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【声劇】ヤンスの仁義〜ホットケーキ〜(3人用)

利用規約:https://note.com/actors_off/n/n759c2c3b1f08
男女不問=3
約5分~15分
上演の際は作者名とリンクの記載をお願いします。

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「似て非なるもの」をテーマに、普段はモブ役として登場する「ヤンス」が主人公になっている台本です。
「アニキ」を「アネキ」に変えて演じてくれても大丈夫です。
みんなで一緒に間違いを覚えていきましょう。
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【配役表】
ヤンス:男女不問。「いつかアニキみたいな立派な極道になるでヤンス(๑°ш°๑)」
アニキ:男女不問。 義理人情にあふれた極道。
ザンス:男女不問。 「いつかアニキみたいな立派な極道になるでザンス」
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ザンス:「アニキィ〜、アタシャお腹が減ったザンス」

アニキ:「もうすぐ事務所だ……帰ったら、出前でも呼ぶか」

ザンス:「うひょっ♪ それでごザンしたら、アタシャ『タコ焼き』が良ぉザンス♪」

アニキ:「好きなのを頼め…… (事務所の扉を開ける) 戻ったぞ」

ザンス:「今帰ったザンス♪」

ヤンス:「お二人共、お帰りなさいでヤンス♪」

アニキ:「ん?」

ザンス:「この甘い、そして香ばしい匂い……ヤンス、何か作ってるザンス?」

ヤンス:「ヤンス♪ 小腹が減ったから、フライパンでホットケーキを作ってるでヤンス♪」

ザンス:「うっひょ!? アタシャもお腹が減ってるってのに、ヤンス一人でズルいザンス!!」

ヤンス:「ヤンス♪ そう言うと思って、アニキとザンスの分も作ってるでヤンス♪」

ザンス:「うひょひょ!?」

ヤンス:「すぐ出来るから、もう少し待つでヤンス♪」

ザンス:「ヤンスぅ〜!! アンタ、最高ザンス! 最高ザンス!!」

ヤンス:「や、ヤンス!? あ、危ないでヤンス!! ガスコンロで火を使ってる時は近くで暴れちゃダメでヤンス!!!」

アニキ:「ザンス……ヤンスの言う通りだ。たくの方でゆっくり待とうじゃねぇか」

ザンス:「はいザンス♪」

ヤンス:「ふぅ〜……でヤンス」

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ヤンス:「お待たせしたでヤンス♪」

ザンス:「待っていたザンス♪ アタシャのお腹が、背中がくっ付く所だったザンス♪ アニキ、頂くザンス♪」

アニキ:「おぉ、そうだな……ん?」

ザンス:「うひょ?」

アニキ:「……ヤンス、こいつはなんだ?」

ヤンス:「気付いたでヤンスか♪」

ザンス:「気付いたも何も……ホットケーキの上に目玉焼きやらベーコンやらサラダやらが乗ってるザンス」

ヤンス:「へぇ♪ 先日、表通りを歩いていたでヤンス♪ そしたら若いヤツらの間で流行ってる『パンケーキ』のお店の前を通りやして、それ見て『これなら作れるヤンス♪』と思って、作ってみたでヤンス♪」

アニキ:「そう、か……」

ザンス:「うひょ〜……こんなのが流行ってるザンスね」

ヤンス:「ささっ! 遠慮しないで食べるでヤンス♪」

ザンス:「じゃ、じゃあ……頂くザンス (一口食べる) ──ぐっ」

アニキ:「あぁ (一口食べる) ──うっ」

ヤンス:「どうでヤンス? 一人暮らしが長いから、料理には自信があるヤンス──」

アニキ:「──馬鹿野郎っ!! (殴る)」

ヤンス:「めェプルしろっぶっ!!! あ、アニキ……どう、して……」

アニキ:「ホットケーキとパンケーキは、同じ派閥にいるが、別モンだ……」

ヤンス:「ヤンスっ!? だ、だって見た目は全く同じでヤンス」

アニキ:「パンケーキの『パン』は『食べ物のパン』と勘違いされがちだが……『フライパンや鍋』等の『パン』。
砂糖の甘さを抑え、塩を加えた食事系の料理だ」

ザンス:「ベーコン、玉子が乗ってるのに、甘過ぎて気持ち悪いザンス」

アニキ:「あぁ『ホットケーキ』は、そのパンケーキが明治時代に『薄餅(うすもち)』として日本に伝わり、昭和の初めに、甘いお菓子として『ホットケーキ』と名付けられた。
どちらも『フライパンや鍋、ホットプレート』で作られるから『パンケーキ』ではあるが……生地の作り方は微妙に異なる料理だ」

ヤンス:「や、ヤンスゥ……アッシ『ケーキ』と付いてるから、てっきり両方とも甘いのが下地にあると……」

アニキ:「ヤンス……俺ぁ〜常日頃からお前に言ってるだろ?
『何事も、思い込みで勝手に突っ走るんじゃねぇ』ってよ」

ヤンス:「──ヤンスっ!?」

ザンス:「ヤンスも一口、食べてみるザンス」

ヤンス:「ヤ、ヤンス…… (一口食べる) ギャンス!?
な、ななななんでヤンスか!! 甘過ぎでベーコンも塩辛くて、玉子がねっとりでっま、ママママズイでヤンス!!!?」

ザンス:「こんなの、食べれたモンじゃないザンス……」

ヤンス:「こんなの料理じゃないでヤンス!! す、捨てるでヤンス!! こんなの食べたらダメでヤンス──」

アニキ:「──馬鹿野郎っ!! (殴る)」

ヤンス:「ごんがっりキづネ色!!!!」

ザンス:「バダァ〜よりマーがリン!!!! ど、どうしてで、ザンス……」

アニキ:「味はどうあれ……俺達が腹を減らしているだろうと、ヤンスが愛情込めて作ってくれたモンだ。簡単に捨てるなんて言うもんじゃねぇ……」

ヤンス:「や、ヤンス!? あ、あぁアニキィィ!!!」

ザンス:「あぁ……確かにそうザンス。ヤンス、すまなかったザンス。
で、でも……どうしたら良いザンス?」

アニキ:「ふぅ〜……甘くしょっぺぇふわふわと、どっち付かずの若造ってのを一人前に育てあげるのが、俺の役目だ」

ヤンス:「ヤンス!?」

ザンス:「うひょ!? あ、アニキ……まさか……」

アニキ:「ヤンス、ザンス……もう少し待ってろ。美味いパンケーキってのを、食わせてやる……」

ヤンス・ザンス:「アァァァニキィィィ!!!!!」

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