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【声劇】ぱんつ泥棒協会 1st(6人用)

利用規約:https://note.com/actors_off/n/n759c2c3b1f08
♂:♀=2:4
約50分~70分
上演の際は作者名とリンクの記載をお願いします。

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「パンツ泥棒」を生業としている影の組織の日常を描いた声劇。
兼任兼任で6人として配役をまとめております。登場人物表で兼任をご確認ください。

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【登場人物】

♂オシメ所長:ぱんつ泥棒協会、関東支部の所長。
うだつの上がらない頼りない。
♀リカ:パンツが三度の飯より大好きな女の子。口癖は「パンツ」
♀ミキ:パンツ泥棒に憧れる女の子。「ぱんつ」と言いたくない方にお勧め。
♀エリト:パンツ泥棒のエリート。リカとミキにミッションを与え、育てる。
♀ノン:(ショタ・ロリボ推奨) エリトが連れてきた指導員……
♂ファスト:下着泥棒アソシエーションの代表。 最後のボス的存在。
♀ナチ:(ノンと兼任)下着泥棒アソシエーション代表の補佐。
♀スワロー:(エリトと兼任)次回作を匂わせる別組織のボス的なアレ。たぶんシルエット。
♂モブA:(ファストと兼任)
♂モブB:(オシメ所長と兼任)
♀モブC:(ノンと兼任)

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【パンツ泥棒協会 一枚目】

オシメ所長:「──えぇ〜では、これから次のターゲットに関する会議を始める……訳なんですけれども──」

(扉が開く)

エリト:「失礼致します」

ミキ:「しょ、所長……その人は?」

オシメ所長:「あぁ、このかたは──」

エリト:「──本部より、あなた達の教育指導の為に派遣されました『エリト ミチ』と申します。
あなた達のデータは、全て私のパンツに入っております、が──ふぅ〜……ハッキリ言って、ゴミ以下ですね」

リカ:「──なっ!? いきなり入って来て失礼じゃないか!!」

オシメ所長:「ゴホンッ! い、いやぁ〜リカ君、このエリトさんは、情報収集から情報処理、そして実務においても、多大な実績を挙げており、それで本部のほうでも──」

エリト:「──そんな紹介に何の意味もありません。私は現状においての事実を申し上げているだけです」

リカ:「事実? リカの実績を見ても、そんな事を言えr──」

エリト:「──ハヤカワ リカ。
昨年、この『パンツ泥棒協会』に100枚のパンツを手土産に入会。翌月からも、最低10枚ずつの入会パンツを提出し続け、現在累計で248枚のパンツを協会に収めている」

リカ:「──なっ!?」

エリト:「ササオカ ミキ──半年前、ドン・キホーテで購入した300枚のパンツを『盗んだパンツ』と偽装し『パンツ泥棒協会』に入会。
しかしその事実は、未だに協会にはバレておらず、そこからさらに37枚買い足している」

ミキ:「う、嘘……どうしてその事を……」

リカ:「ミ、ミキ……お前……」

エリト:「言ったでしょう? あなた達のデータは全て、私のパンツの中に入っていると……」

リカ:「だ、だからなんだって言うんだ!! 本部だかエリートだかパンツだか知らないけど、パンツ泥棒はデータの中でやるもんじゃな──っ」

(エリトがパンツをばら撒く)

ミキ:「えっ? そ、そのクマちゃん──」

オシメ所長:「ほぉ〜、これはまた可愛らしいクマちゃん柄のパンツですねぇ?
そして、こちらはなんとまたセクシーピンクな……ふむふむ、これは──ぬぁっは!?」

ミキ:「み、見ないでくださぁ〜い!!」

エリト:「えぇ、そうです。
ハヤカワ リカ、ササオカ ミキ……さらには、この関東支部にいる全てのパンツ泥棒協会の──出来損ない会員達のパンツ……
まぁひとつ、おむつが混ざってはいますがね」

オシメ所長:「いやはや、お恥ずかしぃ///」

リカ:「──いつのまに!?」

エリト:「『いつのまに』?
今この瞬間まで、自分のパンツが盗まれている事にも気付かない人に説明しても、それこそ時間の無駄ではありませんか?」

リカ:「ぐっ……」

エリト:「ふぅ〜……まぁ良いです。それらの事を含め、指導していくのが私の役目です」

ミキ:「そ、それで……その……『エリト ミチ』さんは──」

エリト:「『エリト』で結構です」

ミキ:「あっはい……そのエリトさんは、私達に何を教えて下さるのです……か?」

エリト:「教える? 何をまた甘えた事を……
あなた達は何ですか? はい、リカさん!!」

リカ:「ふぇっ!? え〜……パン、ツ?」

エリト:「──そう!! パンツ泥棒です!!
それでは『泥棒』とは何ですか? ミキさん!!」

ミキ:「は、はいっ!? そ、その……い、いけない事です!!」

エリト:「ちがいます。
(ため息) よろしいですか? 泥棒とは『自分の欲望に忠実である事』です。
欲望を人に教える事は可能なのか……答えは『いな』! みずからの手で満たしていくモノ!! それが『パンツ泥棒』なのです!
ですから──あなた達に、ミッションを与えます──イナダ!!」

モブB:(イナダ)「(扉が開く) あ、何? ……あぁ、資料か……チッ」

エリト:「みんなに配ってください」

モブB:(イナダ)「はいはい……
めんどくせぇ〜なぁ〜 (入って来る)。
ミキちゃん……はい」

ミキ:「あ、ありがとう」

モブB:(イナダ)「あとは……あぁ〜めんどくせぇ!! 自分で取りに来いよぉ〜……ったく(資料を配る) あいよっ!! はぁ〜あ!! (出て行く)」

エリト:「ミッションのターゲットは『ヒガ イシヤ』」

オシメ所長:「ほほぉ〜、これはまた、超イケメン君ですねぇ〜!」

ミキ:「ターゲットプロフィール……『内科医』『イケボ』」

リカ:「『リカの旦那』……」

ミキ:「それは書いてないよ?」

エリト:「彼のパンツを、手に入れて来て貰います」

リカ:「はっはっはぁ〜楽勝じゃ〜ん! 何枚盗んで来れば良いのさ♪︎ 何枚でも盗んで来てあげr──」

エリト:「──1枚」

ミキ:「えっ!? 1枚……たったの?」

リカ:「バ、バカにするなっ!! こんなイケメン医者ごときのパンツを1枚だけなんて──」

エリト:「──いいえ、1枚です。それ以上持って帰って来ると……あなた達に、パンツ泥棒協会からクビを言い渡します」

オシメ所長:「エ、エリトさん……それはあまりにも──」

エリト:「──いえっ! これは決定事項です」

ミキ:「1枚……」

リカ:「ぐぬぬぬぅ〜……クビだなんて──き、汚いぞ!」

オシメ所長:「おっ♪︎『パンツなだけに』ですか♪︎」

ミキ:「おむつ、黙れ……」

オシメ所長:「むぐっ!?」

エリト:「それでは、ミッションの概要がいようを説明します。
ちなみに、私はそのミッションには参加しません」

リカ:「参加しない!? あんたがパンツの盗み方を教えると言っていたんじゃn──」

エリト:「──その代わりに!!
私の部下を同行させます」

モブB:(イナダ)「(扉が開く) 俺?」

エリト:「違います……寝てなさい」

モブB:(イナダ)「チッ…… (扉が閉まる)」

ノン:「はぁ〜い♪︎ ノンですぅ〜♪︎」

ミキ:「──いつの間に!?
えっとね……ここは子供が入って来ちゃ行けないんだよ?」

ノン:「子供じゃないですぅ〜、ノンですぅ♪︎」

エリト:「彼があなた達のミッションの手伝いをしてくれる『ノン──君』です」

リカ:「こんな子供が!?」

ノン:「子供じゃないですっ! ノンですぅ〜!!」

エリト:「後はまかせましたよ」

ノン:「パァンツ (訳:は〜い)♪︎
さて……ミッションの概要がいようを説明しますよぉ〜♪︎ ノンは少し厳しいですよぉ〜♪︎」


エリト:「はい……必ず守り抜いてみせます……
もう、昔の私じゃありませんから」


【次回予告】

ミキ:「次回予告──
突如現れたエリート教官『エリト ミチ』。
私とリカに与えられたミッションは……一枚だけ持って帰ってくる!?
ピンチを救ってくれた謎の人物の正体は──
次回『不完全燃焼』! お楽しみに!!
……あっ、関東支部 実行部のササオカミキでした (汗


【パンツ泥棒協会 二枚目】

リカ:「PM2000ピーエム二ーマルマルマル、ターゲットの『ヒガ』が仕事を終えて帰宅。
そこから洗濯をし始めて──」

ミキ:「PM2100ピーエム二ーイチマルマル、ベランダにて靴下から洗濯物を干す」

ノン:「はい♪ 洗濯物を干し終わって10分後が、人間がもっとも油断するタイミングと言われています♪
その時間に、ターゲットである『ヒガさん』は、翌日の出勤の為にベッドに潜り込みます♪
その瞬間を狙って、素早くベランダに乗り込んで、パンツを盗って逃げて来てください♪」

リカ:「へへっ楽勝! こんなミッション、白いパンツちゅうのリボン (訳:基本中の基本) でしょ♪」

ミキ:「う、うん……」

リカ:「んぁ? ミキ、どうしたの?」

ミキ:「いや? ……あぁ」

ノン:「ふふふっ♪︎ ミキさんにとっては、これが初めてのパンツ泥棒になりますからね♪︎」

リカ:「あ、そっか……」

ミキ:「で、でも……これで私もちゃんとした会員になれるんだって──だ、だから頑張る!!」

ノン:「ふふっその意気です♪︎ 一緒に頑張りましょう♪︎
──さて、そろそろ時間ですよぉ♪︎ノンは逃走用の車で待機してますので♪」

リカ:「うん! ミキっ行こう!!」

ミキ:「う、うんっ!!」

(走り出す)


リカ:「リカはこっちを見張るから、ミキは位置に付いて──」

ミキ:「わ、分かった!」

リカ:「カウントダウン……5……4……」

ミキ:「3……」

リカ:「2……」

ミキ:「1……」

リカ:「パンツ (訳:Go) !!」

ミキ:「タッ……ササッ──目標位置に到ちゃ……えっ!?」

リカ:「(声を潜めて) ミキ……どうしたの?」

ミキ:「な、無いの……」

リカ:「何が!?」

ミキ:「無いの!! パン──」

モブB:(ヒガ)「── (窓が開く) 明日は昼出勤! 気分っ最っ高ぉぉぉぉ〜!!! ──おっ?」

ミキ:「──あっ」

モブB:(ヒガ)「えっと……君、ここで何を──あ、あれ? お、俺のパンツが……無い」

ミキ:「い、いや……そ、その……ですね……」

モブB:(ヒガ)「──まさか……どっ!? ど、どどどどど──」

リカ:「──バレたっ!? ミキっ逃げるよっ!!」

ミキ:「お、お邪魔しましたぁぁ!!」

モブB:(ヒガ)「──ドロボォォォォォオオ!!!!!」

リカ:「ミキっ早く! 追いかけて来る!!」

ミキ:「リ、リカ、待って! はぁ……はぁ……」

モブB:(ヒガ)「待てぇ〜!! パンツ泥棒と、俺のパンツゥ〜!!!」

(茂みから声が聞こえる)

モブA:(マトバ)「こっちだよ♪!!」

ミキ:「えっ!?」

モブA:(マトバ)「早くっ♪!!」

ミキ:「はいっ!! リカも早く」

リカ:「パンツゥうぁ〜!!」

(隠れる)

モブB:(ヒガ)「ど、どこに行った!?」

リカ:「実物もイケメン/// さすがリカの旦那……」

ミキ:「シー!! 静かにして……」

モブB:(ヒガ)「ぬぁぁあっくそぉ〜! 俺のパンツ……明日からどうしたら良いんだよぉ〜!!」(遠ざかって行く)

モブA:(マトバ)「……ふぅ〜っ、行ったみたいだね♪
君達、大丈夫かい♪?」

ミキ:「は、はい……」

リカ:「ありが、とう……」

モブA:(マトバ)「どうしてあんな無茶をしたんだい♪?」

リカ:「いきなり出て来るなんて! 聞いてない!!」

ミキ:「も、もう少しで捕まる所でした……恐かった……(TT)」

モブA:(マトバ)「(ため息) 明日は、ヒガは1ヶ月に1度の昼出勤の日だ♪
だから、これから夜更かしをして、夜中の3時までゲームをする♪ 寝るのは明け方の4時……昼出勤の前日だけは、いつもと違うスケジュールを組んでいるんだよ♪
下着泥棒をする時は、しっかりと調査をしてから実行するべきだね♪」

ミキ:「は、はい……。あの……あなたは?」

モブA:(マトバ)「あぁ〜僕は『マトバ』、『下着泥棒アソシエーション』のエージェントだ♪」

(同時に)

ミキ:「下着泥棒アソシエーション!?」

リカ:「下着泥棒サソリエンジョイ!? ……って何?」

ミキ:「くっ……まさか敵組織に助けられるなんて──」

モブA:(マトバ)「敵? まさか君達、パンツ泥棒協会の──」

リカ:「くっ」

モブA:(マトバ)「あっはっはっはっ♪ そうだったのか♪︎ あぁ〜あ、それは残念だ♪」

ミキ:「残、念?」

モブA:(マトバ)「あぁ♪
結構良い動きしていたから、ウチにスカウトしようと思って助けたんだけど、もう他に所属していたとはね♪︎」

ミキ:「そ、それだけ……? あなたの──えっと、マトバさんのライバルを助けたっていうのに」

モブA:(マトバ)「ライバル? 君達が? あっはっはっはっ♪
調査もまともに出来てない君達を『ライバル』と呼ぶには──10年は早いかな♪︎」

リカ:「ぐっ!?」

ミキ:「何も言えない……」

モブA:(マトバ)「次からは気を付けるんだよ♪
はいっこれ♪お近付きの印に」

リカ:「──これは?」

モブA:(マトバ)「君達のターゲット──『ヒガ イシヤ』のパンツだ♪ たくさん盗んだから、君達に1枚プレゼントするよ♪︎」

リカ:「──なっ!? い、いらない!!」

モブA:(マトバ)「えっ、どうして♪?」

ミキ:「貰ってしまったら……泥棒じゃないですから……」

モブA:(マトバ)「あぁ〜そっか♪︎ それはお兄さんウッカリ♪︎
ん〜でも──はい、あげる♪」

リカ:「そんなの! いらな──」

モブA:(マトバ)「──今日の悔しさをっ♪! 忘れない為に……君達はきっと強くなる♪ だから──」

リカ:「くっ……」

モブA:(マトバ)「それじゃあ僕は行くよ♪︎ また何処かで会おう♪︎」(姿を消す)

ミキ:「あっ……あぁ〜……」


ノン:「どこに行ってたんですかぁ〜♪!! ノン、心配しましたよぉ♪!!」

リカ:「う、うん……」

ミキ:「……」

ノン:「あ、あれ……リカさん? ミキさん?」

ミキ:「ノン君……帰ろ」

ノン:「えっ? あ、はい……では車を出します……?」


オシメ所長:「おっ帰って来ましたねぇ♪ おかえりなさ──」

リカ:「──うるさい!!」

ミキ:「埋めますよ?」

オシメ所長:「えぇ〜……」

ノン:「所長さん……今はダメです」

リカ:「まさか敵に情けをかけられるなんて……くそっ!!」

ミキ:「情けない……」

(扉からエリトが入って来る)

エリト:「えぇ、情けないですね。
しかしそれが、あなた達の今の実力です」

ミキ:「エリ、トさん……」

エリト:「──ですがっ! ミッションは成功です。おめでとうございます (拍手)」

リカ:「い、いやっこれは──リカ達が盗んだんじゃなくて……」

エリト:「私はあなた達に『手に入れる』というミッションを与えました。
形はどうであれ、あなた達はパンツを手に入れて、帰って来た……
お疑いなら、過去の私の台詞を確認してみてください」

リカ:「そんな……」

オシメ所長:「ん〜っと……どれどれ……」

エリト:「『彼のパンツを、手に入れて来て貰います』」

オシメ所長:「ほぉ〜♪ だっはぁ〜本当ですね♪『盗んで来い』とは一言も言ってません♪」

ミキ:「え……まさかエリトさんは、ここまでを見越して──?」

エリト:「はて……それはどうでしょうね?
──さて、落ち込んでる場合ではありません! 次のミッションを与えます!!」


エリト:「凄い勢いで成長してますね……
私ももっと、あなたの元で働きたかった──」


【次回予告】

ノン:「次回予告──
ノンですぅ〜♪
ヒガさんのパンツ、無事ゲット出来て良かったですね♪
さてっ次のターゲットは『おかまさん』♪ ──あっ危ない!? ミキさんっ早く逃げてください♪!!
次回『策略の影』♪
みんなも一緒にパンツをゲットですぅ〜♪」


【パンツ泥棒協会 三枚目】

モブA:(ボデリア)「アチシのおパンツを盗むなんてぇ〜、アンタッ良いセンス持ってるじゃなぁ〜い♡
アチシから、ご褒美あげちゃう♡ んん〜〜〜マッ♡」

ミキ:「い、いや……け、けけ──結構でぇぇぇえす!!!」(逃げ出す)

モブA:(ボデリア)「ちょっちょっとぉ──待ちなさいよぉ〜♡!! アチシのガーターベルトもっ、持って行きなさぁぁ〜い♡!! (追い掛ける)」

ミキ:「い、いらないっ!! いらないですってぇ〜!! た、た、助けてくださぁ〜い!!!」


エリト:「次のターゲットはこの人です──イナダ、資料を!」

モブB:(イナダ)「はいはい……ミキちゃん、はい (資料を手渡す)」

ミキ:「ありがとう──『ボデリア』?」

モブB:(イナダ)「あいよっ (資料を投げ渡す)」

リカ:「っとと……ん、またハーフなイケメン……リカの4人目の旦那決定」

ミキ:「何人と結婚するつもりなの?」

リカ:「えっと、ターゲットプロフィールは『イケボ』『ハーフ』……『オカボデ』?」

ミキ:「何それ?」

オシメ所長:「『丘の様なボディ』って事じゃないですかねぇ?」

リカ:「そろそろマジで潰すぞ?」

オシメ所長:「リ、リカさんの事を言っているわけじゃ無くってぇ〜!」

エリト:「ミッションは、パンツだけを盗み出す事」

リカ:「今度は隠している事はないでしょうね?」

ミキ:「前回は『月1昼出勤』っていう、一番重要な部分が隠されていましたからね……」

エリト:「何度も言わせないでください。あれは、あなた達が見逃していただけです。
ほら、前回の資料にもちゃんと書いてあるでしょう?
『内科医』『イケボ』『月1昼出勤』と……」

ミキ:「確かに……でも私達が見た時は──」

オシメ所長:「──ハイハイハイ!! そんな水掛け論をしていても、ラチが明きませんよ」

ノン:「はい〜♪︎ ボデリアさんからパンツを盗んで来ましよぉ〜♪︎」


(ターゲット家付近)

リカ:「ターゲットのボデリアは、朝に洗濯物を干す」

ミキ:「そこから仕事に出かけるから、家に帰宅するPM1900ピーエムイチキュウマルマルまで──」

ノン:「完全にフリーですぅ♪︎」

リカ:「ん〜……楽勝に思うミッションだけど……」

ミキ:「前回の事があるからねぇ〜」

リカ:「んあぁぁあっもう!! 考えてても仕方ないっ!! 行くよっミキ!!」

ミキ:「う、うんっ!!」

ノン:「では、ノンは逃走用の車で待機してますぅ♪︎ いってらっしゃい♪︎」


(リカが踏み台になって、ミキが飛ぶ)

ミキ:「……リカ、準備OKだよ」

リカ:「じゃ〜お願いっ」

ミキ:「行くよっ! (走り出す) ──せ〜」

ミキ・リカ:「──のっ!!」(ミキがジャンプ)

ミキ:「──着地! じゃあ盗む──よ?」

リカ:「また何かあった?」

ミキ:「いや……部屋はココ、だよね?」

リカ:「え? 203号室……うん、そこで間違いないはずだよ。どうしたの?」

ミキ:「ターゲットプロフィールの写真では男性だったのに、女性モノのパン──」

(窓が開く)

モブA:(ボデリア)「──あっらぁ〜♡ ホントに来た♡」

ミキ:「ふぇっ!?」

モブA:(ボデリア)「アチシのおパンツを盗むなんてぇ〜、アンタッ良いセンス持ってるじゃなぁ〜い♡
アチシから、ご褒美あげちゃう♡ んん〜〜〜マッ♡」

ミキ:「い、いや……け、けけ──結構でぇぇぇぇす!!!」(逃げ出す)

モブA:(ボデリア)「ちょっちょっとぉ──待ちなさいよぉ〜♡!! アチシのガーターベルトもっ、持って行きなさぁぁ〜い♡!! (追い掛ける)」

ミキ:「い、いらないっ!! いらないですってぇ〜!! た、た、助けてくださぁ〜い!!」

モブA:(ボデリア)「──とっ♡ ここからが冒頭ぼうとうの続きネ♡ 待ちかねたわよぉ〜♡!!
待、ち、な、さぁぁ〜い♡!!」

ミキ:「いやぁぁぁぁあ!!!!」

リカ:「ミキっ早く逃げて!!」

モブA:(ボデリア)「絶対♡ 絶対♡ ぜったぁぁぁい逃がさないわよぉぉぉ〜♡
【野太い男声】待てやゴルァァァん!!!」

ノン:「あっ!? タビデ風なファッションでヨサコイ踊ってるイケメンがいますぅ〜♪」

モブA:(ボデリア)「──ぬぇっ何それっ♡!? そ、そそそそれってつまりっ! んもぉ〜スッポンポンポンポンじゃなぁ〜い♡!!!!
どこっどこどこっどこにいるの♡!!」

リカ:「ミキっ!! 今の内に!!」

ミキ:「うん!!」

モブA:(ボデリア)「──あっ!? いない! どっちもいない!!?
ん〜〜〜もぉ♡!! 逃げられちゃったじゃない♡!! 最っ低! アチシ悔じぃぃ〜♡!!」

ミキ:「はぁ……はぁ……ノ、ノン君……ありがとう……はぁ……はぁ……」

ノン:「いえ♪︎ それで、パンツは盗めましたか?」

ミキ:「うんっ♪」

ノン:「ミッション成功ですねっ♪︎ それんじゃ〜、帰りましょう♪︎」


オシメ所長:「お疲れ様です♪︎ 今回も無事で、良かった良かったぁ〜♪
いやはや、まさか『おかま』の『ボデリア』で『オカボデ』だったとはねぇ〜」

ミキ:「……でも──」

リカ:「ん? ミキ、どうしたの?」

ミキ:「私が見つかった時……『ホントに来た』って……」

オシメ所長:「『ホントに来た』? ほぉ〜、盗みに入る事を知っていた様な口振りですねぇ?」

リカ:「どうして盗みに行く事を知っていたんだろ……」

ミキ:「うん……情報では、間違いなく家にいないはずなのに……」

オシメ所長:「ん〜聞き間違いじゃ〜ないんですか?
えっと……その『香港ほんこんに行きたい』とか──」

ミキ:「──情報がリークされている──」

リカ:「何の為に?」

オシメ所長:「おっと? 私の事は完全にスルーですか?」

リカ:「前回の『消されたプロフィール情報』……そして今回の『情報のリーク』……」

ミキ:「偶然、なのかな?」


エリト:「奴は、着実に私達に近付いて来ています。
もうあの時の様な事には……させない!!」


【次回予告】

モブA:(マトバ)「次回予告──
下着泥棒アソシエーション、人事部のマトバだ♪
僕の思った通り、あの子達はどんどん成長しているね♪
くぁ~♪ あの時、無理矢理にでも勧誘しておけば良かったなぁ〜♪ あぁ〜あ、悔しい♪
──えっ!? あの子達、本部に来るのかい♪? 再び勧誘のチャンスだね♪
次回「潜入と罠」。……潜入!? 訪問じゃないのか……残念だ♪」


【パンツ泥棒協会 四枚目】

リカ:「(のびをする) ん〜〜あぁ〜! 久しぶりの休日ぅ〜!!」

ミキ:「最近ずっと、盗みっぱなしの逃げっぱなしだったからねぇ〜。
あっ、そういえばリカって、お休みの日はいつも何をして──」

リカ:「──パンツを盗んだり、パンツを眺めたり♪」

ミキ:「食い気味で答えるんだ……」

リカ:「──パンツを食べたり♪」

ミキ:「本当に食い気味っ!?」

リカ:「ミキは、何味のパンツが好きなの?」

ミキ:「なんで食べる前提なの!?」

リカ:「だってパンツって、色とか形によって色んな味があって──」

ミキ:「──あっ!? か、隠れて!!」

リカ:「えっ、カフェラテ味のパンツっ!?」

ミキ:「シーッ! ほらっ、あそこにイナダさんが……」

リカ:「え? あっホントだ。
どうしてこんな所に……あ、ビルの前で立ち止まった」

ミキ:「どうしてあんなビルに……」

リカ:「あっ、入って行く……ね」

ミキ:「う、うん──後をつけてみよ」

リカ:「ふぇっ……なんで?」

ミキ:「『ヒガ イシヤ』の時と『ボデリア』の時の事もあるし、怪しさしかないでしょ」

リカ:「あぁ〜確かに……
でも今日は、ミキを美味しいパンツのお店に案内しようと──」

ミキ:「──行くよ!!」

リカ:「え! ちょっちょっと待ってよぉ!!」


(暗い廊下を進む)

リカ:「く、暗いよ……リカ、こんな感じ苦手なんだけど……」

ミキ:「わ、私もだよ……絶対になんか、出るじゃん……」

リカ:「で、出る!? 出るって……何が……?」

ミキ:「い、言いたくない……ホントに出たら嫌だもn── (水滴が首元に) ぴゃっ!!?」

リカ:「パンツゥ〜うわぁ〜!! な、なななにっ!? 何っ何っ!!? 何色のパンツ!?」

ミキ:「ご、ごめん……水滴が」

リカ:「はぁ〜驚かせないでよぉ〜……パンツのオバケだと思った……」

ミキ:「何そのオバケ……ホントに恐いんだけど……」

リカ:「あっミキ、あっちの方から明かりが── (走り出す)
ふぅ〜やっと明かるい所に──」

ミキ:「シッ……誰か、いる……」

モブA:「え〜っとぉ、次はコンペ用のシナリオを書いて、そのチェックをしてから……
あっ頼まれてた音源も録音しないと──あぁ〜マイク壊れてたんだ! 時間が空いた時に買いに行かないと……いつ空くかなぁ〜?
その時に冷凍庫で冷やしてたパンツを食べて……明日に食べる用のブラを冷やしておいて──そこから2日間は、食べている余裕なんて無いから、その間に提出用の朗読台本を書くとして…… (フェードアウト)」

ミキ:「……な、なんか、凄い事を言ってる人が通った?」

リカ:「パンツを凍らす……か。うん、今度やってみよ……」

ミキ:「リカ……ヨダレ……」

リカ:「あっ (ジュルリ) ごめん──よし、行こ!」(走り出す)

ミキ:「待って──」

リカ:「ぁう?」

モブC:「あぁ〜昨日の推しの配信……続きが気になるぅ〜! いきなり先輩に『男性用ブラの会』呼び出されるんだもんなぁ〜……
焼酎のイチゴのパンツ割なんか飲んでないで、大人しく帰れば良かったぁ〜! 授業中も先生厳しいから、アーカイブなんて聴けないし……ん?
──っ!? そこにいるのは誰っ!?」

リカ:「っ!? バレた!!」

ミキ:「リカっ逃げるよっ」(走り出す)

モブC:「逃げた!? だ、誰か!! 早く捕まえてっ!!」

モブA:(マトバ)「あっ君達♪ こんなところで何を──」

リカ:「──前からも!?」

ミキ:「挟まれた!?」

リカ:「どうしようっどうしよう! どうしよう!! ──あっミキ! こっちに扉が──」

モブA:(マトバ)「あっ!? ちょっちょっと待つんだ♪! そ、そっちは──」

(扉に飛び込む)


(エントランスにて)

モブB:(イナダ)「──ミ、ミキちゃん!?」

ミキ:「イナダさんっ!?」

ファスト代表:「(階段から降りてくる) ようこそ──下着泥棒アソシエーションへ。
待っていたよ……『ハヤカワ リカ』『ササオカ ミキ』」

リカ:「──っ!? 下着泥棒アソシエーション」

ミキ:「そんな所に、どうしてイナダさんが……?」

ファスト代表:「彼は、我が『下着泥棒アソシエーション』から、パンツ泥棒協会へ送り付けたスパイなのだから……ここにいても何の不思議もなかろう?
ここにいておかしいのは……『パンツ泥棒協会』の貴様達のほうだ……ふっふっふっ」

リカ:「イナダさんが……裏切り者──」


【次回予告】

エリト:「次回予告──
パンツ泥棒協会、関東部エリア統括とうかつのエリト ミチです。
遂に姿を現した、下着泥棒アソシエーションの代表『ファスト』。貴様が裏で筋書きを描いていたのか! もう、お前の好きにはさせない……
次回『過去の制裁』。
聴かないと、あなたのパンツ──頂きます」


【パンツ泥棒協会 五枚目】

ファスト代表:「イナダを使って、貴様達二人をここへと導かせた。今、その役目を終えた──イナダ。貴様はもう用済みだ」

モブA:(イナダ)「っ!? や、約束は守ってくれるんだろうな!!」

ファスト代表:「約束? ……あぁ『愛しのミキの下着には手を出さない』だったか?」

ミキ:「私……?」

ファスト代表:「ふっふっふっ……イナダ、最後に教えておいてやろう……
約束は破る為に、そして──下着は盗む為にあるのだよ!!」

リカ:「──なっ!?」

モブA:(イナダ)「そ、そんなの……きたねぇ〜ぞ!!」

ファスト代表:「(指を鳴らす) ナチ」

ナチ:「ファスト様、お呼びでしょうか」

ファスト代表:「イナダの下着を、盗んで来い」

ナチ:「はい……ファスト様」

モブA:(イナダ)「──なっ!? や、やめろ──来るなっ!!」

ナチ:「任務、実行します」

モブA:(イナダ)「や、やめっ──やめろぉぉぉお〜!!!」

ミキ:「イナダさんっ!?」

リカ:「イナダさんっ!! リカには!? リカのパンツには手を出されても良いのっ!?」

ファスト代表:「クックックッ……
さぁ『ハヤカワ リカ』『ササオカ ミキ』……
貴様達の下着も──頂こうか!!!!」(襲いかかる)

ミキ:「きゃっ!!」

リカ:「パンツゥゥ (訳:うわぁ〜) !!」

(扉が開く)

オシメ所長:「──待てっ!!」

ファスト代表:「むっ!? 貴様は──オシメ……」

リカ:「所長っ!?」

ミキ:「どうして、ここに……?」

エリト:「私が呼びました」

ミキ:「エリトさん!?」

ファスト代表:「小うるさいハエ共が──ふぅ〜……久しいな『エリト ミチ』。そして……『オシメ マモル』」

オシメ所長:「ファスト……」

ファスト代表:「ククク……ふははははっ!!
再び貴様が私の前に現れるとはなぁっ!! 実に滑稽こっけいな話だっ!! なんだ? また俺様に下着を手渡しにでも来たのか? んっ!?」

オシメ所長:「ファスト……頼むっ!! こ、この二人は見逃してやってくれっ!! この通りだ……頼む!! (土下座)」

リカ:「所長……」

ファスト代表:「クックックッ……またそうやってこうべを垂れる……あぁ〜変わらんなぁ〜、この負け犬がっ!!」

オシメ所長:「私は何と言われようと、一向に構わないっ!! だから……だからっこの二人だけには、どうか……どうか!! ──」

エリト:「──オシダ先輩!
こんな奴に、頭を下げる必要なんて……もうありませんよ」

オシメ所長:「エリト君……」

エリト:「私はもう……『オシダ先輩に守られるだけだった』昔の私ではない……
ファストっ!! あの日、貴様から受けた屈辱、お前のパンツで果たさせて頂くっ!!」(走り出す)

オシメ所長:「──や、やめるんだっエリト君!!」

ナチ:「ファスト様へは──近付けさせません」

エリト:「──邪魔です! まずはあなた達のパンツから頂きます!!」

ファスト代表:「それは、どうかな」

エリト:「──なっ!? (返り討ち) がっはっ!! ば、馬鹿な……」

ナチ:「ナチの物は、ファスト様の物だから──それは不可能」

ファスト代表:「ふははははっ!! 愚か者めが! ナチの下着を、盗める訳が無かろう!!」

ミキ:「な、何があったの?」

リカ:「リカには見えた……
あの人──パンツをいてない」

ミキ:「えっ!?」

ナチ:「朝着替えて、ファスト様にご挨拶に行くと、盗まれる。
だから、履くの、諦めた」

ミキ:「そんな……く、狂ってる……」

ファスト代表:「身に付けていない下着を、お前はどうやって盗むのだ!? エリト ミチっ!!」

エリト:「ぐっ──くそっ……」

ファスト代表:「……あぁ〜……懐かしいなぁ、この状況……
なぁオシメ マモル? あの時もそうだった」

ミキ:「あ、あの時……?」

リカ:「あぁ〜あの時ね♪ うんうん懐かしいね、あの時♪ ん〜〜……どの時??」

ファスト代表:「おやおや、なんだ自分の部下に話していないのか? オシメ──いや……『オシダ マモル』」


【過去回想】

オシメ所長:「エ、エリト君……に、逃げなさい……」

エリト:「そ、そんな──オシダ先輩を置いて逃げるなんて!?」

オシメ所長:「このままでは、二人ともパンツを盗まれてしまう……エリト君、君だけでも逃げるんだ」

ファスト代表:「実に後輩想いな先輩じゃないか──なぁっ!?」(蹴る)

オシメ所長:「──ぐぁっ!?」

エリト:「オシダ先輩!?」

オシメ所長:「あ、あぁ……た、頼む……私の持っているパンツは、全て……全て差し出す!! その代わりに……エ、エリト君だけは──」

エリト:「──だ、ダメですっオシダ先輩!! それじゃあ、あなたがこれから履くパンツが無くなってしまう!! 一生パンツを履けない身体になってしまう──」

オシメ所長:「──ファストッ! ……後生ごしょうだ……頼む……」

ファスト代表:「クックックッ……ふはははははっ! 面白いっ!! 実に面白い提案だぞ!! オシダ マモル!!
その提案、飲んでやろうじゃないか!!」

オシメ所長:「うっぐわぁぁぁあ〜!!」(剥ぎ取られる)

エリト:「オ、オシダ先ぱぁぁぁぁあい!!」

ファスト代表:「そうだなぁ〜ん〜……オシダ……オシ、ダ……オシ……メ? オシメ。
──そう、貴様はこれからオシメ──そう『オシメ マモル』だ!!! ふはははははは…… (フェードアウト)」


【次回予告】

ナチ:「次回予告──
下着泥棒アソシエーション、代表補佐の『ナチ』です。
えっあなた……単なるイジラレキャラじゃ、なかったのですか?
ファスト様に情けなく無様に負けた、負け犬ごときの、どこにそんな力が!?
次回『最終決戦』。
私に下着は……不要です!!」


【パンツ泥棒協会 六枚目】

ミキ:「そ、そんな……なんて酷い……」

リカ:「ホントに……酷い台ほn──」

ファスト代表:「(『台』辺りから被せる)
──貴様から盗む下着は、もう何も無い。それとも……次はその『おむつ』までも、差し出すか?」

エリト:「くっ……こんなに遠いとは……くそっ!!」

ファスト代表:「さぁ、お遊びの時間もここまでだ……
ナチ──エリト ミチの下着を盗んで来い」

ナチ:「はい、かしこまりました」(襲いかかる)

ミキ:「──させないっ!!」(食い止める)

ナチ:「──なっ!?」

ミキ:「この先には行かせない!!」

ナチ:「くっ……ファスト様のご命令は絶対……だから、邪魔をしないでくださ──」

リカ:「パァ〜ンツ!!」(横から体当たり)

ナチ:「かはっ!!」

リカ:「パンツの相手はリカが!
……間違えた。
リカのパンツは相手が!! ……違う。
あなたのリカはパンツが!!! ……あれ?」

ナチ:「ぐっ……」

リカ:「パンツを履いてないなら──」

ミキ:「履かせれば良いっ!!!」

ナチ:「させませんっ!! ぬぁぁぁあ!!」

ミキ:「たぁぁぁあ!!」

リカ:「パンツぅぅううぉぉお!!!」


ナチ:「ぐっ……しつこいです!! 大人しくっ脱がされてくだ──さい!!」(吹っ飛ばす)

ミキ:「きゃっ!!」

リカ:「パンツゥくふぁ!!
うぅ〜強い……パンツを、履かせるまではいけたのに……」

ナチ:「さぁ、終わりです……あなた達の下着、頂戴ちょうだいいたしま── (腕を掴まれる) なっ!?」

オシメ所長:「……情けないじゃないですか……後輩や部下達が、みずからのパンツをかけて戦っている……
この絶望的な状況の中で……それでも戦っているというのに……」

ミキ:「所、長……」

ナチ:「は、離せ──ぐっ」

オシメ所長:「私……これでも、所長なんですよ。守られて良い立場では……あってはいけないですよ。
リカ君、ミキ君……そしてエリト君──本当にありがとう。
君達には、大切な事を教えてもらいました──忘れていたあの時の……過去に置き去りにして来た、あの頃の気持ちを──
もうこれ以上、私の大切部下達を……傷付ける事は許しません。
見せてあげますよ……私の本気を──本当の実力を!」

ナチ:「──っ!? か、身体が……動かない? この男の気迫に、押さえつけられて……ぐっ」

リカ:「パ、パンツが……震えている……」

エリト:「オシダ先輩が……目覚める──昔の……あの時の目だ!!
『ゴット オブ パンツィスト』の異名を持っていた──あの時のっ!!」

オシメ所長:「くあぁぁぁああ!!!」

ナチ:「ぐっ……この気迫……私がファスト様以外に気圧けおされるなんて──」

オシメ所長:「うおぉぉぉぁぁ!!!」

ナチ:「ぬ、盗まれてしまう……下着だけじゃなく、下着を身につけようとする気力までも……
た、耐えられない──」

オシメ所長:「うおぉぉぉぁぁぁぁあああ!!!」

ノン:「──いただきっまんもすぅ〜♪︎」

エリト:「えっ?」

ナチ:「えっ?」

オシメ所長:「へっ?」

ノン:「あっ、おむつも盗んじゃいましたぁ♪︎ ふふっ♪︎
パンツ以外には興味はないので、お返しますね♪︎」

ミキ:「ノン……君?」

ノン:「はい、ノンですぅ〜♪︎
え〜っと……セクシーな紫のパンツに、アヒルちゃん柄のパンツ♪
あっこれはエリトさんの自撮りプリントパンツですか♪︎
そして──真新しい水色のボーダーパンツっと♪ ふふっ大量大量♪ 豊作ですぅ♪︎」

オシメ所長:「あ、あのぉ〜私の見せ場、だったのですが……」

ナチ:「そんな、馬鹿……な……私の……下、着……っ (倒れる)」

リカ:「ど、どうしてノン君が──」

ノン:「パンツがある所に、ノンは現れます♪
さてっと──あとはおひとり様だけですね♪︎
あなたは、どんなパンツを履いているんですか♪?」

ファスト代表:「貴様……何者だっ!」

ノン:「だぁ〜かぁ〜らぁ!! ノンですぅ♪︎
ふぅ〜……リカさん、ミキさん、エリトさん──良く持ちこたえてくれましたね♪︎」

オシメ所長:「わ、私は? ……えぇ〜……」

ファスト代表:「ナチの下着が一瞬で盗まれるとは──貴様、只者ただものではないな」

ノン:「んふふっ♪
ファストさん、ダメじゃないですかぁ♪︎ 無理矢理下着を奪おうなんてしちゃ〜♪
あなたのやってるのは『下着泥棒』じゃなくて『下着強盗』ですよ?♪」

ファスト代表:「だったらなんだと言うのだ……この世界の全ての下着は私の物! 私の物をどう扱おうと、私の自由ではないか」

リカ:「全てのパンツはリカのモノ!!」

ミキ:「リカ、今は黙ってて……」

ノン:「いえ違います──パンツはみんなの物です♪ それを盗むからこそ、至高であり、崇高すうこうな物なんですよ?♪」

ファスト代表:「フンッ! 誰かも分からぬ者の戯言ざれごとなんぞ、聞く耳持たん。
ナチの下着を盗んだからといって、この『下着泥棒アソシエーション代表』の俺様に、勝った気になるなよ……」

ノン:「勝ち負けじゃありませんよ♪︎ 盗むか盗まれるか──ただ、それだけです♪︎」

ファスト代表:「ぬかせぇっ!! (襲いかかる)」

ノン:「ん〜 (手を叩く) ばっ♪」

ファスト代表:「──なっ!? ……ば、馬鹿な……この俺様が……? お、俺様の下着がぁぁあ!! あっ……あぁ…… (倒れる)」

ノン:「ふふふっ♪ 赤いふんどし♪
ノンは嫌いじゃないですよ♪︎」


【次回予告】

オシメ所長:「次回予告──
あぁ~どうもお世話になっております。パンツ泥棒協会 関東支部 所長の『オシダ』──もとい『オシメ マモル』です。
それで、あのぉ~……結局、私の活躍……見せ場は……?
ま、まぁでも、みなさんが無事で何よりです……はい、何より……何より、です……グスン。
えぇ〜、次回最終話『パンツのその向こうへ』。
あなたのパンツの枚数……足りてますか?
はぁ〜……私の、見せ場が……


【パンツ泥棒協会 最終枚】

ノン:「(伸びをする) んん〜〜っ♪︎ やっぱり、外の空気は気持ち良いですね♪︎」

ミキ:「あ、あの……ノン、君?」

ノン:「はい♪ ノンですぅ♪」

ミキ:「最後、ファストと戦っていた時……一体何がどうなったの? あまりに一瞬過ぎて……」

ノン:「ふふっ♪ リカさんには見えていたんじゃないですか♪︎?」

リカ:「ふぇっ?
う〜……ファストのふんどしが見えたと同時に、ノン君が腕を組んで
『えっ……ふんどしってパンツ? それともただの布?』
って、パンツも喉が通らないくらい悩んでから
『まっ、後で考えればいっか♪︎』
っていう感じで手を叩いて、盗んでいた?」

ミキ:「え、あの『パン!!』っていう音、手を叩いた音だったの!?
……あんな一瞬で、そんな事が──」

エリト:「でも、本当にさすがでしたノン会長! ピンチに颯爽さっそうと現れ、そして目にも止まらぬ、あの早わざで──」

オシメ所長:「──ちょ〜い! ちょいちょいちょいっ!! 待って待って待って下さい!!!
えっエリト君、今なんと言いました?」

エリト:「えっ? はい……
『でも、本当にさすがでしたノン会ちょ──』あっ!?」

ノン:「もぉ〜エリトさん、内緒だって言ったじゃないですかぁ〜。プンプンですよ♪」

エリト:「す、すいません!!」

ミキ:「この協会の会長が……えっ? ノン君!?」

リカ:「会長なんていたの?」

ミキ:「そりゃ〜いるでしょ」

オシメ所長:「いやいやミキ君、このパンツ泥棒協会の中でも、謎になっていたのですよ。
『このパンツ泥棒協会を立ち上げた人物は誰なのか?』そして『会長の存在──本当にいるのか』という……」

リカ:「へぇ〜、謎じゃなくなっちゃったね」

ミキ:「で、でも、どうしてそんな姿を隠すみたいな事を?」

ノン:「何を言ってんですか♪
ノン達はパンツ泥棒ですよ? 泥棒が正体をさらしてどうするんですか♪︎」

リカ:「あ、あぁ〜ホントだ……」

ミキ:「闇夜に姿を隠し、ターゲットへとかすみごとく近付き、気付いた頃にはもう盗んでいる……ふぁ〜カッコイイぃ〜///」

エリト:「だから『ノン会長』は『ノン君』として、姿を隠していたんです。
ですから、みんなには内緒にお願いします」

ミキ:「はい!!」

リカ:「パンツはい)!!
──っていうか、リカとミキって、今日お休みだったんだよねぇ〜……」

ミキ:「あぁ〜……凄い濃い休日を過ごしちゃってるけどね」

リカ:「ミキ!! 今からでも遅くないよ! 今から休みを満喫しよっ♪︎」

ミキ:「うんっそうだね! 何するの♪︎」

リカ:「ヒガ イシヤの所に、新しいパンツ盗みに行くのっ♪」

ミキ:「やっぱり休日も盗むんだね……」

リカ:「そして次はおかまさん♪︎」

ミキ:「えっ……お、おかまは──いやぁぁぁぁぁぁあ!!!!」

リカ:「それじゃ〜──パァァンツ行こう!!!」


【暗い部屋】

モブA:(スカル)「ご報告いたします──ファストのアンダーウェアが、盗まれました」

スワロー:「ふっふっふ……そう。
──遂に見付け出したわ……ノン (椅子から立ち上がる)」

モブA:(スカル)「──どちらへ?」

スワロー:「スカル……皆に招集をかけなさい。
『シーフ オブ アンダーウェア カンパニーのフブキ スワローが──飛翔致します』と──ふふふふっ (扉から出て行く)」


【エピローグ】

リカ:「パンツゥ~ハロー
パンツ泥棒協会、期待の一番星!! 『ハヤカワ リカ』です!
せっかくの休日が、こんな事で潰されるなんて……下着サソリエンジョイとかいう奴ら、絶対に許せない……今日はまだ一枚も盗めてないのにぃぃい!!
──あっでも! みんな最後まで聞いてくれて、本当にありがとう♪
さてさて、次回からは新章突入!!
──え? 無いの? これでもう終わり!!? 嘘だよね!? リカの活躍は? ねぇ! ねぇってば!! もっとリカにっパンツ、盗ませろぉぉぉぉお!!!!」

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