見出し画像

【声劇】紫陽花の人魚(4人用)

利用規約:https://note.com/actors_off/n/n759c2c3b1f08

♂:♀=3:1
約40 分~50分

上演の際は作者名とリンクの記載をお願いします。

【声劇 紫陽花の人魚】

山の主=♂ 山の主。荘厳な雰囲気だが、おちゃめな一面もある。
少女=♀ 山に迷い込んだ少女。記憶をなくしている。
父親=♂ 少女の父親。 台詞が鬼少ないので山の主と兼ね役でも可
大人=♂ 村の大人。 台詞が鬼少ないので山の主と兼ね役でも可

※父親と大人は掛け合いがあるので、山の主との兼ね役はどちらか片方を推奨します。
※声劇台本ではありますが、元は舞台を想定して書かれた台本です。
舞台での上演を希望される方はましゅもんのTwitter「@msr_subarashii_」までご一報ください。

***

山の主:「ふざけるなぁあああ!私がこの山に産まれて数百年。今日も人間の来訪はなしか!昔は多くの人間がこの地に訪れ、そうして私の供物となってくれていたというのに。人間とはなんと汚い生き物なのだ!私はそれなりに麓の村に恵みを与えていたはず。それなのに、何故っ…………ん?」

少女:「…………」

山の主:「おやおや噂をすれば、ようやく人間様のお出ましか!ふん、今すぐに食らいついてやりたいところだが、この醜い姿であの人間の前に出てしまえば、私はきっと獲物を逃してしまうだろう。それに、目の前の獲物に飛びつくなど、久方ぶりの晩餐ばんさんも興がないというものだ!……さあ、人間どもの目を欺いてきたあの仮面を取って来よう。そして助けるをフリして、私の家に誘い込み、油断したところであの人間をっ……!ククク……フハハハハハ!!!」

***

少女:「ここは……」

山の主:「やあ、お嬢さん」

少女:「っ……!?」

山の主:「おっと、驚かせてしまったね。これはすまない」

少女:「仮面……。あなたは一体誰?」

山の主:「私はこの山に住む者だ。訳あって、仮面をつけて生活をしている。こんな時間に君のような可愛らしい少女が、こんな山の中にいるものだから、気になってしまってね。もしかして、迷子かい?」

少女:「迷子……そうね、私は迷子みたい」

山の主:「可哀そうに、こんなさびれた山に迷子だなんて。今から山を降りるのはやめた方がいい。この辺りでは夜になると恐ろしい化け物が現れるんだ」

少女:「化け物……?」

山の主:「あぁ、なんでも、その視界に入った人間を問答無用で食べてしまうのだとか」

少女:「そう……」

山の主:「……そうだ!近くに私の家があるから、今日はうちに泊まると良い。家の中であれば安全だし、朝になれば君を村まで案内してあげられる」

少女:「……いいの?」

山の主:「あぁ、もちろんさ」

少女:「…………」

山の主:「うちに案内しよう。……さぁ、こっちにおいで」

*** 

山の主:「……さあ、ここが家だ。入ってくれ」

少女:「ありがとう」

山の主:「さぁ、喉が渇いているだろう。水を用意してあげよう。……いやはや、私がこの近くに住んでいたから良かった。こんなところで迷って、さぞ疲れただろう。さぁ、水だ。飲むといい」

少女:「(水を飲む)」

山の主:「君は、麓の村の子かな?お父さんやお母さんはどうしたの?」

少女:「……分からない」

山の主:「おっと、随分喉が渇いていたみたいだね。それで……分からない?そんなはずはないだろう」

少女:「(水を飲む)でも、分からないの」

山の主:「もしかして、私が怖いのか?仮面をつけたこの私が……。だが、たった一晩の付き合いだ。こんな山に一人きりの私とおしゃべりくらいはしてくれないか?」

少女:「別に、貴方が怖いわけじゃないわ。ただ、本当に忘れてしまっただけ」

山の主:「ふむ、では、君の名前は?」

少女:「(水を飲む)名前……分からない」

山の主:「なら、君の歳は?」

少女:「それも、分からない」

山の主:「分からない……。そうか、分からないか」

少女:「…………」

山の主:「…………」

少女:「悪いけど、水を下さらない?喉が渇いてしまったわ」

山の主:「っ…………いい加減にしたまえ!」

(湯呑を割る)

山の主:「君はどうやら私をコケにしたいようだ!なんだ?村の人間に『山の化け物をからかってこい』とでも言われたか!」

少女:「…………」

山の主:「そうか、そのつもりであればもう結構だ!私の真の姿を見て、己の愚行を後悔するがいい!(仮面を取る)さぁ、恐れおののけ!後悔してももう遅い!お前も私の供物とな、るの……だ?」

(少女、山の主を素通りして水を注ぐ)

山の主:「……人間、何のつもりだ?」

少女:「だって、あなたが水をくれないから」

山の主:「私が怖くないのか?」

少女:「えぇ、怖くないわ。あなたが人でないことは初めから分かっていたもの」

山の主:「なッ……」

少女:「あら、仮面、付けたのね」

山の主:「……この仮面は私にとって重要な役を果たしている。お前などの目に触れられるほど、私の顔は綺麗な造形ではないのだ」

少女:「そう……」

山の主:「人間、何故お前は何も覚えていない?」

少女:「さぁ……分からないわ」

山の主:「……やはり、私をコケにしているとしか思えない。悪いが食わせてもらうぞ」

少女:「好きにしたら?私は嘘なんか吐いていないもの。私を食べたところでどう、せっ……食べた、ところで……私を……食べ…る……。嫌ぁッ!」

山の主:「ど、どうしたんだ!」

少女:「嫌っ……ダメ、来ないでっ……」

山の主:「にんげ……ハッ、そうだ。私は……」

少女:「こっちに……来ないで……ッ」

山の主:「そ、そうだ、その顔だ!そう、供物はこうでなければ!ハハハハ!」

少女:「嫌、嫌ぁッ!」

山の主:「もう逃げられはせんぞ!ハハハハ!ハハ、ハハハ……。はぁ」

少女:「っ……?」

山の主:「やめだ。お前の瞳は私を映していない。記憶の中の何かに怯え、私の姿など目にもくれなかった」

少女:「食べないの……?」

山の主:「お前がしっかりと私を見て、そうしてしっかりと私に恐怖を感じるようになったら、その時は、お前を喰ってやろうじゃないか。それまでは……お預けだ。……私はもう寝る!お前は好きにするがいい。だが、逃げようなどとは考えるなよ、お前が逃げようというのであれば、私はお前をどこまでも追いかけて、見るも無残に喰ってやるぞ!」

少女:「っ……私が寝ている間に、食べたりしない?」

山の主:「そんな回りくどいことをするくらいなら、もうとっくに食っている!」

少女:「そう……」

***

山の主:「ふむ、久方ぶりに村へ出てみたが、朝が早すぎたか。誰一人起きていないようだな」

山の主:「地面が乾燥している……それなのに咲き誇る紫陽花。全く、供物を寄越さないからこうなるのだ」

山の主:「さて、何か少女が記憶を取り戻すようなものは……。ふむ、少し村人に話を聞いてみるか。この姿を見られるのは辛いが、騒ぐようなら喰ってしまえばいい。手がかりを見つけて、早々に消えるとしよう」

山の主:「すまない、誰かいないか?」

山の主:「こんな時間に留守か……?すまない!急いでいるんだが!」

山の主:「くそ、ここも留守なのか。誰でもいい!誰かおらんのか!」

山の主:「おい、誰もおらんのか!」

(扉を開ける)

山の主:「うわぁ!な、なんなんだ、この家は!家の中に……紫陽花がッ!!……まさか、向こうの家にも……向こうの家にも……っ」

山の主:「っ……。よくよく考えてみれば、この村は初めからおかしかったじゃないか。山へ来なくなった村人、この季節に咲く紫陽花。干上がった地面!おかしいぞ、この村はおかしい!早く山へ帰らなければ……!」

***

山の主:「おい、人間!」

少女:「……どこへ行っていたの?」

山の主:「麓の村はどうしてしまったのだ!」

少女:「麓の村?麓の村がどうしたの?」

山の主:「人っ子一人いなかったし、干上がった地面に紫陽花が咲いていた!しかも、家の中にだ!」

少女:「紫陽花が……?紫陽花、私の好きな花」

山の主:「ついてこい、その光景を見れば、何かを思い出すかもしれない!」

少女:「あっ……」

***


山の主:「ここが、さっき話した不気味な紫陽花の村だ。どうだ、何か思い出さないか?」

少女:「そうね、私は間違いなくこの村に住んでいた」

山の主:「そうか。それで、他には?」

少女:「他には……分からないわ」

山の主:「そうか……では、少し見て回るとしよう」

山の主:「おい、ここに住んでいたんだろう、何か、何か思い出さな……うわぁ!」

少女:「大丈夫?」

山の主:「な、なんだここは!急に一段下がって……」

少女:「あっ……ここ……確か、池だった」

山の主:「池……?ふむ、確かに、これが大きなくぼみだとすると、昔は池だったと言ってもうなずけるな」

少女:「どうして、池が……それに、乾燥した土地で咲くこの紫陽花たちも……」

山の主:「何だこの汚い手ぬぐいは」

少女:「その手ぬぐいっ……そうよ、私はっ……けほっ」

山の主:「人間!!……っ、この鱗のような模様はまさか……いかん、早くこの子に水を与えなくては!」

***

少女:「…………ん」

山の主:「おぉ、起きたか。さぁ、とりあえず水を飲むといい。……もう、思い出したんじゃないか?あの村のこと、お前自身のこと」

少女:「…………」

山の主:「聞かせてくれないか。あの村への恵みは私が与えたものだ。せめて、自分の育てた村の顛末てんまつくらいは知っておきたい」

少女:「…………」

山の主:「…………」

少女:「……あれは、少し前のことだった」

***

少女M:「あの村の池には鱗が紫陽花の花びらでできた人魚達が住んでいた」

父親:「おーい、しさめ!今日も元気か!」

少女M:「毎朝、その池に声を掛ける男、手拭いを被った村人こそ、私の父親だった」

少女:「私は今日も元気よ。さっき水を飲んだからこの通り、人の姿で地上に出れるくらい元気」

父親:「くぅー!流石俺の娘。ほら、まだ顔が濡れてるぞ。この手ぬぐいで拭きなさい」

少女:「ん、ありがと」

父親:「お母さんやお友達は元気か?」

少女:「うん、皆お父さんに会いたがってたよ。後で水にでも入ってみる?」

父親:「はっはっは、困ったなァ。元気そうなら良かったけれど、流石に水の中には……。後でよろしく言っといてくれ」

少女:「ふふふ、分かったわ。手拭い、ありがとう」

父親:「あーあ、しさめは良いよなぁ。地上にも水中にも、しさめはどこへだっていける。お父さんも一度でいいから水の中をすいすいっと泳いでみたいもんだよ」

少女:「ふふ、お父さんは泳ぎ下手だもんね」

父親:「くぅ、こいつめぇ!」

少女:「ちょっともう、やめてよ!」

父親:「ははは!すまんすまん」

少女:「もう……ふふふっ」

少女M:「私は人魚の半妖だった。池には沢山の人魚の仲間が住んでいて、お母さんも同じ池に住んでいた。村の人たちは私達が妖怪であるにもかかわらず、決して私たちを嫌うことはせず、むしろ仲良く接してくれた。何もかもが幸せな毎日だった。……そう、あの日までは」

***

父親:「おい!しさめ、しさめ!」

少女:「どうしたの?そんなに慌てて……」

父親:「さっきまで滞在していた旅人が、とんでもないことを言って帰りやがった!なんでも、『人魚の肉を喰えば不老長寿になれる』って!村の大人たちは今、人魚を捕まえるために躍起やっきになっている!すぐに逃げないと、しさめも皆も喰われちまうぞ!」

少女:「そんな、でも、他の人魚達は私みたいに歩けないよ!」

父親:「きっと池に繋がる川は既にふさがれてしまっている……。しさめ、お父さんが何とかみんなを説得するよ!」

少女:「それだったら私もっ……」

父親:「ダメだッ!きっとしさめがいれば皆話を聞いちゃくれない。しさめ、お前は逃げるんだ!」

少女:「でも……」

父親:「でもじゃない!」

少女:「っ……」

父親:「上流に逃げるんだ!みんなを説得したら、お父さんが迎えに行くから!だから、だからそれまでは村に降りるんじゃないぞ!」

少女:「っ……お父さん、皆をお願いっ!」

父親:「あぁ、後で必ず迎えに行く!」

***

少女M:「その後、何日経ってもお父さんは迎えに来てくれなかった。私はお父さんや池の皆のことがどうしても気になって、村へ降りてみることにした。……私がそこで見たものは……」

少女:「きゃああああぁああああっ!!!!」

大人:「あぁ、しさめ。探していたよ。君のお父さんがあまりにもしさめの居場所を教えてくれないものだから、少しお仕置きをしていたんだ」

少女:「お、父……さ、ん」

父親:「し……しさ、めっ……に、げ……ろ」

大人:「さぁ、こっちにおいで。みんな待っているよ。君のお友達も、君のお母さんも」

少女:「嫌っ……」

大人:「大丈夫。後は君だけだ」

父親:「し、さ……めっ……」

少女:「来ないで……っ」

大人:「さぁ、ほら!!!」

父親:「しさめぇぇぇ!!!」

大人:「邪魔をするなッ!」

少女:「お父さん!」

父親:「し……さ、めぇっ……!」

大人:「しつこい奴だ!」

少女:「お父さん……っ」

大人:「ふぅ……ようやく大人しくなったか。……さぁ、行くぞ!」

少女:「お父さん……」

父親:「…………」

大人:「さぁほら!こっちに来るんだ!」

少女:「嫌…………」

大人:「逆らっても無駄だ!さぁ、来い!」

少女:「嫌……」

大人:「さぁ!!!」

少女:「もう、もうやめてっ!!!」

大人:「なッ、なんだ!!!」

少女:「皆を傷つけた大人たちなんて!皆みんな呪われてしまえ!!!」

大人:「うわぁああああああ!!」

(間)

少女:「はぁ、はぁ……。っ、私、いったい何を。……そんな、お父さ……私、私っ……嫌ぁぁああああ!」

(間)

少女:「……喉、乾いたな。水、水を探さなくちゃ……」

***

少女:「私の名前は、しさめ。紫の雨で、しさめ。私は紫陽花の人魚。沢山の人を紫陽花の花に変えた、罪業深ざいごうぶか咎人とがびと

山の主:「やはり、お前は人間ではなかったか。あまりにも人の匂いがするのですっかり騙された」

少女:「私、酷いことをした。村の皆を……お父さんさえも、私は紫陽花に変えてしまった」

山の主:「もう、何も言うな」

少女:「私はその罪を、この命で償わなくちゃいけない」

山の主:「しさめ」

少女:「だってそうでしょう?私は皆を殺して、大好きなお父さんさえもっ……けほっけほっ……」

山の主:「しさめ!!!」

少女:「っ……」

山の主:「ここにある水だけではもはや足りないみたいだな……しさめ、近くに川の源流がある」

少女:「嫌、行きたくないわ……」

山の主:「…………」

(山の主、少女を抱える)

少女:「きゃっ!やだ、降ろして!死なせてっ!」

山の主:「うるさい、お前の御託ごたくはいらん。大人しくしていろ。絶対に死なせはしないぞ」

***

山の主:「さて、ここが源流だ。この川をずっと西に降れば、他の人魚たちと合流できるはずだぞ」

少女:「ねぇ、どうしてここまでしてくれるの?私を食べないのなら、あなたがここまでする義理はないはずよ」

山の主:「っ……ただの気まぐれだ」

少女:「気まぐれで助けるくらいなら、いっそ私のことを食べてよ。私が呪いをかけなければ紫陽花になんてならないから。…………もう、生きていたくないの。沢山の人の命を奪って、お父さんまで巻き込んでしまった。私が死ぬ理由には十分でしょ?」

山の主:「しさめ、お前はあの村の人間が犯した罪に裁きを与えただけだ。仲間の為に、母親のために、お前が裁きを与えなければならなかった」

少女:「じゃあ、お父さんは?私、お父さんすらも紫陽花に変えてしまっているのよ!」

山の主:「しさめ。いいか、お前がかけた呪いには、代償がつきものなんだ。村中に掛けた呪いだ、お前自身がその呪いにかかっていたとしてもおかしくはなかった」

少女:「……どういうこと?」

山の主:「父親が肩代わりをしたんだよ。お前がかけた呪いの代償を、お前を守りたい一心で」

少女:「っ……」

山の主:「お前は父親を殺したんじゃない。父親が、お前を……しさめを守ったんだ。そんな大切な命を、私が奪えるわけないだろう」

少女:「お父さん……そんな……」

山の主:「しさめ……」

少女:「私ね、もうすぐ死んじゃうの。村の皆を紫陽花にしてしまったことで妖力がもう残ってない。それに、長い間水にも浸かっていなかったわ。だから最後はあなたに食べて貰いたかった」

山の主:「そんな、助かる方法は!」

少女:「ないわ。現に、こうして水に浸かっていても、苦しさは消えないもの……。私、お父さんに申し訳ないことしちゃうのね……せっかく守ってもらったのに、結局…………」

山の主:「……ダメだ、そんなこと、私が許さな……っ」

少女:「ねぇ、最後に、もう一度だけ仮面を取って貴方の顔を見せて」

山の主:「なっ……」

少女:「私ね、貴方の顔が好きよ。だから……ね」

山の主:「………」

少女:「あぁ、やっぱり。ふふ、貴方の顔はとっても優しい。どうか、隠さないで」

山の主:「しさめ……」

少女:「私が死んだら呪いは解けるわ。そうしたらきっと雨が降って……。その時は、その紫陽花を見てあげて。呪いが解けてももう人には戻らないけど、きっと雨に映えるんじゃないかしら」

山の主:「あぁ、必ず見届けよう。お前の生きた証……必ず」

少女:「ありがとう……あなたと出会えて、私……」

山の主:「……あぁ、しさめ……私も同じ気持ちだ……」

***

山の主M:「しさめが息絶えた後、彼女の体は紫陽花の花弁となって川へと還って行った。気が付くと辺りは薄く明るみ始めていて、私はその足で、しさめとの約束を守る為に、麓のあの村へ向かった。夜明け、空が紫色に染まる紫霄ししょうの時。薄くかかった雲から静かに雨が降り注いだ」

山の主:「あぁ、しさめ。お前の命と共に、紫陽花たちはみんな枯れていったようだよ。しかし……やはり人間とはかくも強欲で汚いものだ。見ろ、この紫陽花たちはその命が枯れてもなお、この世に必死にしがみついている。しさめ……お前が望んだ景色は、本当にこんなものだったのだろうか……。あぁ、それにしても、やけに頬を濡らす雨だな。しさめ……。」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?