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【声劇】優しく付き、纏いたい(2人用)

利用規約:https://note.com/actors_off/n/n759c2c3b1f08
♀:不問=1:1
約10分~30分
上演の際は作者名とリンクの記載をお願いします。

【配役表】
サトミ♀:ストーカー被害にあっている女性。
とにかくモテる感じの女性なんでしょうね。

ST:(男女不問)※男性推奨 サトミを悪いストーカーから守る的な人。
礼儀正しく、常識人(?)

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サトミ:「はぁ……はぁ……っ! す、すいませんっ!! た、助けてください!!」

ST:「どうしましたか?」

サトミ:「私、悪いストーカーにつけられていて──」

ST:「なんですって!? と、とりあえずこちらへどうぞ」

サトミ:「は、はいっ」

ST:「すいません……今あいにく他の者は席を外しておりまして……私で良ければ話を聞かせて下さい」

サトミ:「はい……」

ST:「まずは、状況を聞かせて頂けますか?」

サトミ:「はい。仕事が終わって会社を出ると、なんか変な──嫌な視線を感じたんです……」

ST:「なるほど……定時の17:00に仕事が終わって、17:15に会社を出ると……嫌な視線を感じた。それはどの様な?」

サトミ:「なんて言ったら良いのか分からないんですけど……なんか、今までに感じた事が無い様な、気持ち悪い視線」

ST:「ん〜……サトミさん、それは──」

サトミ:「──違うんです! 気のせいとかじゃなくて!!
会社から駅へ向かう途中の角で足音が近付いて来て──でも、パッと振り返っても、誰もいなくて……」

ST:「なるほど……赤い自動販売機が2台並んである角で、ストーカーの足音を感じるが、目視もくしでそれを確認出来ず……ですか」

サトミ:「ほ、本当なんです!! 私恐くて……凄く恐くて……」

ST:「ん〜しかし、それだけでは私共も何とも……」

サトミ:「そう、ですか……そうですよね……」

ST:「申し訳ありません。もう少し決定的な『何か』があれば、動く事は可能なんですが……」

サトミ:「──あっ! ありますっ!」

ST:「えっ本当ですか!?」

サトミ:「はいっ、先日買ったばかりのリップクリームが無くなってたんです!!
忘れない様にと、カバンの中にしまっていたんですけど──それを仕事終わりに使おうと思って取り出そうとしたら、無くなってたんです!!」

ST:「家から最寄りの駅に隣接している、ショッピングモールで購入された水色のリップクリームが紛失している……」

サトミ:「絶対にっ間違いなくカバンの中に入れたんですよ! 絶対に悪いストーカーがそれを盗んで──」

ST:「──サトミさん……」

サトミ:「──早く見つけて下さい! こんなんじゃあ私──」

ST:「──サトミさん!!」

サトミ:「──っ!?」

ST:「(深く息を吐く) サトミさん、左の胸ポケットを確認してみて下さい……」

サトミ:「え、胸ポケット……?」

ST:「……」

サトミ:「……あっ……あり、ました……」

ST:「昼食後に無意識に使用し、それを左の胸ポケットに入れた……最近、結構乾燥してましたからね。普段から塗る習慣が染み付いていると、無意識に使用する事が結構あるんですよ」

サトミ:「あぁ……すいません……///」

ST:「(小さく息を吐く) もう少し、様子を見てみてはいかがでしょうか?
もしサトミさんに何かあれば、いつでも私共は動きます。それが私共の使命だと思っております。
もっと私共を信じて下さいませんか?」

サトミ:「それは……はい。すいません」

ST:「いえ……お顔にお疲れの色も出ている様に感じます。ダイエットだと言って、スーパーで買ったサラダばかり食べていないで、たまにはお肉も食べないと力は出ませんよ」

サトミ:「そうですよね///」

ST:「あっそういえば、先日行ったスーパーが、今日お肉の特売日らしいですよ? 少し家まで遠回りにはなってしまいますけど、寄ってみてはどうですか?」

サトミ:「そうなんですか!? 良い事聞いちゃいました♪
じゃあ今日はそこで夕飯を買ってから帰ります」

ST:「はい。お疲れ様でした。ご協力、ありがとうございます」

サトミ:「はい、こちらこそすいませんでした。
また何かあったら、よろしくお願いします」

ST:「お気を付けてお帰り下さ──」

サトミ:「──あっ!」

ST:「はい?」

サトミ:「あぁ〜……いや、あの……」

ST:「どうしました?」

サトミ:「いえ……やっぱり、いいです……」

ST:「いえ、気になる事があるのであれば、仰って下さい」

サトミ:「でも、これもまた私の勘違いかもしれない、ですし……」

ST:「勘違いでも良いんです! 私共はサトミさんの力になりたい。それだけなんです。小さな事でも良いから、お話し下さい」

サトミ:「は、はい。その……最近、家に帰ったら、本の位置が変わってるんです」

ST:「本?」

サトミ:「はい……寝る前に読んでいるんで、枕元に置いてるんですけど、それが家に帰ったらベットの上に移動してたり」

ST:「なるほど……『差がつくコミュニケーション術』の場所が──」

サトミ:「──いや、そっちじゃなくて……あ、その……///」

ST:「あっ……もしかして……BLのほう……」

サトミ:「あぁ、ははっ///」

ST:「ま、まぁそれは趣味ですからね、踏み入った話をしてしまって……すいません」

サトミ:「いえ/// で、でもっ私の気のせいかもしれませんし、朝は結構ギリギリまで寝てるから……」

ST:「いや、そうとも言い切れませんよ……」

サトミ:「え?」

ST:「最近『シンプソンズの青い靴下』……履いてらっしゃいますか?」

サトミ:「あぁ〜それが、洗濯してから見付からなくて……」

ST:「無くした……」

サトミ:「はい……えっ? まさか──」

ST:「少し失礼します──
『サトミさんの全ストーカーに通達!
サトミさんの家からシンプソンズの青い靴下の紛失が発覚した。
繰り返す、サトミさん家からシンプソンズの青い靴下の紛失が発覚した。
サトミさんのプライベート空間に侵入する悪いストーカーの存在の可能性有り。
ただちに全ストーカー、最寄りのストーカー同士で持ち物検査を行い、検査を終え次第、悪いストーカーの捜索に尽力じんりょくせよ』」

サトミ:「あの、やっぱり本当に──」

ST:「はい。サトミさんのプライベート空間を荒らすなんて、ストーカーの風上にも置けない──信じてあげられず、本当に申し訳ありませんでした。
私共がもっとしっかりとサトミさんから目を離さずにストーキング出来ていれば、こんな事にはならなかった……」

サトミ:「いえ……そんな」

ST:「今後『家の前の電柱』そして『サトミさんの室内がよく見える向かいのマンションの部屋』に、信頼出来るストーカーを増員いたします」

サトミ:「そこまでして……本当にすいません」

ST:「悪いストーカーがまだ部屋に潜んでいるかもしれません。ですので、こちらの『熊のぬいぐるみ』を各部屋に配置して頂けますか?」

サトミ:「あっ可愛い……これは?」

ST:「ご安心下さい──ぬいぐるみの中に、最新の小型高性能マイクを忍ばせております。
サトミさんの生活音を聞き漏らす事は、けっしてありません!」

サトミ:「【アドリブで一言 (受け取る or 受け取らない)】」

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