りは基本ないと思っています。
実はあったら便利を探していく、、この活動が情報過多のこの世の中において大切になります。

■広告に囚われない

ある島のプロモーションをお願いされました。
観光客の誘致が目的です。
まず、何をしようと考えますか?

・Instagramを作って綺麗な写真を投稿
・ホームページをリデザインしよう
・インフルエンサーを起用しよう
…などなど

広告に囚われてしまうとこのような手段あり気になってしまいます。
これは僕も課題としています。

海外のプロモーションは持っていた広告予算1億2000万円を
これを10カ国程でしっかりPRする為にとある仕掛けを用意しました。

それは南の島でのリゾートバイトで、報酬が1000万円というものです。
もちろん応募は殺到、更に話題にも繋がり、勝手にこの話は拡散をされていきました。

結果として、肝となる観光客は増加しこの施策は成功しました。
この様に、予算を与えられた際に「広告」⇒「ランディングページ」、「動画」、「媒体」と考え行きがちですが
何を仕掛けたら広まっていく広告を作れるかを検討する事も大切だと実感しました。
もちろん億クラスのクライアントはなかなかいないですが、媒体選定以前に領域を増やすのであればこの様な思考も大切だと学びました。

■ツッコマレビリティ

海外の広告マンは「遠いから近い法」という考え方を刷り込まれるそうです。

広告は直接的なメッセージになりがちです。

・安い
・早い
・軽い
…冒頭で述べた機能性です。

しかし、話題になる海外の広告は最後まで見て見ないと何の広告か分からない事が殆どです。

とある男性がベッドで寝ており、水をぶっかけられ起きるCMがありました。

これだけ聞くと「?」ですが、最後の最後で
起きるなら紅茶で気分よく起きたいよねという
メッセージと共に紅茶メーカーのロゴが出てきます。

遠から近い法とはこの様に遠くから徐々に近づける手法です。

この様な柔軟な発想、、自分達は持っているのか?

因みに日本では1本満足バーが、
草なぎ剛に「満々満足!」と歌わせ、結果何を
伝えたいか分からない点が
SNSでのユーザーから

「草なぎ剛仕事選べ」
「何このCM?」
など"話題化"に繋がりました。

今目下、各案件で動画広告の検証をしているかと思いますが、
この様な海外事例を利用した広告やテレビCMで使われた成功法則をYouTubeへ輸入するなど
動画制作1つにしても、検証を込める必要や可能性がある事が分かりました。

■広告のエンゲージメントを考える

人気のある広告はユーザーから愛されるものになります。
基本的に不快感を与えてしまうものですが、
情報や知識に驚きや利便性があれば
広告は好かれます。その瞬間にいいね!を含めたエンゲージメントに影響を及ぼします。

役に立つ、であれば自然と拡散がされます。
また例えばSmartNewsなどであれば
記事の様なタイトルとランディング先に構成されていますので
媒体で表記される広告の役割や立ち位置、見せ方まで考えていく必要があります。

そこまで細かくこだわり、ブランディングなども意識する事で成果に直結をするとも言えるのです。

■まとめ

広告は移り変わりが早いと言うのは、
書籍を読んでいて、
確かに昔はよいと言われた手法が古びていく傾向があるなと感じました。

そこのキャッチアップはできているか、
自分の手法は古くないのか?
検証や思考が日々の業務で足らない点と
当たり前や常識を意識し過ぎている点を反省しました。

枠に囚われないとは、日々の業務にも言える事なので考えの幅を広げます。

■具体的TO DO

・新規提案の案件があるので、広告費で考えない手法を提案してみる&思考する

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