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美容鍼の効果について

みなさん、こんにちは。
今回は鍼灸の中でも美容鍼について解説していこうと思います。
少し前からインフルエンサーの間で美容鍼がはやりはじめましたね。
今や美容鍼専門の施術所もできたり、大人気です。

流行ってはいるものの、詳しくはわからない方が多いと思います。
先生方の中にも詳しくは説明できないけど、店の商品として存在するからマニュアル通りにやっているだけ…なんて方もいます。
実際、美容鍼はなにがいいのでしょうか?
というわけで、今回はその内容について説明していきたいと思います。
それではいってみましょう。

〇美容鍼の概要

まず美容鍼とはどんなものか説明していきます。
一般的には「顔面部に刺鍼を行うことにより美容面の効果をもたらす施術」が美容鍼です。美容のための鍼、そのままですね。

しかし、顔面部のみに施術を行うこともあれば、身体に対しての鍼を併用する治療院さんも多いことと思います。身体の不調は顔面に反映されることも少なくありません。
特に女性は生理周期に伴って、お肌のトラブルに合われる方も多いのではないでしょうか?そのため、顔面部の施術で補い切れないものは身体の鍼灸治療を行い根本治療を目指していくことになると思います。

では、ここからは顔に鍼をさすことによって何が良いのかということをお話ししてきたいと思います。


〇シワに対しての効果

もともとシワの原因は肌細胞の水分が失われはじめ肌を盛り上げる状態を維持できなくなり、陥没していくことにより生じます。
陥没する場所は、毛穴や筋肉の動きに沿って出来ることが多いです。
ほうれい線やマリオネットラインと言われる顎の線、梅干しジワ、目じりのシワなどは先天的にある方も多いですが、その多くは加齢による、肌の保水力の低下や、筋肉のつき方や動かし方の問題で発生します。

さてこれらに対して、美容鍼がどのように生きてくるか解説していきたいと思います。

☆鍼をさしたところは血管が増えて栄養供給量が増える。
血管内皮増殖因子(VEGF)というのをきいたことがあるでしょうか?
鍼をさしたところは、傷口のとなって肌や組織に穴をあけますよね。
穴は身体にとっては傷口のため、その傷口を塞ごうとする反応が起きます。
その時に血管内皮増殖因子(VEGF)が働き毛細血管を新生しようと働いてくれます。
毛細血管がより表皮に近いところまで分布し水分と栄養を供給してくれれば、肌の保水力は上がり細胞の陥没を抑えるように働いてくれるのでシワに対して有効であるといことが言えます。

☆あいた穴をふさぐ反応が皮膚の陥没を抑える
人の血液の中には免疫機能を果たす組織が存在します。
免疫組織の中に「好中球」と言われる成分があります。
人の身体に穴が開いたとき。その穴が開き陥没してしまった組織は身体にとっての異物と判断されます。
その異物は、「好中球」の出す酵素、「好中球エステラーゼ」によって破壊されます。
結果として、傷ついた組織はなくなり新たに穴を塞ぐように作られた細胞たちが肌をふっくらさせていきシワの改善に役立ってくれます。

〇シミに対しての効果

これに対しては意見が分かれるところだと思いますが、基本的にはシミの完全消去は鍼だけでは不可能だと思います。
鍼の効果として、肌トーンをあげることは可能になるので、これで少しずつ既存のシミを抑えることは可能という表現が一番適切になると思います。

☆新しい細胞は明るい
皮膚の構造として、一番表面にあるのが角質層と言われるものになります。
肌のくすみがある人はこの角質層が分厚いというのが特徴になります。
本来、角質層はラップ一枚分くらいの薄い層です。
しかし、ターンオーバーが遅くなり角質層が剥がれ落ちるのが遅くなると、角質層が分厚くなり肌がくすんで見えてきてしまいます。
一般的なピーリングはこの層を落とすことを目的とすることが多いです。
化粧品を呼ばれるものはこの角質層までにしか浸透することが出来ません。

このように聞くと角質層は悪者のようですが、その機能は身体の保護として重要です。
正常なターンオーバーが追い付く前に角質層がはがれてしまうと肌は敏感な部分まで露出してしまうリスクがあります。未分化な細胞が露出してしまうと、より紫外線や外気の影響を受けて肌荒れをおこしてしまうことがあります。

美容鍼の場合、ターンオーバーを速めて正常なリズムで角質層を剥離することによってくすみを抑え、普段使っている化粧品の浸透率をより高めるという効果があります。
美容鍼で使う鍼は、施術者の方針によって違うと思いますが、基本的には浅く刺したとしても5mmは身体に入るため、化粧品ではアプローチできないところにまで侵入することが可能です。これで肌トーンを上げていくということが可能となっていきます。


〇浮腫み、たるみに対する効果

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この辺りは割と即効性がありわかりやすいです。
ただ、顔の浮腫みは単純に顔の血流が悪い他に、首の硬さやお酒の影響、腎臓の影響を受けるところでもあるので、そのあたりもしっかりと問診した後に施術できるとよいでしょう。

☆鍼を刺したところは血流が早くなる。
傷ついた組織の周りでは基本的に炎症と呼ばれる症状が発生します。
まず炎症って何か復習してみましょう。

「炎症」
・免疫反応の初期に起きる
・血管が拡張し血液量が増える
・血漿タンパク(アルブミン・グロブリン・フィブリノーゲン)が血管外にでる
・白血球が患部に遊走する
などなど

このような反応が微細な範囲で起きます。
特に血管拡張作用のおかげで血流が増えた結果、貯留している血液や水分は流れていきやすくなります。ただ注意点なのが、血漿タンパクが漏出するため施術直後は少し幹部がふっくらする感じがでます。

☆たるませる筋肉を緩める

皮膚を下に引っ張る筋肉があります。
筆者を特に口角下制筋にアプローチするのが好きですが、他にも咬筋だったり頬骨筋や上唇挙筋・広頚筋などもその対象になります。
それらを鍼で緩めてあげるように施術すると、たるませようとする力が弱まりリフトアップ効果が期待で来ます。

☆動きづらい筋肉を動かしてあげる
鍼が初めての方にはお勧めしませんが、側頭筋や後頭前頭筋などは鍼通電を行ってあげると適度に収縮しやすくなるため表情筋を引き上げる力を発揮してくれます。
また、硬すぎて他の組織と癒着していると動かなくなってしまいリフトアップ邪魔をしてしまいます。それらをとりのぞき、本来の筋力でリフトアップを促すことが可能です。

〇ニキビ、肌荒れに対する効果

これについては即効性が弱いため、実感しづらいところになりますがニキビにも聞く仕組みがあります。

☆アクネ菌の繁殖を抑える
通常ニキビの原因は毛穴に詰まった皮脂やそれを食べるアクネ菌の繁殖によるものというのが一般的ですが、その他の内臓の影響もあると言われています。
顔の鍼を行うとターンオーバーが早くなる一時的に角質層がはがれようとするため皮脂の量が増えます。しかし、それをしっかりと洗顔やペーパーでオフした後は保湿をしてあげると毛穴のつまりやアクネ菌の繁殖を抑えることが出来ます。

結果として、皮膚の赤身や肌荒れを徐々に減らしていくことが可能です。
正直なところ、この点に関しては食事内容や生活習慣の見直しも並行しないと解決しづらい内容になると思いますので効果を出すには、生活指導も並行してあげるのが現実的だと思います
さっくりですがこんな感じが美容鍼の内容になります。

先生方によって方向性が違っていたり中医学の内容を織り交ぜると膨大な量になってしまうので今回は簡単な要素だけ説明しました。

よかったらご参考ください。


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