【声劇】古事記編集部 〜ヤマタノオロチ〜(3人用)

利用規約：https://note.com/actors_off/n/n759c2c3b1f08
♂：♀＝2：1
約10分～20分
上演の際は作者名とリンクの記載をお願いします。

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日本の神話「古事記」をまとめる部署がきっとあったはず!!
そしてまとめる際に、きっと会議とかもあったはず!!
ぶっとんだ「古事記」をまとめた影の偉人の世界を、楽しんで頂ければ幸いです。

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【登場人物】
社員(女)♀：古事記を編集する部署の社員。 神話をこよなく愛している。
社員(男)♂：古事記を編集する部署の社員。 きつめの性格だが、真面目な性格
部長♂：古事記をまとめる部署の代表。

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社員(女)：「──龍ですよ龍っ! 8本も頭があって、カッコイイんですよ!! カッコイイ戦う場面なんですよ!! なんでこんな事になってるんですか!!」

社員(男)：「だからっ打ち合わせで決まった事だっつってんだろ!! 話聞けよ馬鹿!!」

社員(女)：「その打ち合わせっ私知らないっ!! 最初話してた時、私ここは絶対にカッコよく豪快にって──」

(扉が開く)

部長：「おっはよぉ〜」

社員(男)：「あっおはようございま──」

社員(女)：「──聞ぃ〜てくださいよぉ!! 」

部長：「なんだなんだどうした急に──」

社員(女)：「スサノオノミコト様がズルいんですぅ〜!! 龍とのカッコイイバトルがあっさりで!! 私はもっともっと血で血を洗って駆け引きで『お前もなかなか』『いや、お前こそ』みたいなそういう神と龍との死闘で友情が──」

部長：「ん〜うん……うんっ♪ とりあえず、ステイっ!!」

社員(女)：「──んぐっ!?」

部長：「何の話??」

社員(男)：「いや、あのですね──」

社員(女)：「──絶対に勝てない様なっ馬鹿デカい強い龍に勝ってこそっ神としての──」

部長：「──待てっ!! シー……」

社員(女)：「──んぐっ!! う〜……見せ場っ──」

部長：「シーっ!!」

社員(女)：「──っ!? うぅ〜……」

部長：「待てよぉ……待てよ……待ってるんだぞ……そのまま……お座り」

社員(女)：「バウ…… (座る)」

部長：「よぉ〜し……良い子だ……良い子だ……そのままステイ……OK?」

社員(女)：「バウ……」

社員(男)：「なんスかこれ……?」

部長：「大丈夫……大丈夫……恐くないからねぇ……」

社員(女)：「バウ……」

部長：「──それで、朝から何があったんだ?」

社員(男)：「──えっ? あっ……それがですね。ヤマタノオロチの部分の話で──」

部長：「あぁ、昨日提出してくれたヤツだな。お疲れさん♪ 良い感じにまとまってたじゃないか」

社員(男)：「あ、ありがとうございます。その原稿を机の上に置いてたんですけど、それをコイツが勝手に読んだらしくて『打ち合わせと違う!!』って──」

社員(女)：「だって打ち合わせでは『生贄いけにえを要求するヤマタノオロチ』を、スサノオノミコト様が『この私が来たからにはもう大丈夫!!』からの『ヤマタノオロチ!! 貴様の悪行もここまでだ!!』で、その身を犠牲にしてまで、たった1人で民の期待を一身に背負い、命をかけて戦いながらもギリギリで勝って、ヤマタノオロチとの友情が芽生えて『草薙くさなぎの剣をいつの日か再会を約束して預かる』って男臭い感じでいくって話だったじゃないですか!!!
そ〜れ〜な〜の〜にっ!! 」

部長：「──ステイ!!」

社員(女)：「──バウッ!?」

部長：「伏せ……」

社員(女)：「バウ……」

部長：「そのまま……ステイ……」

社員(女)：「バウ……」

社員(男)：「それ、良いっスね……俺も使ってみて良いですか?」

部長：「おぉ良いぞ♪ テンション上がり過ぎてる時に、かなり便利だから」

社員(男)：「はいw」

部長：「まぁ何にしても……情報が古いな」

社員(男)：「──そうなんですよ!! それをどれだけ説明しても、全然聞く耳持たなくて……」

社員(女)：「だって私知らないですもん!!」

部長：「まぁ〜……仕方ないっちゃ〜仕方ないけどなぁ〜……」

社員(男)：「あぁそっか……そう言えば……」

社員(女)：「な、なんですか……えっ?」

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社員(男)：「自由奔放じゆうほんぽう過ぎて、天界を出禁にされたスサノオノミコト様が……正々堂々、龍と戦うって、難しいっスわぁ〜」

部長：「まぁ豪快な方かただった雰囲気はあるからなぁ〜」

社員(男)：「『豪快』って言葉でまとめて良いんですかねぇ? 畑荒らすわ、排泄物はいせつぶつ投げるわ、どうしようもない神様ですよ……」

部長：「はっはっはっ! まぁ狂ってるわな。まぁそんな問題の多い神が、地上で人助けをするってのが『やっぱすげぇ〜なぁ♪』っていう、信仰しんこうにつなが──」

社員(女)：「──っどぉ〜ん!!」

社員(男)：「──痛って!! な、な何っ!?」

社員(女)：「ひゃっひゃっひゃ!! 飲んでますかぁ〜♪ ねぇねぇねぇねぇ!! 私の地元の地酒の酒ですよぉ〜♪ 美味しいですかぁ〜♪」

社員(男)：「今仕事の話をしてるんだから、静かに飲んでいてくれ──」

社員(女)：「──っどぉ〜ん!!」

社員(男)：「──痛っ!!」

社員(女)：「飲めぇ!! 私の酒だぞぉ〜!! 飲めぇ〜!!」

社員(男)：「こいつ……(º言º)」

部長：「俺は飲ませて貰ってるぞぉ〜♪ 旨い酒だ♪」

社員(女)：「あじゃ〜ッス♪ 地元の酒は最強なんでふ♪ だから私も最強♪ っどぉ〜── (避けられて倒れる) んべっ」

社員(男)：「──おっと! そんな何度もやられてたまるか!!」

社員(女)：「うぐぅ〜……飲めば飲むほろ強くなりゅ……飲み過ぎたら、ラメでしゅよれ……」

部長：「おいおい、大丈夫か?」

社員(男)：「ほっときゃ良いんですよ、こんな飲んだくれ」

社員(女)：「うぅ〜……最強のわらひがぁ〜最弱の人に負けりゅ……」

社員(男)：「あっ? 誰が最弱だコラ!!」

部長：「まぁまぁw」

社員(女)：「うぇっへっへ、考えまひたね……わらひに酒を飲ましぇて……最強の座を奪いにくりゅ……」

社員(男)：「てめぇ〜が1人で勝手に飲みまくってんだろうがっ!!」

部長：「落ち着け落ち着けw」

社員(女)：「きっろぉ〜……スシャノオロミコロしゃまも……頭を使ったんれすよ……龍にわらひの地元の地酒を飲ませれ……」

社員(男)：「あ?」

部長：「ほぉ……」

社員(女)：「美味ひいれすもん……いっぱい飲んらんれす……よ……そしれ……倒し、ら……zzz……」

社員(男)：「あ、あの……これって……」

部長：「ククッ……おもしろいヤツだろ?」

社員(男)：「は、はぁ〜……」

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社員(女)：「嘘ですっ!!」

部長：「残念ながら、本当の──」

社員(女)：「──絶っ対嘘です! 私がこんな人に負ける訳がないです!!」

社員(男)：「そこじゃねぇ〜よ!!」

社員(女)：「少し酔ってたぐらいで、こんな奴に負けるなんて心外っ!! 考えられない!! よって、その話は嘘です!!」

社員(男)：「少しどころじゃなかっただろうが! そもそも酔ってなくても、お前みたいなチンチクリンが俺に勝てる訳がねぇ〜だろ!!」

社員(女)：「あっチンチクリンって言いました!! 今私の事をチンチクリンって!!」

社員(男)：「あぁ言ったね! それがどうした!!」

社員(女)：「チンチクリンって言った方がチンチクリンなんですよ!!」

社員(男)：「なんだよそれっ!! 意味がわかんn──」

部長：「──2人ともステイ!!」

社員(男)：「──ぐっ!?」

社員(女)：「──ぐっ!?」

部長：「(咳払い) んまぁ、そういう事だ♪」

社員(男)：「そそっ♪ 打ち合わせの通りに、俺はスサノオノミコト様とヤマタノオロチの戦いを書き上げた。
それもっ!! お前の理想通りの神話にな♪」

部長：「酒を飲ませて倒す……単純だけど、スサノオノミコト様の機転の良さと豪快な性格が表現されている。
まぁ〜格好良さには欠けるけど、おもしろい神話に仕上がってるな」

社員(男)：「ありがとうございます!
そ〜し〜てっ! 良いアイデアくれて──ありがとぉ〜なぁ (嫌味っぽく)♪」

社員(女)：「うぅぅぅ〜……でもでもでもでもでもでもでも!!」

社員(男)：「ステイ!!」

社員(女)：「──うぐっ!?」

社員(男)：「はっはっはっはっ!!」

社員(女)：「うぅぅ〜ガブッ!」

社員(男)：「──痛って!! てんめぇ〜全力で噛みやがって!! あっ歯型が!!」

社員(女)：「次は喉元に噛み付いてやりますよっ! かかって来なさいっ最弱!!」

社員(男)：「っんだとっこのチンチクリンが!!」

社員(女)：「あぁ～! またチンチクリンって言ったぁ!!」