見出し画像

農への興味

6~7年前だろうか。なんとなく地方移住を意識するようになってから色々な本を読んだ。地方移住、農業、狩猟など。漁業はあまりに馴染みがなく遠い世界なので除外した。船酔いするし。僕は子供の頃から何かを始めるときはまず本を読んで調べる傾向がある。小学校2年生の時にアルフレッド・ノーベルの伝記を読んでダイナマイトの作り方を小冊子にまとめた時は流石に親は心配したようだがその時は別にテロリストになろうと思ったわけではない。単なる知的好奇心だ。

農業と狩猟については強い興味がある。やはり自給自足というのは究極のサバイバル方法として憧れがある。もちろんそれは素人の憧れでしかないのも理解しているけれども、いつかやってみたいと思っている。

飯能に移住した時も、当初はホップ畑やホースラディッシュ、マスタードなど少しは農業に関われたのだが、いざビールの醸造が始まると全く時間が取れなくなり畑は荒れ放題になってしまった。狩猟に関しても、せっかく地元で狩猟の産業化を図っていた猟師工房の原田さんという方と知り合えたのだが、これも体験ツアーなどに参加することも叶わなかった。

さて佐賀に移住し、今度は地元産の大麦を使って製麦を行うこともあってもっと農業との接点を持てるのではないかと期待している。最近読んだ本は静岡県で無農薬有機米を生産している松下明弘さんの「ロジカルな田んぼ」。

画像1

飯能でも「無肥料・無農薬」でやろうとチャレンジしたものの、専門的な知識もなく農業に専従するスタッフもいない中ではやはり難しかった。当たり前のことだが物事にはロジックがあり、その上で常識を疑って新しい手法を試しては修正して前に進んでいかねばならないと思い知った。

以前読んだ岩澤信雄さんの「究極の田んぼ」は不耕起移植栽培という無農薬・無肥料の農法であったが、松下さんはその方法を試したところ静岡県の気候やその田んぼの土の質などに合わないと判断してこれを改良し、表層耕起という方法を生み出している。農業も狩猟も先人に倣うだけでは駄目で、その土地土地で全く条件が違ってくるはずなので、その調整をする観察力と改善するための想像力、そして地道な実験を繰り返す忍耐力が必要なのだ。

これはビール醸造にも同じことが言える。原料となるモルトの違い、醸造機器のクセ、その土地の気候、使用する水...。どれひとつとして同じ条件で作れるわけではない。もっとも米作と違って実験に1年もかかることはないのが救いだ。今から米作を始めたらあと2~30回も実験したら人生が終わってしまう。

ま、それはともかく農業と狩猟への興味はなんとなく続いている。15年ほど前に八ヶ岳に移住した知人は、友人家族と共同で1反ほどの田んぼを借りて自家消費分の米を作っていたが、まずはそんなところから始められたら面白いかな、と思う。本当は釣りもやりたいんだけど、この辺りは干潟なので普通の海釣りは難しいようだ。川でたまにウナギが釣れるらしいんだけど勝手に獲っていいのかな...。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?